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2022年06月01週
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(前週よりつづき)
 ⑤残留放射性物質 ⑥除染土の減容化
 東電福島の事故対策のうちで、環境中に飛散、降り注いだ放射性物質について、削り取ったり拭ったりした放射性物質などを含む汚染土壌が、言われている「除染土」です。もちろん、危ないから「除染」したのですから、危ないに決まっていて、特別の場所、中間貯蔵施設に運び込まれます。およそ1400万トンが運び込まれていますが、少しでも量を少なくする為に実施されているのが「減容化」です。減容化は、たとえばこの除染土の場合もそうですが、見た目の量が少なくなっても、放射性物質の絶対量が少なくなる訳ではありません。見た目の量が少なくなったとすれば、放射性物質の濃度が高くなり、かつ、それを実施する設備などが汚染することになります。減容化の為に焼却する場合、その時に出る煙には、フィルターが使われますが、そのフィルターも汚染することになります。放射性物質がやっかいなのは、どんな意味でも消し去るという意味での除去ができないことです。放射性物質そのものが、「付着」したモノが変わったとしても、必ずそこに残ってしまいます。
 ですから「減容化」は、見た目の量を少なくすることであっても、放射性物質そのものが「減容」することを意味する訳ではありません。場合によっては、より濃度の濃い、より危険な放射性物質に変わることになりかねません。
 で、この減容化は、その結果の再生利用とセットで考えられています。「東京電力福島第一原発事故に伴う除染で発生した除去土壌の減容化、再生利用について、環境省は現在進めている技術実証の成果や2025年度以降の目標に関する骨子案を2023年度までにまとめる方針を固めた。30日、オンラインで開いた技術開発戦略を検討会で示した」(3月31日、福島民報)。「技術実証」「技術開発戦略」などと、それがありそうに言われていますが、放射性物質で汚染された土壌などに関する限り、特別の実証も開発もたぶん考えられないはずです。たとえば「減容化」については、先述の通り、もし、放射線量の低い土壌が残るないし得られたとしても、その過程で必ず別の汚染物質が残ることになります。逆に、使われた施設などが汚染するとすれば、汚染の拡大になります。「再生利用」と言われたりもしていますが、「違う」と思います。「再生:生物が、失われた一部の組織や器官を生命力により再び作り出すこと(※①)、また人工でそのようにすること(※②)」(「新明解国語辞典、三省堂」)。
※①、放射性物質が降り注ぐことによって汚染され、削り取られたりした土壌などは、もともとはおびただしい数の生きもの、微生物が生命活動を繰り返し、持続し、生命をつなぐ世界だった。だが、汚染された土壌は、その生命活動が循環する世界の「循環」そのものを断ったのだとすれば、それを「再生」というのは、事実の理解そのものが間違っている。
※②、「また、人工でそのようにすること」も、放射性物質及びその汚染は、そのままそれぞれの固有の「半減」を待つより無い、人間の人工の届かない世界であって、やっぱり「再生」は言葉の本来の意味でも、放射性物質に汚染された土壌にはあてはまらない。これは、土壌に限らず、「薄めて」海洋に放出すると決められている「トリチウム等を含む『処理水』という名の汚染水」も同様。要するに、再生できないから、一つには「処理水」と詐称し、薄めるという自ら科学を否定する手段で海に流してしまうということが強行されてしまう。「人工」によって「人工」の手の及ばないものを作り出してしまったのが放射性物質。
 ⑦避難解除と住民の帰還
 確か、放射性物質によって汚染され、場所によっては全住民の避難が決められた市町村は、残留放射性物質によって次のように区分されていました。
 1、1~20m㏜/年 避難解除準備区域
 2、20~50m㏜/年 居住制限区域
 3、50m㏜/年以上 帰還困難区域
 こうして残留放射性物質の数値によって決められていた住民の帰還が、一回の「除染」を「実施」の有無によって決めることに、なし崩し的に変えられてしまったのが言われている「避難解除と住民の帰還」。たとえば、飯舘村の場合、2020年に、村の外に避難していた子どもたちの施設、幼稚園、小・中学校が村で再開されることになります。飯舘村は、残留放射性物質によって、1~3に分類されていましたが、再開された幼稚園、小・中学校は2の、居住制限区域でした。再開の場所になった地元の中学校の場所は、その敷地と、敷地から20メートルの区域は、徹底的に表土は削り取られましたが、そこから一歩外の区域の放射線量は1.5μ㏜/時、およそ13m㏜/年に相当します。
 全住民の避難が決まった放射線量の基準からはあり得ないのですが以下のようないくつかの要因によって、子どもたちを確実に被曝にさらすということが強行されてしまいました。
 1、住民、中でも子どもたちの被ばくの危険よりも、村の存続が優先された。
 2、国・東電による、東電福島の重大事故の「終息・決着」という「思惑」及び、避難解除・帰還によって、補償、補償金を国・東電が負担しなくて済ます。
 しかし、このいずれも、処理不可能な放射性物質の問題、その意味で終息のあり得ない事故の事実と向かい合おうとしないことの理由にはならないのはもちろんです。
(次週につづく)
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