・12月3日「島根2号機、7日に稼働、避難の実効性、課題残ったまま」「限界原発の燃料プール増徴」
・12月4日「双葉町検討委、学校再開へ基本計画案」
・12月5日「除染土の県外最終処分、工程『具体化、引き続き要望』」「津島中高舎解体へ、浪江町譲渡見送る」「第一原発貫通部付近の作業環境確認、3号機格納容器の調査開始」
・12月10日「処理水放出の安全性検証、IAEA調査団が3度目」
・12月11日「浪江の復興拠点外、2日時点の住民調査『帰還意向あり』12.0%」
・12月14日「中間貯蔵情報センター新設、環境省3月15日、大熊に」
「処理水放出の安全性検証」(12月10日、福嶋民報)の処理水は、東電福島の事故で、いくつかの処理段階を経ても、「処理不能」のトリチウム汚染水のことです。そして言われている「安全」は、「海水で希釈してトリチウムの濃度を国の基準の40分の1未満にしてから放出」しているから安全だとしています。
でも、「安全」と言い、「処理水」というのであれば、海水で希釈して海へ「放出」ではなく、飲料用として提供できるはずです。しかし、そうして「安全」「処理水」と言いながら、近くの海水で薄め、近くの海に流すということを、東電、国だけではなく、そうした放射性物質を、規制、監視するはずのIAEA(国際原子力機関)が認めています。東電福島では、そんな汚染水の放出を始め、今年8月末までの1年間で、6万3千立方メートルを放出しています。
環境中に放出されてしまった時、その処理はどんな意味でも不可能であること。そんな事故が起こってしまった東電福島の事故後は、その「不可能」をIAEAのような
特別な権威を借りて正当化しています。
以下、武藤類子さんの「原発事故は終わらない」は、掲載されていた小冊子「みらいだね」(発行:葡萄の家)から、転載させていただきました。
原発事故は終らない
武藤類子
原発事故から13年。原子炉を冷却する電源がすべて失われ、3つの原子炉がメルトダウン〈炉心溶融〉し、3つの原子炉が水素爆発する、レベル7という最高レベルの過酷事故は、未だに収集すらせず、「原子力緊急事態宣言」が発令されたままだ。今も7つの市町村に帰還困難区域が存在し、自宅に戻ることができない人が、6万人はいると推定されている。
事故を起こした原子炉には、880トンのデブリが存在し、1,2号機の使用済燃料プールには、1000体以上の使用済みと新燃料が、残されている。コンクリートが溶け落ちて鉄筋がむき出しになった格納容器内のペデスタル、ALPS処理によって発生した超高線量のスラッジが詰まった4000体のヒックなど、福島第一原発はまだ危険に満ちている。原発作業員の被ばく労働は、更に過酷さを増している。せっかく集めて保管していた放射性物質は、ALPS処理汚染水の海洋投棄や、汚染土を「再生資材」と名を変えての再利用などによって、再び環境に拡散されている。
(次週につづく)
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