(前週のつづき)
建国されたイスラエルの、その信じられている「建国神話」によれば、パレスチナ人はその一人に到るまで、そこから「消えることが問題の解決」なのです。そして、消えない限り、その存在がイスラエルの建国神話もおびやかし続けるのです。
2023年10月から始まった、「報復」は、10月に起こった事への単なる報復ではなく、イスラエル国家がパレスチナに存在することの不条理を、力ずくで条理化する為の機会だったのです。その具体的な行動として実行されているが、ガザでのパレスチナの人たちに下されている「破壊・飢え・死」です。
もちろん、そんなことが許されるはずはありませんが、起こっている状況を、日本も含め世界がそれを許します。中でも、それを許し、「破壊・飢え・死」に加担しているのが、米国です。「…米イスラエルに支援追加へ、爆弾や戦闘機、数十億ドル分」(3月31日、朝日新聞)。その米国の議会で、日本国首相の演説には、パレスチナ・ガザでの「破壊・飢え・死」、そのエスニック・クレンジングについての言及は一切ありません。
「イラン・パぺ、パレスチナを語る」は、2007年3月の来日時の講演ですが、そこでの日本についての言及は、今も、今こそそのまま求められることです。「…したがって、日本の市民社会こそが、ある理由から日本に強い関心を持っているイスラエル国家に対して、『ここ日本に住むわれわれ市民は、他の民族を占領し、植民地化し、そしてエスニック・クレンジングを行っているような国家(イスラエル)には不快感を覚える』、ということを公にすることが重要だと私は考えます」(前掲、イラン・パぺ、「パレスチナの『民族浄化』―何が起こったのか」)。
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