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2008年11月04週
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 聖書に描かれている“資産家”といえば、その一人がヨブです。ヨブの資産は「彼に男の子七人と女の子三人があり、その家畜は羊七千頭、らくだ三千頭、牛五百くびき、雌ろば五百頭、しもべも非常に多く・・・」だったりします(ヨブ記1章2、3節)。しかし、その息子や娘、すべての資産が失われてしまった時、「この時ヨブは起き上がり、上着を裂き、頭をそり、地に伏して拝し、そして言った『わたしは裸で母の胎を出た。またはだかでかしこに帰ろう。主のみ名はほむべきなか・・・』」と、息子や娘の命まで奪われてしまった悲惨な事実を、それとして引き受けます。あれこれ、身につけたと思われていたものすべてをはぎ取られた時、後に残る存在の事実や意味を見つめるとしたら、それ以上でも以下でもないのが“裸で母の胎を出た”というヨブの気付きであるように思えます。
 

 イエスは、彼のもとに集まった弟子たちを、その働きに派遣するにあたって、「また十二弟子を呼び寄せ、ふたりずつ遣わすことにして、彼らにけがれた霊を制する権威を与え、また旅のために、つえ一本のほか何も持たないように、パンも、袋も、帯の中に銭も持たず、ただわらじをはくだけで、下着も二枚は着ないように命じられた」とあります。イエスの弟子としての働きをするのに、というより生きるのに必要なのは“裸で母の胎を出た”そのことを守れば十分であるといっていることになります。そんなことを弟子だけに求めたのではなく、自分もまた、そんな風に生きていてはじめて“命令”できたのは、もちろんのことです。
 

 4、5月の連休に、富山県氷見の施設で世話になっている父を訪ねた時の、車のガソリン代は一晩で20円前後値上がりしていました。そのガソリンの値段の元になると言われる“ニューヨーク原油先物相場”の原油の価格が、1バーレル(液体などの量の単位で、原油1バーレルは159リットルだそうです)50ドルを下回って49.82ドルになったとのことです。たった4ヶ月前の、7月の最高値が150ドルだったのが値下がりし、1/3の価格になったことになります。そんな訳で、このあたりの街のガソリン代も、2、3ヶ月前には1リットルあたり170円前後だったのが、今は120円台の表示を見かけます。というガソリン代に、少なからず一喜一憂しながら過ごしてしまっています。歩ける範囲は可能な限り歩いて、それより遠出の時は自転車を走らせるなどのことをすれば、ガソリン代で一喜一憂することはしなくて済みます。なのに、ほんの少しの移動にも、車があたりまえになって、ガソリン代の乱高下に一喜一憂しています。というか、ガソリンのことで一喜一憂する程度の軟弱な気分が、ガソリン代の乱高下になっているのかもしれません。
 

 で、2008年度のノーベル経済学賞は、ポール・クルーグマン(米、プリンストン大学教授)だったのですが、知る人ぞ知るのこの人のことは、ほとんど全く知りませんでした。その、クルーグマン先生が、昨今の深刻な世界不況に“大不況克服への巨額財政出動せよ”と提案しています(2008年11月17日朝日新聞、以下の「」内は朝日新聞)。「アナウンスはされていないが、すでに、日本で採られたように『ゼロ金利』政策が事実上実施されているようなものだ。だから、巨額の財政出動が必要なのだ。その支出をなんに使うのか。必要な刺激は非常に大きい。十分な使途を見つけるのが難しいぐらいだ。基本的には、考え付く限りのことができる。・・・即効性が期待できるのは道路などのインフラ整備だ。例えばハドソン川をくぐる2番目の鉄道トンネルなど、計画中のものを前倒しすることもできる」。しかし、クルーグマン先生は、そのことが「金融政策が影響力を失い、財政政策しか残っていないというのは『不思議の国のアリス』の世界だ。この世界では、貯蓄を高めるのが悪い事で、健全な財政も悪いこと。逆に完全に無駄な政府支出が善いこと。『あべこべの世界』だ」とも言っています。
 
 
 なにしろ2008年度のノーベル経済学賞のクルーグマン先生の“巨額財政出動”の提案ですから“そうだ、そうだ”ということなのかも知れませんが、先生もおっしゃっているように“あべこべの世界”はやっぱりまずいのです。というか、言うところの“あべこべの世界”をやりまくった結果が、“深刻な世界不況”のように思えます。たとえば、既に1兆ドルを越えているといわれる、米国のイラク戦争の費用は“完全にムダな政府支出”でした。なのに、“使途を見つけるのが難しいぐらい”の巨額の財政出動をして、更に“ムダ”をしようというのが、クルーグマン先生の提案の骨子のようです。
 

 じゃなくって、今もし人が立ち戻る世界があるとすれば、「不思議の国のアリス」だったら「もうこのときには、(アリスは)元どおりの大きさになっていたのだ。『あなたたち、みんなただのトランプでしょ!』(「不思議の国のアリス」、ルイス・キャロル、柳瀬尚紀訳)」の、人とその社会の“元どおりの大きさ”です。それは、ヨブの場合だったら“裸で母の胎から出た”、イエスの場合だったら“つえ一本のほか何も持たない”だったりします。

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