(前週よりのつづき)
・東電福島で起こった事故の現在は、言われている「トリチウムを含む処理水」の処理として海洋放出ではなく、「処理不能」だから海洋放出を決めてしまったということです。
・その「決定」の最終的判断に「国際的安全基準に合致する」としたのが国際原子力委員会(IAEA)です。
・IAEAはもっともらしく「国際的安全基準に合致する」としていますが、なんのことはない、「処理不能」で「海洋放出以外に方法・手段がない」事実を前述の言葉で言い換えているにすぎないことになります。
・結果、福島及び福島漁連の問題ではなく、世界が隈なく放射性物質・汚染水に汚染され続けることを意味します。
・たとえばIAEAはその報告書で「国際的な安全基準に合致する」としていますが、海洋放出によって被曝する事実の安全の根拠は何一つ示してはいません。示せないのです。言うところの「安全基準」は、前述のように、環境中に放出することを止めようがないから、その事実を安全と言い換えているにすぎないからです。
・以上、くどくどと述べてきたことをまとめると、「私たちは」「例外なく」東電福島の事故によって環境中に放出された放射性物質によって被曝しており、これからもずっと被曝し続けるということです。
・その事実を何よりも証明しているのが、国際基準と言いながら、その根拠を示さないIAEAの報告書です。示さないのではなく「示せない」のです。
そして、私たちは、ではなく地球上のすべての生きものが、いいえ地球そのものが否応なく被曝にさらされることになります。水から空気から、そして汚染された食べ物からの被曝、言葉を換えて言えば「被曝漬け」の生活を強いられることが「安全基準」なのです。
「私自身、福島が起きるまでは外部被曝と内部被曝の違いをしっかり把握していませんでした。放射線を送り出すものが体外にあるか、吸引や飲食で体内に取り込まれたかによって健康被害はかなり違います。核技術の歴史は後者を隠蔽するか、それが無理な場合は矮小化することに国家、企業、科学者が躍起になってきたことを物語っています。その路線は今日に至るものです。」
(「屈することなき絶望/現実はあまりにも厳しい。悲しみ・悔しさ・恐怖のなか、互いをいっそう愛しみ、魂を取り戻し、果てしなく欲深い権力に抗していきたい/スタンディングブロックと福島に学ぶ」ノーマ・フィールド)
・6月26日 「政府情報は信頼失墜、原発事故直後/国連報告者、人権理提出」
・6月25日 「処理水、28日から放出設備検査、規制委、遮断弁の性能など確認」
・6月27日 「処理水トンネル工事完了、試運転後、使用前検査へ」「漁業者反対崩さず」
・7月1日 「県漁連『反対、変らない』処理水放出、総会で特別決議」「放出設備使用前検査終える、規制委」「IAEA事務局長4日来日、第一原発現地事務所開設へ」
・7月2日 「処理水放出控え、韓国で懸念強まる」
・7月3日 「原発事故テーマ、中村敦夫さん朗読劇映画化」
・7月6日 「処理水福島評議会、理解醸成道半ば」「意見交換会、非公開、透明性確保、問われる本気度」
・7月8日 「処理水放出、来月開始へか、設備の使用前検査『合格』」「グロッシIAEA事務局長、『報告書は100%客観的』/科学的根拠基に説明」
・7月9日 「IAEAの処理水放出計画報告書『安全と安心は別』『海外への周知必要』」
・7月15日 「第一原発デブリ搬出へ、ロボットアームの試験公開」
・7月17日 「処理水放出、共同通信全国電話世論調査、『風評被害起きる87%』『政府説明不十分80%』」
[バックナンバーを表示する]