子どもたちが泣くこともなく
母が心を痛めることもなかっただろうに
・10月31日 「米海兵隊の男、傷害の疑い逮捕、名護署」
・11月4日 「情報収集2機、嘉手納に飛来」
・11月5日 「嘉手納にF22暫定配備、4機飛来F15帰還始まらず」「与那国空港使用届け出、日米演習へ自衛隊、中城湾港使用も」
・11月6日 「嘉手納にF22新たに4機、2日連続飛来、道の駅騒音94デシベル」
・11月8日 「島の要塞化加速懸念」「那覇軍港、F22飛来、中城湾港使用/市民『沖縄を捨て石に』」「電子戦闘機25機嘉手納に飛来」
・11月9日 「中城湾港に自衛隊車両、あすから日米統合演習」「F22嘉手納に計14機、暫定配備、新たに6機飛来」「民間港使用市民ら抗議、中城湾港、県警が強制排除『沖縄を戦場にするな』」
・11月10日 「与那国空港の使用許可、きょうから日米演習で県」「オスプレイ軍港を離陸、普天間へ3機移動、知事と市長抗議」「嘉手納F22初訓練」「日米軍事一体化に抗議、『反対』聞かず訓練、戦争近づく」
・11月11日 「津堅島水域で米軍降下訓練、ホワイトビーチに原潜」
・11月13日 「先島の軍備強化『反対』住民シンポ危機感共有訴え」
・11月15日 「住居侵入疑い、海兵隊員逮捕、那覇署」
・11月16日 「米軍機キンザ―で訓練、日米演習、オスプレイ1機離着陸」
・11月17日 「津堅沖訓練容認に反発、漁業者、市対応に『なぜ』」「嘉手納爆音100デシベル、F22訓練に苦情」
・11月18日 「与那国の公道戦闘車走行、日米演習駐屯地まで4キロ」「抗議よそに兵器走行」「与論空港にオスプレイ、演習参加の3機、民間機運航に遅れ」
・11月19日 「戦闘車の訓練終了、与那国」
・11月20日 「酒気運転疑い、海兵隊員逮捕、那覇署、基準の3倍」
・11月23日 「嘉手納基地周辺住民、防錆(ぼうせい)施設反対抗議集会へ」
・11月27日 「米軍輸送機嘉手納に飛来、岩国基地から」
・11月11日 「日米共同統合演習、各地で始まる/与那国で米軍訓練へ、渦巻く不安」(11月11日、朝日新聞)。
「陸海空の自衛隊と米軍による共同統合演習『キーンソード』が10日、各地の自衛隊や米軍基地などで始まった」「中国が周辺で活動を活発化させる日本の南西諸島を中心に、19日まで訓練が行われる」「賛否を問う住民投票を経て自衛隊駐屯地が置かれた、沖縄・与那国島でも、初めて米軍が訓練を実施する」「在日米軍司令部は10日、『自衛隊と米軍の戦闘態勢と相互運用性を高める現実的なシナリオに基づいた共同訓練だ』とその目的を発表した」「今回は先島諸島も含めて訓練地となった。日本最西端の与那国島で18日に訓練がある。戦車に近い砲身を持つ『機動戦闘車』を前日に空輸し、2016年に設置された自衛隊駐屯地で米軍の部隊とともに基地警備の訓練が行われる予定だ。『台湾有事』も念頭にあるとみられる」「配備をめぐる15年の住民投票では賛成派が6割を占めた。賛成する住民は『配備されるのは監視部隊。ドンパチするものではない』といい、当時の与那国町長も『島の活性化には自衛隊しかない』と誘致に動く一方、『米軍が島に来るのは断固阻止』と公言していた」(以上、前掲朝日新聞)。
日本の「安全保障」が、日米安全保障条約(及びにそれに基づく「地位協定」)の上に成り立っているとすれば、米国・軍が沖縄に米軍基地を集中させようとすればあり得ることでした。現実にそうなっているし、日本にはそれを阻む理由はありませんし、現実にそうなっています。その米国・軍が、嘉手納や普天間基地の飛行訓練で周辺に住んでいる人たちの真上を、低空でしかも100デシベル以上の騒音で、戦闘機を離着陸させたとして、日本・政府は本気で抗議したりもしませんし、米国・軍も聞く耳を持たなかったとしても、すべてが「日本の安全保障が日米安全保障条約及びそれに基づく『地位協定』の上に成り立っている」のだとすれば、沖縄島の人たちが、100デシベル以上の騒音にさらされるとしても、元々日米相互がそれを了解しあっている、あり得ることとして起こっているにすぎないのです。
新聞(朝日)は、「陸海空の自衛隊と米軍による共同統合演習『キーンソード』は、「『台湾有事』も念頭にあるとみられる」としていますが、もちろん、米国・軍がそれをも(「台湾有事」も)念頭において、世界で「国威・軍隊」を展開しているのであってみれば、当然あり得ることです。
そうして言われている米国・軍の「台湾有事」に、前のめりで一体となってのめり込むのが、11月10日から始まった「陸海空の自衛隊と米軍による共同統合演習『キーンソード』」です。兵庫県・西宮あたりに住んでいると、たまたま11月11日の新聞(朝日新聞)で目にすることでもない限り、ほぼ日常生活で可視化されることではありませんが、与那国島では「公道」を「戦車に近い砲身を持つ『機動戦闘車』」が走ることになります。
「台湾有事」は、今のところどこまで現実に起こり得るのかは「不明」です。しかし、「『台湾有事』も念頭にあるとみられる」と新聞が「書く」「予測させる」、「陸海空の自衛隊と米軍による共同統合演習『キーンソード』」のようなものが実施される時、少なくとも、「台湾有事」と言う「戦争」の現実に向って前のめりで走り始めていることは確かなのです。
どんな戦争も、誰よりも悲惨な戦争の現実を生きることになるのは、悲惨な戦争の最先端に立たされることになる「兵士たち」であり、その戦争の戦場になってしまう街や村、そこで生活する人たちです。言われている「台湾有事」の場合「今回は先島諸島も初めて訓練地となった。日本最西端の与那国島で、18日に訓練がある」与那国島は、たまたまの偶然でその島が選ばれた訳ではありません。「訓練地には沖縄や鹿児島の離島が選ばれた」のも、たまたまの偶然ではありません。前のめりで走り始めている「台湾有事」という「戦争」が、それらの場所・地域を特定することになっているのです。
「どんな戦争も、誰よりも悲惨な戦争の現実を生きることになるのは、悲惨な戦争の最先端に立たされることになる「兵士たち」であり、その戦争の戦場になってしまう街や村、そこで生活する人たち」であるとすれば、直接その割を食らわされることになるのは、沖縄島の人たち、与那国島の人たちです。
(次週につづく)
[バックナンバーを表示する]