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2006年05月01週
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 敗戦から2年後の1947年に施行されて60年、この国の教育の基本となってきた、「教育基本法」が改められようとしています。現行教育基本法の“前文”にあたる部分には、「われらは、さきに日本国憲法を確定し、・・・世界と平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべき・・・」とし、「われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす」と、この国とこの国の人の教育の“理想”が語られています。そんな教育基本法の教育の“理想”は、たとえば1989年の国連の「子どもの権利条約」によって補われ、教育の“理想”は新たな未来を展望することになります。
 ところが、改められようとしている「教育基本法改正案」(2006年4月29日、朝日新聞、以下“改正案”)からは、“理想の実現”“希求する”“創造をめざす”など、教育の生命である未来を展望する言葉や精神はすべて削られています。
 教育基本法が、“われらは、さきに、日本国憲法を確定し”で始まり、“世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示し、この理想の実現”と、“理想”を語っているのは重要です。ここで言及される日本国憲法について、“日本国憲法公布記念式典の勅語”は「本日、日本国憲法を公布せしめた。・・・即ち、日本国民は、みずから進んで戦争を放棄し、全世界に、正義と秩序を基調とする永遠の平和が実現することを念願し」「朕は、国民と共に、全力をあげ、相携へて、この憲法を正しく運用し、節度と責任を重んじ、自由と平等を愛する文化国家を建設するよう努めたいと思う」など、同じように朕・天皇も“理想”を語っています。これがただの“理想”でなかったのは、公布より2年前に敗戦で終わった、長くそして悲惨な戦争の惨禍が骨身にしみていたからです。長くそして悲惨な戦争の惨禍が骨身にしみた時に、人々は心からその“理想”を語り、心からその“理想”を実現したいと願ったのです。
 改正案は、その日本国憲法のことを一切語りません。現行教育基本法は、日本国憲法の“理想”と、それ自体の語る“理想”なくしては一切成り立ちません。基本にあるのは“理想”なのです。改正案では、“前文”の末尾で「・・・ここに、我々は、憲法の精神にのっとり」と言ったりしています。この場合の“憲法”は、現行の日本国憲法を想定していません。日本国憲法が“理想”としたものを、改正案は一切念頭においていないのです。改正案は、現行教育基本法の言葉を少なからず使うものの、前提である日本国憲法の“理想”とは全く異なる何かを見ています。そして語っていることの中味は、限りなくあの「教育勅語」に近いのです。というか、改正案の第1条“教育の目的”で示されるのは、教育勅語そのものです。「・・・教育は人格の完成を目指し」その結果「・・・平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資盾を備えた心身ともに健康な国民の育成と期して行われなければならない」為に行われるものなのだと。教育勅語の場合“人格の完成”についてはあれこれ具体的に明示されます。「・・・父母に孝し、兄弟に友に、夫婦相和し、朋友相信じ、恭倹己れを持し、博愛衆に及ぼし、学を修め業を習い・・・」などと。そして「・・・徳器を成就し、進んで公益を広め世務に開き、常に国憲を重んじ国法に遵(したが)い」為であり、更に「・・・一旦緩急あれば義勇公に奏じ」る為なのです。改正案は、そこのところを、“・・・人格の完成を目指し”と言ったりするのは、その結果“・・・心身ともに健康な国民”となる為で、でそんな国民は“一旦緩急あれば義勇公に奏じ”(一旦、戦争にでもなったら公“国”の為潔く死ぬ)とは言いませんが、そのことに備える人を育てるのが教育の目的だと、明言しているに等しいのです。
 改正案第2条の“教育の目標”になると“幅広い知識と教育を身につける・・・”ことや“個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし・・・”のことや“正義と責任、男女の平等”のことや“伝統と文化を尊重し・・・”などのことは、その事に意味があるのではなく、それとは別の目的や目標があってのことなのです。(この項続く) height=1
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