(前週よりのつづき)
名護市辺野古、新米軍基地建設反対の座り込みに集まった沖縄の人たちも、よく歌います。何しろ機動隊に排除されたちする座り込みの現場ですから、「抵抗」らしきものも出来ず、ただ歌って座っているよりありません。そんな時に歌われる歌の一つが、文字通り座り込みの歌が、作曲:今村一男、作詞:秦真実・キムギガンの「座り込めここへ」です。
座り込めここへ
1、座り込めここへ ここへ座り込め
腕組んで ここへ ここへ座り込め
ゆさぶられ つぶされた
隊列を立て直す ときは 今
腕組んで ここへ ここへ座り込め
2、座り込めここへ ここへ座り込め
歌うたい ここへ ここへ座り込め
ゆさぶられ つぶされた
団結を立て直す ときは 今
歌うたい ここへ ここへ座り込め
3、座り込めここへ ここへ座り込め
旗かかげ ここへ ここへ座り込め
引きずられ 倒れても
進むべき道を行くときは今
旗かかげ ここへ ここへ座り込め
映画「勝っちゃん 沖縄の戦後」で、山城善勝さんが語る「…戦後、焼け野原となった沖縄で、人々は自らの力で生き延びるしかありませんでした」の勝ちゃんの戦後の一つが、米軍基地の物資を盗み出す「戦果アギャー」でした。
「戦果アギャー(*1)」について描いたのが、真藤順丈の「宝島」(講談社、2018年、第160回 直木賞受賞)です。この物語を「宝島」としたのは、たぶん著者には沖縄島が「宝島」に見えたからです。もちろん、勝ちゃんの美ら海も宝島ですが、「戦果アギャー」の描く、少年少女たちの途方もないエネルギー、身近な人たちが艦砲で吹っ飛ばされるのをつぶさに見た人たちの沈黙と語り、そんな沈黙と語りの島も、たぶん著者には「宝島」に見えたに違いありません。
(*1)アギャー…宮古島の方言で、「網を揚げる」という意味。古くから行われている伝統的な追い込み漁のことを「アギャー漁」という。
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