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2006年06月02週
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 遅く帰って、ついたままのテレビの画面に、天皇・皇后の記者会見の様子が映っていました。何げなく見ていて、何げなく聞こえてきた内容が、少し印象に残りました。たぶん、話題になっている教育基本法改正のことを聞かれ、“・・・過去の戦争への関心がうすくなっているのが気になる”というようなことを答えていたように思います。
 現在企てられている教育基本法の改正で、何よりもねらっているのは過去の戦争、戦争責任を問うような言葉を条文から一掃してしまうことです。ですから、教育基本法改正のことが話題になる時、過去の戦争に触れるのは、そんな動きに少なからず懸念を持つという意思表示になります。
 翌日の新聞には、東南アジア3カ国を訪問を前にした、天皇・皇后の“会見記録”が紹介されていました(2006年6月8日朝日新聞)。
 「外国紙の記者が『愛国心を促す教育基本法の改正が戦前の教育への転換になるのではと、近隣諸国は恐れている』と述べ、天皇陛下の見解を質問した」(前掲、朝日)。「・・・陛下は、憲法上の立場から改正案について述べることは控えたい・・・昭和の一時期に政府要人への襲撃が相次いだ・・・」ことなどをあげ、おおよそ以下のように答えています。『・・・そのような状況下では、議員や国民が自由に発言することは非常に難しかったと思います』『このような時代があったことを多くの日本人が心にとどめ、そのようなことが二度と起こらないよう、日本の今後の道を進めていくことを信じています』(前掲、朝日新聞)。更に、『・・・この歴史をけっして忘れることなく平和を築く努力をしなければならない』『先の大戦を経験しない人々が多くなっている今日、このことが深く心にかかっています』(前掲、朝日)とも答えています。
 教育基本法の政府・自民党改正案からも、民主党の改正案からも、削除されることになったのは、“日本国憲法”です。「・・・われらは、さきに、日本国憲法を確定し」で始まる教育基本法の、それこそ基本が日本国憲法です。たとえば、「・・・世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意」の、“決意”などという強い意志を示すことで、この教育基本法に“魂”を入れたいと願いました。更に、その“理想の実現”としたのも、同じように教育基本法に“未来”を望み見ようとしたからに他なりません。日本国憲法の“公布記念の式典の勅語”で「・・・即ち、日本国憲法は、みずから進んで戦争を放棄し、全世界に、正義と秩序を基調とする永遠の平和が実現することを祈願し」と言ったのは、今の天皇のお父さんです。その日本国憲法は、“前文”の冒頭部分で、「・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように決意し」と言っています。教育基本法の“・・・さきに、日本国憲法を確定し”の日本国憲法は、“政府の行為によって再び戦争の参加が起こることのないように決意し”“・・・進んで戦争を放棄し・・・平和の実現することを念願”する憲法なのです。日本国憲法に言及しない、どの教育基本法改正案も、上記のことをこの国の現在と未来から一掃したいという願いで書かれています。
 ですから、天皇・皇后が記者会見で『・・・先の大戦を経験しない人々が多くなっている今日、このことが深く心にかかっています』と、教育基本法改正をめぐる質問に答える形で言ったりするのは、事柄の基本から外れてはいないのです。もちろん、この国を代表する人が、アジアの国々を訪れる時に、たとえ60年前に“終わった”戦争であっても、“・・・この歴史を決して忘れることなく平和を築く努力をしなければならない”と、訪れるたびに繰り返し口にしない限り、この国はアジアで受け入れられることはありません。“戦争の惨禍”は、60年経てばそれを強いられた人たちの中から消え去るものでもないし、たとえ100年経ったとしてもそれが忘れ去られたりしないのです。

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