9月に入り、日中の暑さは並みのものではないと言いつつも夕方には一気に気温が下がり、涼しい風が吹いたりもしています。空を見上げると夏と秋の混在のような雲、でもやはり空高く感じられますから一日一日秋になっていっているのでしょう。
1日から始まった幼稚園、まだまだプールも活躍です。プールコールが朝から響き、散歩にでも出ると帰りはプールを合言葉に幼稚園を目指して歩いている子どもたちです。さてそんな子どもたちのところにお客さまが。集まるの大好き公同幼稚園、朝一番に集まってほしいと依頼していたら、大きく日陰を作っているけやきの下に大集合してくれました。190人余り、でもそこにはそんなにいるとは思えません。それほど一人ひとりが場に雰囲気になじみ、自分の居場所としているのでしょう。さあ、スペシャルゲストの登場、何と大きな台車に丸くなって布をかぶせられています。「先生たち、クラスの子どもたちはみんないますか。さっき、いいよって言ってくれた子どもがひとりこの中で出番を待っています」、一瞬みんな先生はもちろん子どもたちの様子にも緊張が走ります。なかなかあててくれないので、わたしが時々そのかたまりに向かって「ごめんね、もう少し辛抱してください」と声をかけるので臨場感がより高まります。その日に朝から姿が見えないひとりの先生が入っているのかとも思われたその台車のXの人物、これは実はすいかでした。そう、それほど大きな大きなすいかだったのです。何でこんな演出をしたかというと、この大きなすいかは昨年の11月にも園にやってきていたのです。その時は57キロほど、今回は70キロ以上の大物です。一度出会う体験をしたことのある大物ですから、やはり普通に隠されて登場したのでは、すぐにばれてしまいます。それでかけたフェイントだったのでした。さあ、次は3人ほどを連れてでてきて、すいかぴったりの重さにしようというもの。ヒントは園長先生より重い、しかも昨年経験ずみですからあれよりはるかに重いだろうというのは明らかです。一人20キロから25キロほどの重さの子どもたちが選ばれ、学年ごとに対抗してしばらく重さ当てクイズに挑んだのでした。体重計に代表の仲間がのり測られている間、実にみんなしっかりと見ています。集中というのはそういう場を体験していってこそ、次の展開を待てる。だからこそ子どもを集めて何かをする時はおとなの知恵が求められるというものです。重さはぴったり賞は出ませんでしたが、みんなそこそこいい線をいっていました。次はすいかを実際に触ったり感じてみようというもの。幼い3歳児から順にすいか体験です。最後まで自分たちの番を待ってくれた年長さんたちはさすがだったのでした。たまたま朝、園に来られたいた保護者の方々10人ほどもそんな様子を楽しんでみておられました。あとで、どうしてあんなすいかが手に入ったか、昨年は偶然に出くわしたお店で目にし、頼み込んでいただきました。今年は向こうのお店から、どうぞと声をかけていただきました。お店に夏の間飾っていてもう役目はすんだからとのこと。そう、ひとりの力で何かできるのではなく、つながりがあってこそ子どもたちにこれぞという時間を作っていくことができるのです。たとえすいか2万円と言われたとしても一人100円、最高の時間にしてはお安い。もちろん無料でいただいてきました。お店の方、来年はもっと大きいのを探し出してきてくれるかもしれません。子どもにはおとなをそんな思いにさせる大きな力があるのです。
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