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小さな手大きな手

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2022年06月04週
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(前週よりつづき)
・5月18日 「東電、第一原発1号機、原子炉格納容器、2カ月ぶり調査再開」「IAEA、事務局長きょう来日、あす福島第一原発視察、処理水など協議へ」
・5月19日 「処理水放出計画を了承、規制委7月に認可見通し」
・5月20日 「第一原発1号機格納容器、広範囲に大量堆積物、東電『デブリ、判断つかない』」
・5月22日 「第二原発の使用済核燃料取り出し、2027年度1号機から/東電、廃炉実行計画発表」「第一原発廃炉作業、透明性確保求める、会見でIAEA事務局長」「第一原発の処理水放出時期『変更必要ない』経産省」
・5月23日 「2号機ふた接ぎ目で、高線量、放射性物質経路か」
・5月24日 「第一原発1号機、圧力容器の土台損壊、鉄筋露出、デブリの熱影響か」
・5月25日 「処理水問題、放出計画の安全性議論、県廃炉監視協、地元了承の判断材料へ」「処理水放出巡り、県町村会特別決議を採択、国・東電に理解醸成要求」
・5月27日 「堆積物にデブリ存在濃厚、第一原発1号機底部、中性子線を確認、広範囲なら取り出し困難」
・5月31日 「第一原発1号機、耐震性の把握急務、土台損傷、迅速な対応求める」
・6月1日 「飯舘・長泥、準備宿泊を容認、除染検証委が中間報告」「汚染水位低下へ、きょう作業開始、第一原発3号機」
・6月6日 「大熊町長、避難解除目標変更なし、住民説明4会場で終了」「大野病院周辺、追加除染で線量減」
・6月7日 「1号機調査再開、容器底部の堆積物、超音波で厚さ測定」

 「東京電力は26日、福島第一原発1号機の圧力容器の土台の外側で見つかった堆積物を調べた結果、高いレベルの中性子線を確認したと発表した。中性子線は核燃料が核分裂する際に出る放射線で、担当者は『溶融核燃料(デブリ)由来と推定される。近くにデブリがあると考えるのが自然だ』と述べた。1号機ではデブリの可能性のある堆積物が見つかっていたが、デブリの存在が濃厚となった」(5月27日、福島民報)。「全容は不明:土台ペデスタルの損傷は、東電カメラ付き水中ロボットを投入して17日から19日に行った調査で判明。イメージは『図』の通り(略)。厚さ1.2メートルのコンクリート壁が底面から高さ90センチ~1メートルほどにかけ損傷し、中にあった鉄筋がむき出しになっていた。東電は溶融核燃料(デブリ)の熱でコンクリートが溶けた可能性も否定できないとしている」「今回の調査で損傷を確認したのは『間口部』と呼ばれる隙間の周辺部にとどまり、どこまで損傷が広がっているのか全容は把握できていない。土台の内側の状況も不明だ」(5月31日、福島民報)。
 「堆積物にデブリの存在濃厚、第一原発1号機底部中性子線を確認」は、東電が「中性子線の測定センサーを搭載した(カメラ付き)ロボットを投入」した結果判明したものです。こうした調査についての報道で、「連発」されるのが「不明」「可能性」などの不確実な言葉、表現です。

「由来と推定される」
「考えるのが自然」
「デブリの可能性」
「全容は不明」
「熱でコンクリートが溶けた可能性も否定できない」
「隙間の周辺にとどまり」
「全容は把握できない」
「土台の内側の状況も不明だ」

 こうして「不明」「可能性」になってしまうのは、おびただしい量の放射性物質を環境中に放出することになった東電福島の事故の事実であるとしても、その「原因」「状況」の把握のためにかろうじてそこにたどり付けるのは、「開発途上」にある「カメラ付き水中ロボット」にすぎないからです。そうならざるを得ないのは「想像以上に高い中性子線が確認された」と東電の担当者が記者会見で発表する、事故の「事実」です。ただ、この場合の「想像以上に高い」は、「今さら何を」であって、事故から10年以上も経過しているのに、事故の事実のほとんどの把握ができないのは、「想像」ではない、すべてにおいて放出されかつ現在も放出の続いている、超高濃度の放射性物質が把握を拒み続けているからです。
 いずれにしても、「広範囲で見つかった堆積物にもデブリの可能性が高い」こと、及び、全容が把握できていないにしても、判明したとされる原子炉圧力容器の「土台の損傷」は、「(土台の)健全性」が危ういことを意味しますから、核燃料の溶融から始まり原子炉本体が熔融することになった東電福島の事故対策の困難さを改めて明らかにすることになっています。
 事故対策としての「デブリ取り出し」は、日程まで示して、着々と進んでいるように(かのように)言われてきました。実際にできそうなことは、「遠隔操作の水中ロボット(開発途上)で、数グラムをかき出すようにしかできそうにない状況を「デブリ取り出し開始」と言ってきました。しかし、できているのは、溶融した核燃料で更に溶融したとされる原子炉には、それがおさめられている建屋にさえ、高い放射線量に拒まれて入ることもできないという事実の確認です。
 今回明らかになったとされるのは、その原子炉圧力容器の土台が損傷しているらしいことです。
 それはいわゆるデブリの把握も、取り出しはもちろん困難であることと、不安定な土台で更に深刻な事態も起こり得ることです。
 たぶん、こっちの方の「起こり得る」は、前掲の「不明」や「可能性」よりも、より現実に近いかも知れません。

*東京電力福島第一原発事故に伴い、避難した福島県民ら3700人が国と東電に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決要旨
(次週につづく)





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