「年長さんとの一年間を通して」
4月からの日々。あっという間でした。気が付けば3月にです。子どもたちと初めて出会ったのがつい最近のように感じます。そして、何もわからない私にも優しく接してくれたみんな。今でも嬉しかったのを覚えていて忘れられない思い出です。
何といっても驚いたのは、園外へのでかけていくその数。何といっても一番の思い出は大阪造幣局、その桜の通り抜けへのお出かけ。人の多さにはびっくり、あまりにも人が多くてはぐれてしまうのではないかという不安と、こんなところまで遠征するんだというその距離への驚きでした。けれど、そんな私の不安とは裏腹に園長先生の後姿を見失わないように、ぐんぐん進んでいくみんな。その、たくましさにも驚きました。三田市の新宮さんのアトリエをはじめ幾つかの美術館、自然豊かな千里北公園、石を拾った須磨浦海岸~。六甲山には2度。山道を歩いていると4月には少しのことで怖いと号泣していたお友達も、1年の時間を過ごして、目をみはるくらいの元気さで「自分の力で歩けるよ」と言っている姿にびっくり。ただ山に登ったりたくさん歩いたから慣れてきたのではなく、公同幼稚園の毎日を通して、縄跳びを楽しむ、また冬になって登場した竹馬に挑戦したり、と日々の生活にいっぱいのやってみようの思いを持つ出会い、そしてそんな時間を通してやればできるという心が育つから、だからこそ、そういう場面でも諦めずに立ち向かう勇気が心の中に育っていくのだろうと感じています。
少しずつ成長していく子どもたちと日々を過ごせてきたことを何より嬉しく思い、感謝です。
そして、年長といえば、何度も訪れた後川。そこでは春夏秋冬を身近に感じ、自然の中でたっぷり過ごさせていただいた1年間でした。私自身も、初めて出会うものばかりでした。田植えに、綿の苗植えに、泥田にも入ったり、川でたっぷり水と戯れたり、肌で感じて過ごしたその1日1日。そしてその、一瞬一瞬が子どもたちの記憶に残り、ふとしたときに思い出すような素敵な体験だったのだろうなと思っています。
公同幼稚園の冬の遊びといえば、けん玉に、竹馬に、コマに、あやとりにと夢中になるものばかり!園庭では、毎日竹馬と向き合う姿があって、またそれを教えてくれたお友達にできたから見せに行くというお友達との心温まる話が見えてきたりと、毎日挑戦する心を持ち続ける子どもたち。そんな姿を見ていると、私たち大人も頑張らなければと思わせてくれるそんな日々を過ごしています。
散歩に出かけると、梅の花はどんどんと咲き始め、こぶしのつぼみは、ふっくらと膨らみ、風は暖かく春を感じる毎日。春に近づくにつれ、子どもたちの第一歩も近づいていることに。ぽっぽさんは、さんぽらったさんに。さんぽらったさんは年長さんに。年長さんは小学生にと。一歩ずつ歩みを進めていくんだろうなぁとしみじみしています。新しく進んでいく毎日も子どもたちと寄り添いあいながら、成長できる日々となりますように。
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