日本キリスト教団西宮公同教会・西宮公同幼稚園
教会について
礼拝・諸集会のご案内
小さな手・大きな手
公同通信
教会学校について
公同幼稚園について
どろんこと太陽
関西神学塾:スケジュール
関西神学塾:講師紹介
楽しい学習
賃貸住宅事業部とは
テナントについて
活動内容
アートガレーヂについて
催し物のご案内
リンク
アクセスマップ
お問い合せ
width=1
top>小さな手大きな手
width=639
小さな手大きな手

height=1
2007年01月03週
height=1
 2007年1月17日に神戸市役所前で開かれていた、兵庫県南部大地震の被災者の集まりに参加しました。主催している兵庫県被災者連絡会の河村宗次郎さんとは、地震の年の3月からの知り合いです。河村さんは“抗議”が大好きな人で、当時避難所の解消を急ぐ神戸市や兵庫県の交渉の場に居合わせましたが、“絶妙”の抗議の様子に感心していました。河村さんたちの活動というより、大地震で被災した人たちをその年の12月以来、ずっと“もちつき”で応援させてもらってきました。トラックで、道具一式を運んで行って、もち米を蒸すのは必ずまきストーブ、半ソデになってもちをついたりするのは、12年間全く同じです。手際のよさに“賃つき屋”と間違えられたこともありましたが、もちつきで大地震で被災したたくさんの人たちと顔見知りになりました。


 昨年も12月30日に、神戸市兵庫教区本町公園に隣接する河村さんの事務所前でもちつきをしました。12年前から続けてきたもちつきでは、それぞれに年を重ねてきて年に1度の顔を合わせを喜びあいます。今年も、およそ80キロのもちをつきました。その折に河村さんから“牧師さん(又は”さま“と河村さんは呼ぶ)、1月17日の13回忌の集まりで、キリスト教の追悼のお祈りをしてもらえませんか!”と声をかけられ引き受けることになりました。被災者でもある真宗大谷派の僧が、神戸市役所前の集まりのステージで13回忌法要を営むことになっていて、それに引き続いて“キリスト教式13回忌”をしないかということなのです。キリスト教には“13回忌”という死者を追悼する“しきたり”はありませんが、追悼することをこばむ理由はありませんでした。その日が近づいて、讃美歌の“アメージンググレース”を、そこにいる皆さんと歌うことに決めていました。神戸市役所前の集まりでは、今までもアメージンググレースが歌われたことがあります。加藤登紀子さんの友人で、大地震の被災者を応援する為に来日したラトルスネイク・アニーさんが、英語でアメージンググレースを歌い、それに合わせるようにして日本語のアメージンググレース(讃美歌第2編165番“われをもすくいし”)を歌ったことがあります。讃美歌ですが、それが生まれてきたいきさつなどから、人の死を追悼し、被災した人を応援する場でも違和感のない、たぶん13回忌にもぴったりの歌のはずでした。
 1月17日午後に神戸市役所前に到着した時、2人の僧が13回忌の読経をしていました。“死者6434人”と書かれたパネルがステージに置かれ、2人の僧がそれに向かって読経する様子は、不慮・不遇の死を遂げることになった人たちを追悼するのに、ぴったりの光景で迫力もありました。
 読経の後、トレーナーを脱ぎTシャツ姿でステージに上がり、1995年1月17日の体験を少しばかり話させてもらいました。昨年亡くなった姉のことで書いた文章を朗読し、曲をつけた川上盾さんがそれを歌いました(その姉の“49日”に合わせるように川上さんが曲をつけてくれていて、もともと川上さんは1月17日の神戸市役所前の集まりで、被災者を励ます歌をうたうことになっていました)。そして、川上さんのギターの伴奏で歌ったのがアメージンググレースです。あらかじめ、印刷したものを配布していたので、少なからずの人たちがそれを口ずさんでいる様子でした。


 死んだ人を追悼する“13回忌”は仏教の宗教的な営みで、キリスト教の場合それに習い“記念会”という集まりで死んだ人を追悼します。ただ、習ったのではなく、どうであれ人の死が置いていった空白を埋めるのにはそんなことで応えるよりなかった、ということかも知れません。死や死んだ人の追悼は、ただの追憶ではなくて、埋め難い空白を前にしたその時々の人のうめきと向かい合うようにして営まれざるを得ないのです。1月17日の読経は、言葉としてはちんぷんかんぷんであったとしても、2人の僧の端然とした態度とその響きは、空白とうめきに少なからず届いているように聞こえました。ですから、その後で託された“キリスト教の13回忌”では、届く“言葉”でその事と向かい合う覚悟でステージに上りました。
 

人よ 届かぬ山となれ
人よ 待ちわびる花となれ
人よ 追いかける炎となれ
人よ 幼な子の雲となれ
人よ 戻らぬ後悔となれ
人よ 残さぬ永遠となれ
風よ 波よ 涙よ 海のかなたへ
雲よ 星よ 夢よ 夜のかなたへ

人よ 悲しみの雪となれ
人よ 去りゆく波となれ
人よ 飾りなき夢となれ
人よ 噛みしめる朝となれ
人よ 望み見る覚悟となれ
人よ 明日への微笑みとなれ
風よ 波よ 涙よ 海のかなたへ
雲よ 星よ 夢よ 夜のかなたへ

height=1
[バックナンバーを表示する]
height=1


?????width=80

Copyright (C) 2005 koudoukyoukai All Rights Reserved.