3月17日に63人の卒園、いつもながらの手前味噌ですが、なかなか素敵な最後の時間でした。一人ひとりがここで生活したことの証しのような、子どもたちをパワーポイントで紹介し、ことばを添えての映像、子どもたちの元気な歌、先生たちの楽隊は♪勇気100パーセントなどの曲を楽しく編曲したりしたメドレーを演奏、幼稚園での生活の総決算のような時間、運動会でもいつの場合もそうであるように明日の時間を想定して子どもに練習させるということはありません。だからそんな「はじめて」味わう、卒園式という時間に全身で集中、しっかりその時間に加わり受け止めていた子どもたちでした。
23日、63人が巣立ったあとの年度の終了の日、待ちに待った新しいクラスの帽子を受け取る日です。もう頭には「帽子」しかありません。園長先生がかばんの中には何があるかとよく絵本を入れてこられるそれを持ちあげられたら、「ぼうし!」の声の連続。それほど大きくなることはうれしいこと、待ちわびたこの日だったのです。卒園式で披露した先生たちの楽隊をこの日も演奏、じっと聞き入っていた子どもたちのあまりの静かさに驚いた先生たちです。
桜がほころび始めました。まだ1分くらいですが、きっと暖かい日が続いているのでどんどん花を開いていくことでしょう。昨年の桜の開花が終わり、散ったあとから、また新たな年への歩みを始めていた桜、寒い冬の間も少しずつ準備をしているのを下からよく眺めました。「♪ひらいたひらいたなんのはながひらいた~」の先生たちの歌声で始まった昨年4月、子どもたちといっぱいの素敵なハーモニーを作りだしながら、何より事故もなく過ごせたことは感謝です。子育て支援ということばがあるとするなら、それはモノや手伝いという支援ではなく、子どもを理解する、一緒に遊ぶ楽しさ、子どもの成長を待つ醍醐味、そういうことをできる限り具体的にお伝えすることだと思ってきました。おかあさんたちの子どもへのまなざしが、いそがずゆっくり、でも必要時には親ならではの働きができるようなものであってほしいと願ってきました。子どもたちとよく遊ぶおかあさん、おとうさんです。そしてよく園を手伝ってもくださいます。でも出すぎもしないおかあさんやおとうさんたち、そんな働きのおかげで幼稚園の毎日はほんとうに弾んでいます。最後の子どもさんが卒園されたご家庭の方が、まだあと2年3年通園される方に「いいわねえ、まだまだ通えて」、逆に「いいでしょう、これから3年よ」と最後の子どもの入園を自慢されておられたり、うれしい光景です。
春休みは実家への帰省などでの懐かしい訪問も多く、園庭はにぎやか。中学生に高校生に大学生にと大きくなった姿に元気をもらっています。ポスター1枚ない園ですが、人と人のつながりで今年も新たなスタートを切ることができます。園児数の大きな減少もなく、春を迎えられることを心から感謝しています。大災害に遭われた方々、失われたいのちの分まで、一人ひとりの子どもが輝かなければ、そう思っています。
[バックナンバーを表示する]