(前週よりのつづき)
で、現在保管されている数や、容器の放射線量を東電に問い合わせていますが、「当該部局、原子力部局」が、多忙である為、すぐには返事ができない、追って連絡をする」ということですので、返事待ちの状態です。
東電福島の重大事故で、環境中に放出され、福島県内を中心に広い地域に降り注ぐことになった放射性物質は、「除染」されることになりました。人間の持っている「感覚」のどれにも反応しなくて、しかし確実に侵入、確実に細胞を破壊する、ないしは「悪さ」をする放射性物質の除染には、特別の手段はあり得なくて、すべてが手作業で実施するよりありませんでした。たとえば、住宅などは丸ごと手作業で拭き取ったり、農地などは表土を削るなどです。もちろん、住宅の庭の樹木などは拭き取ったりはできませんから、伐採するよりなく、しかし、伐採された樹木は、「汚染物質」になりますが、その処理はどこか別の場所に移すよりありませんでした。
危ないから除染した、危ない汚染物質ですから、どこでもいいと言う訳には行かなくて、処分場、最終的にそれを処分ではなくて保管する場所が必要になります。もちろん、危ないから除染された危ない汚染物質を、保管する場所が得られるはずはありませんから、苦肉の策で考え出されたのは、最終処分場のない中間処分場・貯蔵施設です。「中間」は、何かと何か、何処かと何処かの間ですから、「何か」もないし「何処か」もなかったら、中間であることも、中間であるはずもありません。で、もう一つ考え出されたのは、30年を期限・目標に最終を見つけ出すからと言うことで、事故の東電が立地する、大熊町、双葉町に中間処分場・貯蔵施設が設けられることになりました。
で、その大熊・双葉両町では、いろいろあれこれ矛盾したことが起こったり、実施されたりしていますが、すべては「エイヤー」で強行されています。
そんな、いろいろあれこれについて、
・大熊・双葉両町は、放射線量が高く全町避難となった。
・もちろん、町民はそこが安全になって戻りたいと思っている。
・なのに、危ないから避難になった大熊・双葉両町に他の地域で危ないからと除染された放射性物質が運び込まれている。
・その大熊・双葉両町の中でも放射線量の高い「帰還困難区域(50m㏜/年以上)」に復興再生拠点が設けられ、行政機関・住民の帰還がうながされている。
で、なんでこんなややこしいことになってしまうのだろうか。たぶんと言うか間違いなくすべてが、この事故「重大事故」となった東電福島の事故を、起こったありのままを認めないというか、まあ言ってみれば最初の「ぼたんのかけ間違い」から、すべてが始まっている、収拾が付かなくなってしまっている、それに尽きます。
そんな状況で、あたかも事が収集に向っているかのように、「残っているのは汚染水」で大きな話題になっているのが、汚染水の海洋放出です。
セシウム、多核種と「除去」した後に、処理不能で残ってしまうトリチウム「汚染水」の海洋放出です。この場合、海洋放出を決めた人たちは、それを決して「汚染水」とは言いません。「処理水」と言って譲りませんし、処理水の海洋放出だから、問題はないとなっています。およそ80万ベクレル/ℓのものを、6万ベクレル/ℓまで水(海水)で薄めて放出するとしても、それは汚染水です。
これについては、高校生たちが疑問を投げかけていました。
「…そこの海水を汲み上げて、処理水を薄めて海に流すのと、そのまま流して海水で薄められるのと、どこが違うのですか…」
答えは簡単です。「違いはあります」。
だったら、何の為にこんな手の込んだことをするのか。答えは簡単です。それはトリチウム汚染水であって、処理水ではないからです。
東電福島の重大事故を「収束」と言い、その原子炉を「廃炉」というのは、この事故に関する限りあり得ないことです。放出され保管し続けるよりないセシウム、放出され保管し続けるよりない多核種、除去することができなくて保管し続けるよりないトリチウム、こうした一つ一つのことが明らかにしているのは、東電福島の事故の事態は続いているということ、収束も廃炉もあり得ないのが、東電福島の事故なのです。
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