「がんばるぞーー!」
西宮公同幼稚園で年に一度のこの掛け声からはじまる3学期。今年は頭にねじりはちまき!年長さんからは「はらまき!?」という、かわいい声や、「おすしやさんのやつだね」という食いしん坊な声も聞こえてきたのですが、「どん!どん!」と鳴り、振動が体にまで響く、そんな3学期の始園の日となったのでした。
2025年はじめて!の、こうどうぶんこの日。ぶんこだよりでおなじみの、「こうどうぶんこ新年スペシャル!」ということで、カルタ大会が始まったり、ちょうど1月7日だったこともあり、七草粥をおやつにいただいたりと、2021年1月の、かがくのともで、刊行された「ななくさつんで」(文:かわしま ようこ、画: 辻川 奈美/福音館書店、2021年)の絵本も楽しみました。
翌日には幼稚園でも味わった七草粥と、この絵本。七草粥で味わう草は、今では、いたるところに生えているものもあって“雑草”と、呼ばれているものもあることや…。近くにない場合は、こんな似た草を代わりに使ってつくってみよう!と、紹介されていた中のひとつの、オオイヌノフグリに「えーーーーー!」と、驚く子どもたち。
実は、子どもたちにとっても身近な雑草で、幼稚園から子どもたちが全力で走ったら10分もかからない!そんな場所にある、畑。そこで、冬から春にかけて青い花をさかせて、「かわいいー」と、夢中になるのが、オオイヌノフグリ。オオイヌノフグリは、外来種で、在来種のイヌノフグリは、最近はなかなか見られないそうなのですが、遊びに行かせていただいている丹波篠山市後川では、このイヌノフグリを見ることができるのです。子どもたちにとって馴染みのある“雑草”のひとつ、オオイヌノフグリが食べられると知り「えーーーーー!」「じゃあ、こんど、ちょっとたべてみよー♪」と話す姿に“こうどう魂”を感じて笑ってしまったのでした。
畑といえば、イチゴ、サツマイモ、タマネギ、ジャガイモ…そして、2024年大豊作だったカボチャ!と、“食べる”自然の恵みや、チューリップ、ヒマワリ、ヒガンバナ…と、色鮮やかな花を思い浮かべますが、足元にある世界もとっても素敵で、子どもたちと楽しんでいる日々です。
さきほど、ご紹介したオオイヌノフグリをはじめ、“雑草”と言ってしまえば“雑草”だけれど、ひとつひとつの雑草にもある名前。それを知ると少し見える景色が変わってきます。景色を変えるきっかけを作ってくれるのが「これなあに?」という子どもたちのつぶやきなのです。いわゆる“雑草”も、子どもたちの「ドキドキワクワクの魔法」にかかると、素敵な花束に。よく、リボンをつけて、お土産やプレゼントにしている子どもたちです。
ヒメオドリコソウは、ピンク色がかわいくて、花束づくりに大人気!黄色い花を咲かせるカタバミをアクセントにいれてみたり、白い花のハルジオンもかわいい!花束だけでなく、絵本「ながいかみのラプンツェル」(著:グリム、画:フェリクス・ホフマン、訳:せたていじ/福音館書店、1970年)の、ラプンツェルのように髪にもつけていたり♪ 足元に広がる世界も輝いている、西宮公同幼稚園の畑です。
今(1月上旬)は、キャベツがどんどん葉っぱを広げています。雨上がりは、キャベツの葉っぱにできる、小さな水たまりのような、雫がキラキラ、雫を眺めていると「もしかして、ちょうちょがうまれるやつかなー」「うまれたら、たべるやつだねー」と、話していた子どもたち。
何気ない会話。何気ない出会い。何気ない毎日。そんなひとつひとつ、一瞬一瞬が、決して当たり前にあるものではなく、かけがえのない日々であること。大切に想う、新年のはじまりです。
“雑草”と、まとめられてしまう草花。そんなひとつひとつが「たからもの」になる、西宮公同幼稚園の子どもたちの毎日。そんな子どもたちの「こころのたからもの」がこれからも守られますように。一緒に守ることができますように。
2025年もよろしくお願いします!
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