西宮公同幼稚園に出会って、大好きになった1つの歌があります。それは篠山100年を祝って作られたという「しあわせの日」。
この曲を歌う子どもたちの歌声には自然と涙が出てしまいます。自然との出会いを豊かにしてくれる後川で、今年も年長さんの歌声を聞くことが出来ました。
毎年年長さんになると訪れている篠山後川ですが、行くたびに違う1日1日を届けてくれるのがこの場所。そんな魅力いっぱいの後川で、今年の年長さんが過ごす日をとても楽しみにしていました。私が公同幼稚園に来て初めて担任をさせてもらったのが今の年長さんたちです。まだぷくぷくしていて、津門川に沿って一生懸命歩いているみんなの姿からは、まさかこんな日が来るなんて想像もできませんでした。「シツカワって何?」そんな???がいっぱいだったみんなに後川を伝えてくれたのは、今までの年長さんたちです。かっこいい年長さんが後川に行くとこんな事をしてきたらしい!この歌を歌ったらしい!そんな憧れの先輩たちの姿から後川への思いを募らせてきた2年間余り。
そんなみんなが初めて後川を訪れた5月。しっかりとした足取りで、あの白と緑の帽子を被って後川の道を進む姿には感動しました。
田植えや茶摘み。決して西宮ではできない貴重な経験を経て、そしてその豊かな緑いっぱいの景色に包まれた穏やかなひとときを過ごし、さらに大好きになったみんな。
ぽっぽさん、さんぽらったさんにもおいしい後川のお茶を届けたいと、開いたティーパーティでは、自分たちで考え、話し合い、作り、想像をはるかに超えた成長の姿を見せてくれました。
そして6月の半ば、そんなみんなが大好きな後川でのお泊り保育へと出かけることに。そんな前日はもう嬉しくて嬉しくて♪ワクワクドキドキした気持ちが顔いっぱいに溢れていて伝わってきました。バスの中ではだんだんと景色が変わっていくのを見て、「もうすぐ後川小学校着く?」と聞くみんな。「この道を左に曲がるんだよね」と道を覚えている子も。5月に訪れた時には山々に藤の花が色鮮やかでしたが、今回は栗の黄色い花があちこちに。いなぼうたちに迎えられていよいよ後川に到着。ゆっくりと時間が過ぎていく2日間の中で見えたのは、大きく大きく育っていた仲間の存在。
少し抵抗のある泥がいっぱいのビオトープだって、みんなで入って泥んこになれば面白い。分からない…と悩んだときは、隣で教えてくれる仲間がいる。少し寂しくなった夜だって、隣を見れば寝袋で笑い合える友達がいて一瞬で笑顔に。いろんな道中も、みんなで歌えばまるでパレードに♪
他のどこにもない、そんなこの2日間で一回りも二回りも大きくなったようなみんなの姿に、嬉しくなりました。
♪過去 今 未来 手と手をつなぎ
しあわせの日を だきしめよう
長い年月 守ってくれた
すばらしい歴史に ありがとう
たくさんの人たちの気持ちや働きによって繋がり続けている後川の時間、そして今。
その歴史の中のひとときに参加させてもらい、私たちに大切なものを伝えてくれていることに心から感謝しています。
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