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2007年07月02週
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核爆弾の威力を解りやすく示すのに“TNT火薬換算”という表示の仕方が使われます。広島に投下された核爆弾(原子爆弾)の威力は15キロトンでした。15キロトンは、TNT火薬に換算すると約15,000トンになります。例えば荷重15,000トンの船に満載の火薬が一瞬に爆発したのと同じ威力の核爆弾が1945年8月6日広島で爆発することになりました。しかし、広島に投下された核爆弾は、全長3.2m、直径0.7m、重量は約4000キロでした。たとえば、それを乗せる船の大きさにして約1/4000だったとしても、その威力がTNT火薬15000トン分と全く同じという訳ではありません。核爆弾の場合の爆心地点では、摂氏10,000度とも言われる高温の熱爆風になって全てのものを一瞬のうちに影も形もなく溶解してしまいます。その結果、広島では約150,000人、長崎では約100,000人が核爆弾の爆発の後間もなく死んでしいました。更に、熱風と放射能によって、核爆発から数週間、数ヶ月のうちに、それぞれ治療の手立てが一切ないまま数万人が死んでしまいました。更に、放射線によって人体深く傷ついた人たちが、その後も死んでいきました。更に、放射能による後遺症は、その後もずっと今日に至るまで広島、長崎の人たちを苦しめてきました。そんな核爆弾が実際に使用された事実を、数10万人の死の事実としてきたのが、広島であり長崎なのです。
 そんなこともあり得る戦争というものを、ある時人は人の営みにしてしまうこと、それも人は受け止めるよりないのだと思う。しかし、あの戦争のあの時であっても、いかなる戦争のいかなる場合であっても、核爆弾を使用が許されるのかどうかは全く別のことです。戦争という現実があり得たとしても、何の警告もなく、そこで生活している人たちを全く無差別に、上記のような殺し方をしてもいいということにはならないのです。
 なのに、この国の防衛の責任者が、広島、長崎で核爆弾が使われたこと、核爆弾で殺されたことについて、以下の主旨の発言をしました。「…幸いに(戦争が)8月15日に終わったから、北海道は占領されずに済んだが、間違えば北海道までソ連に取られてしまう。その当時の日本はとられても何もする方法もないわけですから、私はその点、原爆が落とされて長崎は本当に無数の人が悲惨な目にあったが、あれで戦争が終わったんだ、という整理で今、しょうがないな、という風に思っている」(2007年7月1日、朝日新聞)。何よりも貧しいのは、この国の防衛(?)の責任者が、広島、長崎で使われた、そして今日世界でおびただしい数が保有されることになってしまった核爆弾のことをほとんど理解していないことです。たとえば核爆弾はその使われ方を問わず、大量の普通に生活する人を無差別に殺す兵器です。軍隊というものの存在の賛否はあるとして、その国の防衛の責任者は、戦争その道具である兵器が何であるか、それを使う軍隊が何であるかを知っていないと困ります。それが、自衛隊という軍隊であったとしても同じことです。戦争をする道具である兵器、戦争の担い手である軍隊は、それを理解し統制・制御する責任者の存在がなければ、ただ危ないだけになってしまいます。そんな結果の無残な戦争で、数百万、数千万の人の命が奪われることになって、そんな結果広島、長崎の核爆弾の投下という結果になったとすればなおのことです。この国の軍隊・防衛の責任者は、広島、長崎で核爆弾が使用された事実を“しょうがないな、という風に思っている”と軽く口走ってしまった結果辞任することになりました。辞任することになったのは当然としても、軍隊・防衛の最高責任がその程度の人にゆだねられているこの国の軽さは、この国がいろいろ考えたり行動したりする時の軽さそのままです。
 6月のイラク戦争の米軍兵士の死者は101人だったそうです(2007年7月4日、朝日新聞)。イラクに派遣している米軍兵士の数は、2~3月にかけおよそ3万人増強され、全体で15万人になったといわれます。なのに、6月の101人を加えると4、5、6月の米軍兵士の死者は331人です。開戦から7月2日までの米軍兵士の死者の合計は3,581人になったそうです。米軍のイラク戦争を陰で応援している自衛隊員に死者はありません。アメリカのイラク戦争でたくさんのイラクの人たちが死んで、悲惨な内戦状態でイラクの人たちは死と隣り合わせに生きています。間違った戦争を本気でやって、たくさんの米軍兵士が死に、その間違った戦争を安全地帯から応援するこの国では、その責任者が広島、長崎で核爆弾が投下された事実を“しょうがない、という風に思っている”などとすっごく軽く、すっごくウソっぽく口にし、結果辞任したりしています。
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