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2022年08月04週
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 終わりそうにない、ロシア大統領プーチンによるウクライナに対する戦争が6か月を超えようとする時、たとえば以下のようなこの戦争への理解が示されることになります。「…市民に銃を配り、すべての成人男性を戦力とし、さらに自ら英雄的な勇敢さを示して徹底抗戦を遂行するというのだから、ロシアの勝利は遠のく。だがどれだけのウクライナ人が死に、心身に傷を負い、家族がバラバラになり、どれだけの老人が穏やかな老後を、子供が健やかな子供時代を奪われ、障害者や病人は命綱を失うのだろう。大統領はテレビのスターであったカリスマそのまま世界の大スターとなり、歴史に残る英雄になった」「まさにマックス・ウェーバーのいう、信念だけで行動して結果を顧みない『心情倫理』の人であって、あらゆる結果を慮る『責任倫理』の政治家ではないのではないか」とあって、「今最も重要なのは『できるだけ早く停戦すること、たとえウクライナが領土を失っても』か、それとも『侵略したロシアを罰すること、たとえより多くのウクライナ人が犠牲になっても』か「英独仏伊にスペイン、ポルトガル、スウェーデン、フィンランド、ポーランド、ルーマニアを加えた欧州10カ国における世論調査」「全体では前者を選んだ『和平派』が35%で最大の声をなし、これに対して後者を選んだ『正義派』は22%であった」。で、この理解は「さて和平派の立場は、戦争がもたらしたエネルギーや食料の不足など経済問題、核兵器の使用も含む戦争のエスカレーションへの懸念から説明されることが多い。だがこれらにあわせて戦争による犠牲の拡大について道義的な疑念が広く存在することも忘れてはならない。また、ロシアを、プーチン氏を敗退させることが現実的にどこまで可能かも疑問だ」(「ウクライナ戦争と人権」富永郁子(早稲田大学)、8月12日、朝日新聞)などの「疑問」を呈することにもなったりします。
 ロシア大統領プーチンによる、ウクライナに対する戦争は、「当面」その戦場になっているのはウクライナです。戦争が容赦のないものであってみれば、「家や村や都市が破壊される」のはウクライナであり、「どれだけの老人が穏やかな老後を…」もウクライナの人たちです。そんな現実が容赦なく進行する一方で「キーウに残る、最後まで戦う」と宣言した「大統領はテレビのスターであったカリスマそのまま世界のスターとなり、歴史に残る英雄となった」。で、「和平派」か「正義派」かが浮上することになっているのです。
 ただ、少しと言うか、かなり違うのではないのかと思えるのは、たとえば、「戦場」が当面ウクライナに限定されるこの戦争は、長期戦になっているとは言え、「対等」ではないと言うか、極めて一方的であること、それなのに他者の介入の許さない力が誇示され瑠戦争であることです。

1、「対等」ではない。
世界で3番目くらいの軍事力を持つ「大国」が、70番目くらいの「小国」に対して仕かけられた戦争であること
2、大国が小国を力づくで屈服させようとしている
少なくとも「小国」は「大国」の領土など一切を脅かしてはいないのに、圧倒的な軍事力で有無を言わさずウクライナが戦場になっている。
(次週につづく)
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