アハリー・アラブ病院
スハイラ院長からのお便りをお届けします
(アハリー・アラブ病院を支援する会ニュースレター No.42より)
2024年1月12日
親愛なる皆さま
ガザのアハリー・アラブ病院のために日本の皆さんがミッションを行い連帯して下さることを深く感謝します。この人道危機が起きて97日が経とうとしていますが、私がいかに、現在も継続中の人権侵害とガザの人々の苦難におののいているか、筆舌に尽くせません。イスラエルの執拗な砲撃、戦闘機、軍艦による攻撃の結果、2万3千人以上が亡くなりました。その42%が子どもです。負傷者は6万人を越えました。
ガザでは、家族はもう一緒に住んではいません。さらに民間住宅への爆撃が続き、広範囲におよぶ強制移動命令がイスラエルから出されたため、ガザ人口の85%にあたる190万人以上がより南部へと移動を強制されました。
人びとはさまざまな酷い状態にあります。
自分が安全だと言える人も、損失や喪失を免れているひとは一人もいません。誰もがイスラエルの爆撃の格好の標的になっています。
イスラエルは燃料、食糧、水、医薬品などの搬入も制限しています。
アハリー・アラブ病院では、患者や避難者で混雑を極めており、たいへん危険な環境で診療を続けています。緊急外来では1日300人を超す犠牲者を受け入れ、ベッドも負傷者で溢れ、多くの患者が廊下や礼拝堂で治療を受けています。毎日、15~20件の手術が時間を延長して行われています。
燃料、薬品、医療品不足は深刻です。抗生物質、麻酔薬、ギブス、包帯、ボーンスクリュー(骨の固定器具)、プレートが足りません。食糧が乏しいため、患者と職員には1日1食、それも米とデーツの少ない食事しか供給できません。
このような困難な状況にあっても、今回の暴力の負傷者、犠牲者に最善のケアを供給することを続け、かれらの命を救うために揺るぎない覚悟を維持することが私たちの義務だと感じています。
皆さまの支援と助けがなければ、私たちの仕事は成り立ちません。多大な援助を感謝いたします。
スハイラ・タラツィ
アハリー・アラブ病院院長
[バックナンバーを表示する]