(前週よりのつづき)
10月3日の沖縄タイムス「米軍、国頭宇嘉川で訓練」の宇嘉川は、「米軍北部訓練場」のメインゲートから下って、右に曲がった場所を流れる川で、その先の場所が、9年前、ヘリパッド建設工事の車両の阻止で、激しく座り込んだりした場所です。
それらの場所が、米国・米軍の戦争の、最先端の訓練場になっています。「基地付き」返還の沖縄の実態は、その都度強化されるのです。
10月4日の沖縄タイムスの「統合演習過去最大に、全国20日から、自衛隊5万2300人参加」でも、沖縄で実施される「統合演習」は、際立っています。
「基地付き」の沖縄返還は、今、台湾有事を念頭に、米軍・自衛隊による、沖縄の更なる基地化が進められています。
その「基地付き」が、一つには、市街地に隣接する米軍基地で、沖縄の人たちが日常的に見せつけられる米軍による訓練であり、米軍による事件です。
普天間基地はもちろん、嘉手納基地には昼夜を問わず、米軍の最新鋭の戦闘機が離着陸を繰り返しています。
その「最新鋭」は、常に、最高の騒音での離着陸を意味するし、嘉手納基地でも断続的に、「降下訓練」が実施されています。
「基地付き」の沖縄は、常に、米軍の(そしてそれに追随する)、日本・自衛隊の戦争の、最も最前線に近い場所であり続けています。
安保条約・地位協定によって、更に、その沖縄では、米軍・軍人による日常に「大目」に見られる「無法」が、かつても、今もまかり通っています。
その一つが、10月19日の沖縄タイムスの「米兵捜査、地位協定の壁、95年暴行事件担当の元警察官初証言」です。
「米兵による少女暴行事件が起きた1995年、本島北部に住む元警察官の男性(75)は、事件のあった所轄の警察署に勤めていた」「県警が米兵3人の逮捕状を取り、米軍に身柄引き渡しを要求しても、米軍は拒否した」「95年10月21日に事件に抗議する県民総決起大会が開かれ、日米地位協定の見直しが決議された。これを契機に殺人などの凶悪犯罪の場合、起訴前の身柄引き渡しに米側が『好意的考慮を払う』ことで日米両国が合意した。だが、17条5項Cは残ったままで、今なお決定権は米側にある」(日米地位協定17条5項C、「米軍関係者が罪を犯した場合、起訴前の容疑者の身柄は米軍捜査当局が拘束」)。
(次週につづく)
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