前週よりのつづき)
・1月24日 「第一原発1号機格納容器内部調査、使用装置の操作試験公開」
・1月26日 「新年度の処理水放出計画案、5万4600トン、7回で、東電発表」
・1月27日 「廃炉案8兆円変更想定せず」
・1月30日 「配管内の廃液抜き取りへ、東電第一原発飛散事故受け」
・2月1日 「第一原発2号機のデブリ取り出し、堆積物『一定程度を除去』」
・2月7日 「第一原発事故東電負担の原則揺らぐ、除染の国費4千億円超」「第一原発2号機、東電の計画、規制委が認可、デブリのアーム採取手続き完了」
・2月8日 「第一原発、汚染水含む水5.5トン漏えい、浄化装置最大220億ベクレル、構内土壌に」
・2月9日 「第一原発汚染水漏れ、手動の弁、開いたまま、手順書守らず作業」
・2月14日 「核廃棄物最終処分文献調査、第三の候補現れず、続く難所、頓挫警戒」
東電福島の「事故対応費用」は、一旦は政府で試算されている費用と、試算外の費用があり、以下のようになっています。
この表で解るように、対象外費用については試算されず「不明」となっています。除染費用については、試算に加え、2024年度までに「4000億円を超える」見通しであることが示されています。これは、当初の政府試算とは別に、「帰還困難区域外の除染」費用が加わる為です。帰還困難区域は、文字通り帰還困難とされていましたから、除染費用は試算されませんでしたが、そこに「特定復興再生拠点区域」を設け、除染を実施することになった為、その分の除染費用は当初の政府試算とは別枠になりました。もともとが、20m㏜/年以上と放射線量が高く、帰還困難区域である区域が、「特定復興再生拠点区域」になったりするのは、理解しにくいのですが、たとえ帰還が困難であり続けるとしても、東電福島の事故の後の復興が着々と進展していることにする為には、それを象徴する場所が必要であった為、帰還困難区域の中に、復興の象徴としての拠点を設けることになった、それが「特定復興再生拠点区域」であり、その為に当初の除染費用とは別に支出することになったのが、「除染の国費4千億円超」です。(2月7日、福島民報)。
もし、帰還困難区域だが、除染して帰還可能になるのだったら、もともとそれを区域として分けることが間違っています。いいえ、事実帰還困難なのですから、間違ってはいなかったし、今も間違ってもいません。
ただ、熟語の8文字「特定復興再生拠点区域」から読み取れるのは、こうして示す8文字は間違いでありかつ虚偽です。どうして、こんな虚偽が必要だったのか、東電福島の事故の後、すべては順調に復興に向っていると、印象付ける必要がありました。
しかし東電福島の事故現場は、事故から13年近く経った今も、緊急事態のままで、事故対応に迫られています。
止めようのない汚染水を、「処理水」と称し、薄めて、海に流しています。
3,4号機の使用済の核燃料と未使用核燃料5542体が、東電敷地内の「共用プール」で、処理不能のまま一時的に保管されています。1,2号機の使用済み核燃料と燃料は事故の原子炉に残されたままです。(1月14日、福島民報)。
除染廃棄物は、「中間貯蔵施設」に移されたものの、30年の期限の10年近くが経った今も、その最終処分の見通しは何一つ示せないままです。(1月18日、福島民報)。
(次週につづく)
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