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2007年06月01週
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教育再生会議の「第二次報告」が取りまとめられ発表されています。(2007年6月1日)。1月に発表された「第一次報告」では、「暴力や反社会的行動を繰り返す子供に対する毅然たる指導」「すべての子どもに規範を教え、社会人としての基本を徹底する」などのことが教育再生の基本として示されていました。第二次報告では“学力向上”のことにとりまとめのかなりの部分が割かれるのですが、第一次報告と同じように「すべての子どもたちが高い規範意識を身につけ、知・情・意・体、すなわち、学力、情操、意欲、体力の調和の取れた徳のある人間に成長すること」を、教育再生の基本として再確認しています。
 こうして、子どもたちの教育のことでは、“規範を教え、社会人としての基本を徹底する”“高い規範意識を身につける”などのことを求めますが、それを求める人たち(たとえば、教育再生を政治目標に掲げる人たち)は、それらのことではぐちゃぐちゃだったりします。というか、自分のことは棚に上げて言ってしまえるのが、この人たちの規範や社会人としての基本です。言うところの“暴力”や“反社会的行動”は、それをしてはいけないことを、人として生まれ人として生き始めた時から人は学び続けます。乳児期、幼児期、少年・青年期、そして成人してからも人が学ぶのは、人として周囲の全てのものと共存して生きるための規範や基本です。なのに、人の生きる社会で"暴力"や"反社会的行動"はなくなったりしません。そこそこ巧妙に、手を変え品を変え“暴力”や“反社会的行動”ははびこり続けています。人としてのこんな営みに、これでもかこれでもかと出会ってみると、なかなか"再生"しにくい生きものが人であるように思えます。
 「おおよそ人を頼みとし肉なる者を自分の腕とし、その心が主(なる神)を離れている人は、呪われる」「おおよそ主(なる神)にたより、主を頼みとする人はさいわいである」と書いているのはエレミヤ書です。(11章5節、7節)。確かに、エレミヤ書は“その心が主を離れている人”を断罪してやまないのですが、主(なる神)をしても、エレミヤが言葉を尽くしたとしても、その人の心を支配できるとは理解していません。主を離れることがあるのも人で、主を頼みとすることがあるのも人なのです。むしろ、そんな人というものと向かい合う覚悟が書かれているのがエレミヤ書で、人というものの惨状を書くことにおいても容赦することがありません。「また彼らがその敵とその命を求める者とに囲まれて苦しみ、悩む時、わたしは彼らに自分の息子の肉、娘の肉を食べさせる。彼らはまた互いにその友の肉を食べるようになる」(エレミヤ書19章9節)。
 第一次報告、第二次報告と教育再生をとりまとめたりする人たちは、教育が課題にしている、人というものについて本当のところで向かい合ったりはしません。例えば、人が死を選ぶということは痛ましい悲しい出来事です。一人の政治家が死を選んでしまいました。それが、人としての名誉を守ろうとする結果の選択であったとしても、死を選んでしまうのは痛ましいし悲しい出来事です。政治という途方もなくお金のかかる仕事をしていて、そのために八方無理をして工面していたお金のことが疑惑として追求され、居直りきれなくなった無残な死であるらしいことを、残された遺書が物語っています。「不明、不徳」に「身命を持って責任とお詫びに代える」ことになった政治家の遺書は「残された者たちには、皆様のお情けを賜りますようお願い申し上げます」と結ばれていました。(5月30日、朝日新聞)。人が生きて、その一生をこんな言葉を残して終わりにするのはあり得ることです。今この国で、人を再生させる、教育再生のことを取りまとめたりする人たちが見つめなければならないのは、たとえば今この国で起こった政治家の生と死のことです。それは、子どもたちの教育再生を語る人たちの“身内”で起こった死であってみればなおのことです。学ばなければならないし、伝えなければならないのは、人が人として生きる規範や基本を、人が人として語ることの難しさです。もし、子どもたちに規範や社会人としての基本を求めるのなら、その規範や社会人としての基本のことで教育再生を語る人たちが、誰よりもそれを求められています。そして、生も死もそれを弄んではいけないことを、身をもって伝えることも。
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