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2022年11月04週
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だれもが奴隷ではないからである ③

(前週よりのつづき)
 避難・逃亡の旅で、こんな出会いもありました。「…その後まもなく、お父さんは、あるロシア人の未亡人が、死んだ夫の絵具と絵筆を売りに出しているという話を耳にする。亡くなったご主人は、イコン(*)を描き、それをひそかに信心深いロシア人たちに売っていたのだ。買い求める人たちは、そのイコンを、レーニンやスターリンの肖像画とならべて壁にかけていたという」。また、こんなことも書かれています。「難民の中でも、チェチェンから追放されてきた人たちは、テュルキスタンでの生活になじめないか、あるいは、なじもうとしなかった。なぜなのか、僕には見当もつかなかったが、チェチェン人たちは、病気や飢えで、ひとり、またひとり死んでいった」。シュルヴィッツの描くそんなソヴィエトのスターリンの時代のチェチェンは、エリツィンの時代に徹底的に弾圧、破壊され、今もロシアの中で弾圧され人々の声はほぼ全く聞こえなくなっています。
 ケストナーの「終戦日記一九四五」は、1945年2月7日~8月2日までの日記で、1960年に書かれた「追記」には、8月6日、9日の広島・長崎への原爆の投下のことも書かれています。
 「終戦日記一九四五」のドイツ、主要な都市のベルリンやドレスデンは、東京・大阪などに匹敵する、連合国・アメリカの「標的」に晒されていました。「チャンス」の「ドイツ軍の爆撃機が、突然、ポーランドの首都ワルシャワ上空を飛び、焼夷弾を落として町を火の海にし、高性能爆弾で建物を吹き飛ばし」より、はるかに「高性能」の焼夷弾と高性能爆弾をはるかに大量に落としてです。
 ちなみに、1945年3月9日の東京空襲では「新型のナパーム焼夷弾M69約38万発、1783トンを搭載したB29約300機」で、約10万人を焼き殺します。(「空爆論/メディアと戦争」吉見俊成、岩波)。「終戦日記一九四五」には、両親の住むドレスデンで、同じ「新型のナパーム焼夷弾でおよそ6万人が焼き殺されたことが書かれています。
 「空爆論/メディアと戦争」の終章は「プーチンの戦争/モバイル時代と帝国の亡者」で、ロシア大統領プーチンによるウクライナ戦争の考察となっています。
 その前提として示されるのが「…本来は、ロシアがウクライナの一部なのであり、その道ではないともいえるのだが、やがてモスクワの帝国はキーウの中心性の否定の上にユーラシアを属領化していく、スターリン時代とは、彼が引き起こした大飢饉によって数百万人のウクライナ人が餓死し…」です。この場合の「歴史」は、たぶん、「中学生が知りないウクライナ」がより正確にかつ丁寧に歴史を記述しているように思えます。ただ「空爆論」は、「…中学生から知りたいウクライナのこと」が「非難」する「朝、ベッドの上で目を覚まし、昼、学校で学んだり職場で働いたり、夕方、家に帰って家族と食卓を囲んだり…」の生活の営みを破壊する現に今目の当たりにするウクライナの「空爆」について言及しています。「…2022年の春、私がこの文章を書いているまさにその瞬間にも、上空を飛行するロシア軍の爆撃機からの残忍な空爆を、取り残されたウクライナの人々は、地下に潜って避難し、それぞれのスマートフォンで撮影した都市の惨状や散乱する路上の死体の映像を全世界に発信し続けている」。
 ということを、いかに言及するとしても、そしてその現実がいかに悲惨であるとしても「たとえば日本のような戦場から離れた国に住む人びとの、当事者意識の減退と、関心の低下、そして倦怠」は避けられなくなります。
 ただ、ルーマ・ゴッデンの「台所のマリアさま」であったり、エーリッヒ・ケストナーから始めたのは、「意識の減退」「関心の低下」「倦怠」、そして時代や物理的距離を埋めるものがなくなないことを示したいからです。
 想像力です。
 「わたしはこの小著が、想像力が教育の中でその場所を占める必要性を信じている人に、子どもの創造性を信頼している人に、自由の価値とはことばを持ちうることであることを知っている人に、ひとしく役立つものであってほしいと願っている。… だれもが芸術家であるからではなく、だれもが奴隷ではないからである。」
 想像力なのです。
 ロダーリがこれ(「ファンタジーの文法」)を書いたのは1973年、1980年に亡くなったロダーリの詩「キーウの月」が、4月にイタリアで絵本になり、日本でも出版されました。(「キーウの月」ジャンニ・ロダーリ、ベアトリーチェ・アルマーニャ絵、内田洋子訳、講談社)。利益はすべてウクライナ救援のために使われます。

(*)イコン…「台所のマリアさま」の使用人として働くマルタの「台所」の壁にはかかっていなくて、それを手作りし、兄姉はマルタにプレゼントします。ギリシャ正教で礼拝の対象とされるキリスト・マリア。


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