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2024年05月01週
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前週のつづき)
別にその半年を時系列でたどったりもしています。1面は、「ガザ深まる絶望、戦闘半年、破壊・飢え・娘の死『これ以上何を』」となっていて、そこに紹介されているのが「破壊された建物」などの「ガザ」と「イスラエル」の被害の数字です。ただもし、これら「戦闘による被害」とするなら、この数字のどこからもパレスチナとイスラエルの「戦闘」であるようには思えません。イスラエルがパレスチナ・ガザの人たちに一方的に強いる「破壊・飢え・死」です。
 届いている、4月6日(土)付の「アハリー・アラブ病院を支援する会ニュース・レター、スムイラ・タラツイ・アハリー・アラブ病院院長の3月4日のメッセージ」によれば、パレスチナ・ガザの状況は以下のようになります。
 「…このメッセージを書いている今も、ガザ全域で日々、空爆、地上と海からの砲撃が続いており、心が砕けそうです。2日前も、おなかを空かせた子どもたちのために食糧の配給を待っていた人々がイスラエル軍に爆撃され、104人が死亡、700人が負傷する虐殺が起きました。その時点で死者は3万人を超え、その7割が女性と子どもです。負傷者は7万人です」「ガザ南部フファハに移動させられた人は170万人を超え、食糧飲む水もなく、電気、衛生設備もないテントに寝泊まりをしています。イスラエルが人道物資の搬入を阻止していったため、数千人が病気や飢餓に見舞われる可能性があります」「ガザの人々は現在、史上最悪の不正義、弾圧、屈辱を経験しています」「…私たちは心から、即時停戦とこの残虐行為を止めることを求めます。もうたくさんです」。ニュース・レターは、別に、北部、「シファ病院」及び周辺に広がる「死と破壊」の様子も伝えています。「…シファ医療総合施設内および周辺道路で、何百体もの遺体が発見された」
 たとえば、前掲のイスラエルによる報復が始まってから半年の4月7日前後半月の報道からは、今も続く、イスラエルの報復の止まるところを知らない「残虐行為」の「何故」については
読みとることができません。
 「戦闘による被害」とされる、ガザの「死者3万3091人、負傷者7万5750人、避難民数7万棟以上、破壊された住宅数7万棟以上、インフラ被害額185億ドル(2兆8千億円相当)などが、示している、あるいは意図されているのは「人間としての存在の抹殺」です。単なる被害、破壊ではなく、パレスチナ・ガザの人たちは、イスラエルにとって、たった一人であっても、存在することが許せない人たちなのです。
 3月24日に、アハリー・アラブ病院を支援する会、共同代表の村山盛忠さんを招いての「今、パレスチナ・ガザで起こっていること」の報告会で紹介された資料の一つが「イラン・パぺ、パレスチナを語る」でした。イラン・パぺが繰り返し語っているのが「エスニック、クレンジング」です。(ethnic cleansing、民族浄化。複数の民族集団が混在する地域において、あるひとつの民族集団が他の民族集団を、大量虐殺や追放その他の手段によって排除し、単一民族の地域に浄化すること)。
 1948年の、パレスチナにおける「イスラエルの建国」から始まって、その始まりから、エスニック・クレンジングであり、その一つ一つの段階で、そして今も、イスラエルが容赦なく実行しているのが、エスニック・クレンジングであって、止まるところを知らないのです。イラン・パぺはそれが「(今に到る、エスニック・クレンジング)」の帰結だとしています。「…つまりそれは、ある人物がアラブ人だからまたはムスリムだからという理由で、――もちろんその人物は移民ではなく、先住の民であり、かの地を故郷とする人びとのことである――その人物が消えることが問題の解決だと人びとに教え込むことは理にかなっているとする考えです」(「イラン・パぺ、パレスチナを語る」第2章・イスラエルの歴史認識――建国神話とニュー・ヒストリアン)。
(次週につづく)
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