(前週よりのつづき)
処理水海放出というまやかし」又は
「火のないところに煙は立たない」について ②
そんな説得力の欠けたやり取りが、8月29日の地元の新聞で紹介されている、福島の2人の高校生と、原子力規制庁の金子修一次長とのやり取りです。
「東京電力福島第一原発の廃炉を考える『第六回福島第一廃炉国際フォーラム』は28日、大熊町のLink大熊で開幕し、県内の高校生や地元住民らが処理水海洋放出や高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の処分などに意見を交わした」。高校生などの意見と規制庁などの受け答えは以下の通り。「処理水放出について、安積高二年の小出桃香さん(16)は『トリチウムは害があまりないとされるのに、なぜ問題になっているのか』と尋ねた。原子力規制庁の金子修一次長は水道水に含まれる塩素に例え『濃度が低い場合は体内に入っても影響を与えない』などと答えた」「磐城高二年の吉野遥南(はるな)さん(16)は『トリチウムを薄めても全量を放出してしまえば同じことではないか』と質問。金子氏は『時間をかければトリチウムが半減期を迎え、残量は少なくなる』とした。吉野さんは終了後の取材に、風評被害が懸念されるとし『福島沖で流すのはやめてほしい』と述べた」。
いずれにしても、「処理水」ではない、明らかに「汚染水」であるものを、海洋放出するのは「実害」そのものであって、それを「海洋放出」と言いくるめようとするのが論説の「東京電力は福島第一原発の処理水海洋放出で風評被害が発生した場合の賠償基準を年内をめどにまとめる」であって、事柄のすり替え以外の何ものでもありません。
ですから、論説の「海洋放出に伴う安全対策を丁寧に説明し」と「風評を必ず防ぐとの決意を前面に打ち出す必要がある」は、東電・国の進めている海洋放出では、決して成り立つはずはありません。
じゃなくって、何よりも前提にならなくてはならないのは、「国民の理解度をデータで示し」得るような、汚染水を海洋放出する場合の「安全」と言い得るようなデータを示すことです。
それさえ示せれば、そもそも風評被害もあり得ないし、賠償基準もあり得なくなります。
「処理水」ではなく、「処理不能」な放射性物質を含む汚染水を海洋に放出するのであれば、「データ」に基いた根拠を示すこと、それこそが、前掲の高校生たちの科学的な質問に対する、科学的な回答になります。
「処理水海放出というまやかし」又は
「火のないところに煙は立たない」について
のハガキをよろしくお願いします
福島原発刑事訴訟支援団及び、団長の武藤類子さんより、東電福島の汚染水海洋放出阻止を求める「関係者の声」ハガキ作戦の「ハガキ作戦」協力要請が届いています。
政府・国・東電・原子力規制委員長が本来はあり得ない放射性物質の海洋放出を、政治の判断で決めてしまいました。
そして、直接関係し、かつ汚染・被曝の危険にさらされる地元福島県、大熊町、双葉町がそれに「同意」してしまいました。
「関係者の声」ハガキ作戦は、東電の事故及びそれによる環境への放射性物質の放出は、地元に止まらず広く日本、そして世界の中でも未来に生きる子どもたちへの小さな小さな責任の一歩です。
ハガキ作戦のハガキを用意した「これ以上海を汚すな!市民会議のハガキで、「関係者」の一人として声を関係者への声を届けてください。
尚、「処理水」と称して海洋放出が決められている「汚染水」については、「東電福島の事故から11年半」「東電福島の事故から11年7カ月」及び「「処理水海放出というまやかし」又は「火のないところに煙は立たない」について を参考にして下さい。
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