どぉん!と胸に響く太鼓の音とともに、ついに1年間の集大成、3学期が始まりました。今年も年長さんは、真剣な表情を浮かべ、「がんばるぞー!」と気合を入れて、かっこよく太鼓を叩いてくれました。
下の学年の子どもたちはそんな年長さんへあこがれのまなざしを向け、だんだんと近づく新しい学年の始まりに期待で胸を膨らませます。
そんな逞しい姿を見守りながら思うことは、「本当に大きくなったなぁ。」
今の年長さんが、ぽっぽさんだった頃にそばで一緒に過ごしてきた日々を思い返すと、なんだか不思議で、誇らしくも感じます。
まぁ本当に個性豊か!あっちで大笑いしているかと思うと、こっちでは急に大泣き。一つ一つの新しい出会いや挑戦にわくわくしているお友達もいれば、ドキドキして不安で涙いっぱいなお友だちも。
早くおやつが食べたくて、お部屋へ一直線のお友だちもいれば、絶対にお部屋には入りません!と園庭の椅子から動かない子も。
一人一人、色とりどりに輝くぽっぽさんらしい姿を、心と体でいっぱいに過ごしてきた今年の年長さん。一体みんなが緑と白の帽子をかぶる頃には、どんな年長さんになっているのだろう。と楽しみでした。
「おーい!話、聞いてるかーい!?」との突っ込みもよく聞こえてきた年長さんですが、ノリと一体感はピカイチ!後川の宿泊保育では、ノリノリで、♪おちゃっぱ、ちゃっぱ~と歌って踊りながら、1時間お茶の葉をこすり続けたみんなの姿はとても心に残っています。何事も楽しい!に変えていく仲間との信頼やまとまりの姿がたくさん見えている今年の年長さんです。
そんな年長さんと過ごす日々も残り100日を切っていることに気付くと、近づいてくる巣立ちの時に「もう少し後で、いいよ」
「もう少しだけ一緒にいようよ」という思いで、嬉しい気持ち以上に、寂しくもなります。
昨年度、3年間の成長を見守ってきた子どもたちの逞しい巣立ちを経験し、からっぽになった教室を見た時、心にも大きな穴が開いて、でも、新しい春を迎えた4月、小学校の入学式を終えたみんなが、ランドセルを背負って、幼稚園へと遊びに来てくれました。その時ほど公同の、「3年間で終わることのない繋がり」に感謝したことはありません。
それからも、教会学校に、お手伝い隊、運動会にお祭り、クリスマス…。いろんな場面で続いていくみんなとの日々が、新しい毎日の活力にもなってくれました。
ぽっぽさん、さんぽらったさん、そして年長さんと、積み重ねていく3年間の日々に意味のないことなんてない。「あんなこともあったね」と話せる今、すべてがあってこその未来を、卒園児の姿から思います。
先日、こんなことがありました。事務所で仕事をしていると、「よっ!」と久しぶりに顔を見せてくれた3年生の男の子。
久しぶりの再会が嬉しい中、どうしたのかと聞くと、「あのさ、今日電話忘れて、駅にお母さんが迎えに来てくれるんだけど、今どこにおるかわからん。だからお母さんに電話してほしい」と。(笑)
携帯電話を忘れて、混乱して悩んだでしょう。どうしたらいいか考えたら、すぐに幼稚園に行こうと思ったと。困った時、悩んだ時、ここに来れば助けてくれる大人がいる。何も躊躇することなく入ってきたその子を見て、その信頼を向けてくれていることが嬉しくてこちらも笑顔になりました。
街の中の小さなこの場所が、いつまでも公同で育ってきた子どもたちにとって、温かくホっとする場所でありますように。
これまでに巣立ってきた子どもたち、そしてこれから巣立っていく子どもたち、今3年間を積み重ねている子どもたち。すべての仲間に思う気持ちです。
刻々と近づいてくる巣立ちの時、まだまだ楽しみは広がっていきますが、その1日1日の中で一人一人との会話を大切にしていきたいなと思っています。
そして、どんどん、学年としてのまとまりを見せてくれている姿をぽっぽさん、さんぽさん、らったさんのみんなと見守り、しっかりと心の中に受け継いでいきたいと思います。
どうか明日も、心躍るそんな1日となっていきますように。いっぱい笑って、歌って、見て、考えて、時には涙も経験して。
いろんな気持ちを知り、日々成長していく姿を、温かく見守っていけますように。
今年度、残りあと数か月。
どうぞよろしくお願いいたします!
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