やっと秋になった、とこの前思ったはずなのに…。寒い!寒い!寒い!あっという間に冬…。そして、きっとあっという間にクリスマス…。そして、あっという間に年末!?年始!?そんな気もしてくるほどのときの速さですが。ふと、空を見上げてみると、雲ひとつない青空の日もあれば、うろこ雲が出ている日も…(うろこ雲は、雨が降る予兆となる雲)。寒いのに日差しは強くてまぶしい!と、なる日もあったり、西宮公同幼稚園の園庭の木々は、いつもよりはゆっくり、のんびりとしたはやさで色鮮やかに彩られています。実の重さで木がしなるほどに豊作の、柿の木の実は、園舎で干されて干し柿になりました。日々全てが繋がっていて、柿の葉も、絵本「かき」(作・絵:矢間芳子/福音館書店、2004年)で紹介されている遊びです。すべてが遊びの西宮公同幼稚園では、以前はイヌタデ(雑草)で園長先生が縄をなってくださって、縄跳びをしたことも。“同じ場所”で過ごしていても、その時その時の出会いを存分に遊びつくしている毎日です。
歌いたい!と思ったら、季節なんか関係ないのが、子どもたちの生活。すずの音が聞こえてくると、真夏でも♪ジングルベル~を大熱唱していたり、真夏のリクエストに「♪いちわのやまうずら~うたいたい!」もたくさんあって。11月中旬になると嬉しそうに歌う「♪クリスマスの12日」の歌の絵本「クリスマスの12にち」(絵:エミリー・ボーラム、訳:わしづ なつえ/福音館書店、1999年)も、子どもたちは大好きで♪歌いたい歌もいっぱい!読みたい絵本もいっぱい!
“師走”といわれるほど、あわただしい12月かもしれないけれど、ひとつひとつ、じっくり楽しみたい!“だいすき”であふれる、待ちに待った「クリスマス」がもうすぐそこに…です。
街を歩いていると「アドベントカレンダー」を目にすることも増えてきましたが、わたしにとって「アドベント」といえば、絵本「シモンとクリスマスねこ クリスマスまでの24のおはなし」(文:レギーネ・シンドラー、絵:ジータ・ユッカー、訳:下田尾治郎/福音館書店、1994年)です。新しく文庫サイズでも発売されていますが、私が西宮公同幼稚園の文庫の部屋で出会ったのは赤色の表紙が目印で1994年初版のもの。12月になると、クラスの子どもたちと1日ひとつずつお話を読もう!とワクワクするのですが、週末になると「おやすみでよめなかったじゃん」。2学期の最後の日には「あしたからよめないじゃん」と、子どもたちからお叱りの声も…そんな時は「文庫の日に借りてね」。今は「こうどうぶんこの日(毎週火曜日15時~16時45分)に借りにおいで」と、絵本との出会いをご家庭でも楽しんでいる子どもたちです。12月、毎日1冊と決めているわけではないけれど、みんなと読みたいクリスマスの絵本を読み切れないのが毎年の悩みで、その分「こうどうぶんこ」の日に読んでみてほしいなぁとおすすめしています。私自身、西宮公同幼稚園の文庫の部屋で出会った絵本がほとんどで、大人になってからのほうが、絵本を読んでいる時間が長いような…、大人の方にもおすすめです。
「クリスマスまであと九日 セシとポサダの日」
(著:アウロラ・ラバスティダ、画:マリーホールエッツ、訳:たなべいすず/冨山房、1974年)
「おもいでのクリスマスツリー」
(著:グロリア・マックレンドン・ヒューストン、画:バーバラ・クーニー、訳:吉田新一/ほるぷ出版、1991年)
「クリスマス人形のねがい」
(著:ルーマ・ゴッテン、画:バーバラ・クーニー、訳:掛川恭子/岩波書店、2001年)
「ちいさなもみのき」
(著:マーガレット・ワイズ・ブラウン、画:バーバラ・クーニー、訳:上條由美子/福音館書店、1993年)
書き始めたらとまらない!文庫の部屋でじーっと絵本との時間を楽しみたいなぁと、思うほど、素敵な出会いがいっぱい。子どもも大人も、絵本との出会いを楽しむことができますように。あっという間に~の12月だからこそ、ほっと一息ゆっくり絵本を読むひとときも過ごせたらなぁと思うこの頃です。
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