梅の木からいいにおいがこぼれるような季節を迎えています。木々に恵まれた園庭です。四季の移ろいを味わえる素敵な園庭は、落ち葉掃除に明け暮れた桜と銀杏とに続いてけやきもすっかり裸ん坊。でもそれぞれその木の中では春へ向けての始動がきっと起こり始めているに違いありません。だって3月はもうすぐそこに。桜は木の先が膨らみ始め、けやきに新芽が見え始めてというのをきっとあれよあれよと見せてくれるに違いないと思うのです。おもちつきが7日に威勢良くそして何より天気に恵まれて行われました。80キロという大量のはずなのに、何しろ手慣れた公同のおもちつきです。10時に始まって間もなく1時というころには、まきストーブにのっている蒸籠はもうわずか5つほどに。きなこ、あんこもち、おろしもちの超人気のごまだれなどなどみんなのおなかにどんどん入っていきました。ご近所にも配らせていただくおもち、幼稚園のおかげで四季を感じさせてもらってと言ってずっと喜んでいただいてきました。先日も高齢のお方のお話に「ひとり暮らしは心配だから一緒に住もう」ときょうだいに誘われているけれどここは離れられへん、朝になったら子どもたちの元気な声が聞こえてくる、音楽も流れてくる、ああ、今日も一日が始まるんやなあと思えるから、だからできるかぎりここに住みたいと思っているとありました。子どもの声がうるさい、流す音楽がいやだなどと言われるのが保育や学校の施設、そんな体験をすることもかって違うところであったけれど、そういう子どもが生活する場所が、地域の方々との相互作用の核になれればと思ってきたことをここ西宮で進めていくことができています。それを実感する昨今、うれしいですね。
もちつきの光景を園舎の2階から眺めると、うすの周りに何重もの輪ができていてそして声がとびかっています。「もちは声でつくもの」、そう周りの掛け声が大事です。つき手とうすとりがうまくかみ合うのもこのかけごえがあってこそ、リズムが大事です。よいしょよいしょ、それえ!はいはい!などいろんな声が飛び交い、応援があっておいしいおもちになります。
そんな何重もの輪が、年齢に関係なく自然にできていてというのはもちつきのような日の特別な話でなく日常にもあります。今はこまが一番ですね。大きなこまを回す台があってその周囲は4歳を迎えた子どもたちからもうすぐ小学校という子どもたち、それにおとなが加わってのこま風景です。あの幼いわずか生まれて4年ほどのその手が、こまのひもを巻き、しゅっと自分の手から放り出す、そんな技をやってのける、もう驚きです。回った時のあの顔、いつまでもひもをくるくる指などに巻きつけていたり、鼻の穴がちょっぴりふくらんでいたり、ちらっと周りを見てそしてほっと息を吐いたり。名づけて「ぽっぽ・生意気こま隊」、その隊員は先日園の子どもたち全員の前でその進化の様子をご披露しました。寒さが厳しい1月から2月のころですが、ここ公同にいると気温が低く寒い日はあっても決して心は寒くはありません。温かいものがいつも流れています。
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