(前週よりのつづき)
その上、名護市の東海岸側に位置する安部(あぶ)集落、ちなみに2016年12月にオスプレイが海上に落ちたのはこの安部の海であるが、その安部崎から100m離れた所にオールー島があり、ここには他所から墓参りに訪れる人があると言い、オールー島の「オー」は奥武島の「おー」と同じ意味との見方があるという。「オールー」は沖縄では「青色」との意味であり、また「おお」そのものが「青」を指すので、死者の行くところの「奥武(おお)島」は「青島」である。死去した神女が行く所である「ニルヤ リューチェ」、「ハナヤ リューチェ」、つまり「にらい かない」も青の海の彼方にある。
ただし、青色の範囲は広い。信号機の緑色も「あお」信号と言っていたし、青すぎて黒に近い青もある。月の光の果て、太陽の光の果ては紺碧の冥府なのだろう。「地上の星」達はその紺碧の中で光っている。
「地上の星」
作曲:中島みゆき リライト:富樫 守
辺野古ゲート前のすばる
高江の森の銀河
みんな何処へ行った
見送られることもなく
辺野古海上のペガサス
街角スタンディングのヴィーナス
みんな何処へ行った
見守られることもなく
地上にある星を 誰も覚えていない
人は天上の星ばかり見てる
つばめよ 高い空から教えてよ
地上の星を
つばめよ 地上の星は
今 何処にあるのだろう
(*注):日本庶民生活史料集成第19巻、p,229
日本人の魂の原郷――沖縄久高島p,40
富樫 守
ちなみに、中島みゆきは、沖縄島と沖縄の人たちが辿ってきた歩み、歴史を歌っています。「阿檀の木の下で」です。
「阿檀の木の下で」
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:瀬尾一三 発売日:2001年6月
波のかなたから流れて来るのは
わたしの知らない貝殻ばかり
波のかなたから流れて来るのは
わたしの知らない寿歌(ほぎうた)ばかり
遠い昔のあの日から この島に人はいない
みんなみんな阿檀の木になった
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない国家ばかり
遠い昔にこの島は戦軍(いくさ)に負けて貢がれた
だれもだれも知らない日に決まった
波のかなたから流れて来るのは
私の知らない決めごとばかり
陽は焼きつける 阿檀は生きる
大地を抱いて阿檀は生きる
山の形は雨風まかせ
島の行方は波風まかせ
遠い昔にこの島は戦軍(いくさ)に負けて貢がれた
だれもだれも知らない日に決まった
だれも知らない木の根の下は
主(ぬし)の見捨てた貝殻ばかり
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