(前週よりのつづき)
普天間飛行場の移設先が、沖縄県内辺野古でなくてはならないのは、こうして「沖縄の基地負担」となっている米軍基地が、その基地機能が統合される形で、沖縄が米軍基地の島になっているからです。その一翼を更に強化される形での、辺野古新米軍基地建設は、普天間基地の移設と言うより、沖縄での米軍基地の更なる強化、固定化を意味しています。しかも、より有機的に機能することを念頭に移設・建設されるとすれば、「県外」などあり得なかったのです。
なのに、訴状は「…被告の違法な事務遂行を放置すると、我が国の安全保障と普天間飛行場の固定化の回避」と言ってはばかりません。
じゃなくって、既に、長期に渡って「固定化」されてきたのが普天間飛行場であり、その辺野古への移設は、更に強化された米軍基地の沖縄県内での固定化以外の何ものでもありません。被告と名指しされる玉城デニー知事が被告であるなら、そうして名指しされているのは、辺野古新米軍基地反対を公約する人を選んだ沖縄県民が被告と名指しされていることを意味します。
沖縄だけに、過重な基地負担を強いられることを望まない沖縄の人たちを、そのことにおいて国は被告と名指してはばかりません。「被告がいまだにこれに従わず」と。
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