いよいよ、とうとう、この日がやってきました。これ以上の暑さはないと思った2010の夏、9月に入ってもプールには子どもたちの歓声が溢れ、散歩の帰りには「きょうぷーるはいるかな?」、先生の返事がないと「しゃわーくらいかな」などとつぶやきが聞こえたのが、まあこの涼しさです。とうとう、と書きましたが、それは6月にいもの苗を植えてみんなで見守ってきたのが、大きくなり、24日「いもほり」の日を迎えたからです。いもが成長する、それだけでなく、暑さ寒さも彼岸までのとおり、あちこちに彼岸花のニュースが聞かれるころになるとほんとに暑さが去り、みんなで畑に訪れるのも暑さとの戦いだったのが、余裕を持って歩けるようになり(これには子どもたちそのものの成長があり、特に3歳児は!なのです)。だから、とうとう!であり、ずっと見守ってきた子どもたちにはとうとう、そしてやっとということなのです。
この欄を書いている当人は実はあまり畑には顔を出しません。見るとあちこち安全にと片付けたくなり、やぶからしとかに挑戦したりと忙しくてじっくり眺めるのができないからですが、でも夏の畑(夏だけではありませんが)がどれだけ大変かには心を寄せてきました。夏の出勤中に畑を訪れて帰ってきた時の年長の先生の汗と泥の顔はすごいものでした。園芸サークルのおかあさんがたにもお世話になりました。実に一日一日、畑そのものの時間があってこそのいもほり本番。公同のことを自慢するとすれば、子どもたちのいもほり体験ではなく、その時間のために子どもの笑顔が畑に溢れるそのことのために自分を惜しまない人たちがいっぱいいるということ、いもほりの日にお手伝いくださったおかあさんがたの「いやあ楽しかった!」の一言。掘ったいもを家に持って帰るわけではないのに、ただただこの時間のために力を出してくださることに感謝。傲慢を顧みず言うとするならば、だから公同のおかあさんがたもいつも輝いて溌剌とされているのかもしれません。
「今年は1000キロだぞ」と言っておられた園長先生のことばどおり大収穫でした。先日顔をのぞかせていたさつまいもで、みんなすでに味見は終了しています。つるもしっかり食べるのが公同、特に11月のおまつりにはいもごはんが販売されますがそこにつるのきんぴらが添えられます。園芸サークルの目玉商品です。ところでそのさつまいもは体重計で測られて210キロということがわかりました。早速ちびいもは湯がえられてふかしいもに。お迎えのおかあさんがたにも提供されました。おまつりのためのいもはよけられ、10月に行われる新入園の子どもたちにもスイートポテトがおやつになる予定、未就園の子どもたちの集まりにも蒸しパンに入ることになっています。いつもいもの苗やいちごの苗の購入でお世話になり、花でいっぱいの幼稚園の花はここからという花屋のエウルさん、ちょうど来られたので収穫したてを3個ほど持って帰っていただきました。「ケチじゃないよ、ぐりとぐら」の絵本のフレーズどおりです。もちろん少ない収穫でも分け合うのですが、今年はこれからおやつなどに次々にさつまいもが出てくることでしょう。そうそう公同名物公同鍋のことを忘れていました。おまつりには欠かせない一品です。
つる付きのさつまいもを綺麗にしたり、「体重測定」をしたり掃除したりいろいろな最後までの働きもありました。子どもたちの時間が豊かであるためには実に多くの思いや働きや支えがあるのです。
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