(前週よりのつづき)
そんな事故が起こってしまって、その事故対応のすべてが、たとえば、処理不能の放射性物質トリチウム(を含む)を海水で薄めて海に流してしまうとしたら、東電福島の事故が突きつけているものからの逃亡、責任回避以外の何ものでもあいません。
その場合の「想定外」がまかり通らせてしまうのが、1月18日の東京高裁の控訴審判決の「無罪」です。結果、事故責任は何一つ問われることはありませんから、東電の事故後停止していた原発が再稼働し、長期間の稼働延長、更に、原子力発電所の新設も公言されることになりました。
その結果、事故についての断続的報道は、ほぼ「地方紙」に限られるとは言え、そのどれを取っても事故対応は難しく、不可能であること、実施されているすべてはひたすら先延ばしされています。
その事実を、地方紙は断続的に伝え続けています。
・2月2日 「除染土利用試験『反対』埼玉・所沢計画地周辺」
・2月6日 「東電、第一原発汚染水低減で新対策、鋼鉄止水壁や地盤固定化へ」
・2月7日 「魚類の放射性物質公開、第一原発20キロ圏内」
・2月8日 「処理水放出、国民的議論が鍵、漁業のために凍結を」「スズキの出荷自粛、自主基準超えで県漁連」
・2月10日 「福島第一原発のデブリ冷却、処理途上水を活用、東京電力来週中にも実施」
・2月12日 「除染土の再利用実証試験、市長、実施に否定的、埼玉・所沢、住民反対で」
・2月15日 「処理水放出口の設置完了」「測定物質変更規制委に申請、処理水放出で東電」
・2月17日 「処理水放出影響わずか、韓国研究機関が分析」「中国は懸念」
・2月16日 「放射性物質の研究発表、福島大セシウムの循環など」
・2月21日 「デブリ取り出し準備工事で試算、廃棄物30万立方メートル発生、第一原発、建屋解体などで」「第一原発5号機、使用済み核燃料取り出し、開始時期1年延長」
・2月20日 「原発60年超運転制度見直し、規制委、独立と信頼性失墜」
・2月22日 「既に戻っている/戻りたい、双葉14.3%、浪江22.9%」
・2月23日 「処理水放出プロセスを『歓迎』政府G7文書で調整、実現は不透明」「処理水海洋放出審議案を了承。原子力規制委員会」「中性子線など全8地点で、検出、第一原発1号機底部」
・2月26日 「海洋放出『理解進んでいる』」
・3月1日 「解除進む復興拠点、環境整備が急務、インフラ不足期間の足かせに」
・3月2日 「大熊、下野上1区、双葉、下長塚、三字(さんあざ)2行政区。特定帰還居住区域、住民以降や低線量考慮」
・3月3日 「第一原発処理水海洋放出、理解度『判断難しい』」「あす堆積物調査、第一原発で東電」
・3月5日 「処理水放出『風評起きる』93%、全国世論調査」
・3月7日 「海洋放出、依然強い懸念」
・3月8日 「除染廃棄物2023年度輸送計画、2022年度比6割減」「福島第一原発3号機、高線量機器取り出し着手」
・3月17日 「処理水循環装置きょう運転開始、放射性物質濃度測定」「処理水海洋放出後、トリチウム濃度測定回数増決定」「高線量配管撤去。今年度内は、断念、福島第一原発」
・3月21日 「本格運転から2日、処理水設備不具合、第一原発タンク内水位低下」「甲状腺検査4巡目、ガンと被ばく関連認めず」
(次週につづく)
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