年長組の子どもたちと過ごす日々が始まって約1ヶ月。新型コロナウイルスの影響で、思うように子どもたちと過ごすことができず、もどかしい日々を過ごしていましたが、少しずつ日常が戻ってきています。
年長さんといえば、後川での沢山の豊かな体験がお楽しみの一つです。
そんな中で、十分に感染予防に気を配りながら年長さんと、はじめて後川を訪れたのは、6月12日。
私は、生まれも育ちも、後川がある丹波篠山市なのですが、子どもたちと自分が生まれ育った場所に来るというのは、なんだかとっても不思議な気持ちで。大きなショッピングモールもない、娯楽施設もない素朴な場所で育ってきたので、学生の頃は都会に憧れる毎日だったのですが、西宮公同幼稚園に来てから、いかに豊かで贅沢な場所で育ってきたのかが、少しだけわかったような気がしました。そのことに気づかせてくれたのは、紛れもなく子どもたちを始め、公同幼稚園に関わる多くの人たちです。
今まで存分に素材がありながらも、知らなかった木々や草花の名前や香り、触ったときの感覚を子どもたちと一緒に味わって、なんだか世界が、すごく広がったような気持ちになりました。あれだけ沢山の木々や草花に囲まれていても、名前一つ知らずに過ごしてきたことを勿体なく思いながらも、今、子どもたちと一緒に学べることを嬉しく思います。
初めての後川は、目に入るもの全てが新鮮で!落ちている石も、生えている草木も何もかもに興味津々の年長さんたち。初めて食べたグミの実も、おいしい!と笑顔の子もいれば、渋くて口がへの字になっている子もいて、それぞれの違った反応がおもしろかったです。そして、待ちに待った田植え!泥んこ田んぼのなんともいえない特別な感覚を、みんなで味わうことができました!!初めは入りたくない〜!と言っていたお友だちも、入ってみれば思いのほか楽しくて!入った後に「これで、ねんちょうになれた」と一言。その一言が聞けただけでよかったなぁと思った1回目の後川でした。
2回目に後川に訪れたのは、1度目に後川に訪れた日から1週間後のことでした。お昼の3時から出発!この日の目的の一つは、ホタルを見ること!国の天然記念物のオオサンショウウオと触れ合ったり、茶畑に行ったりして盛りだくさんの時間を過ごしているうちに外は真っ暗に。旧後川小学校から少し歩いた川沿いに黄色の沢山の光が目に飛び込んできて…。わ〜!!きれい!!と目を輝かせる子どもたち。
大切な年長さんとの日々がどんどん過ぎていく中で、4月5月のなんだかもやもやした気持ちの毎日を過ごしてきた、そんな気持ちが吹き飛ぶぐらい、とってもきれいで吸い込まれるようでした。しっかりと目に焼き付けて西宮まで帰ってきました。帰りのバスで、「しつかわ、たのしかったね!」と満面の笑みの子どもたちの顔をみて、本当に嬉しい気持ちになりました。
こんなときだからこそ、こんなときにしかできない、そんな特別なことをこの1年間子どもたちと思いっきり楽しんでいきたいと思います。
[バックナンバーを表示する]