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2009年03月04週
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 中江兆民の「一年有半」を読もうとしたところ、それが収録されている全集の第10巻だけが行方不明で、結局インターネットのオークションで手に入れることになりました。(インターネットのオークションで“古本”を手に入れるにあたっては、大平先生の世話になっています。手に入りにくいと思っていた「知里真志保著作集第4巻」や、ギリシアの英雄アルキビアデスのことを書いている「プラトン全集」第6巻もオークションで格安で入手することができました)。中江兆民は、癌で余命“一年半”を宣告され、それでも書き続けていた文章が、弟子の幸徳秋水の手で「一年有半」となって出版されることになりました。1871年(明治4年)生まれの中江兆民が、こん0の0文章を書いていたのは亡くなる2~3年前の50歳ぐらいの時です。無神論者を自認する中江兆民は“暗殺は必要なり”と言ったり、“余は自殺死を排斥する者に非ず”と言ったりずいぶん過激ですが、根底にあるのは人として厳しい自分への問いです。「それ学術如何に遂なるも・・・若し子として父を廃し、良人として妻を苦しめ、盟友を欺き、及び諸々不義を行はば如何」。そして、「我国家如何に強気も、隣国如何に弱気も、我れ故無く兵を隣国に加へば如何、外物はついに理義に勝つこと能はざる也、本末の別あればや」などと“理義”“本末”を言って一歩も譲らない人なのです。
 

 自衛隊、海上自衛隊をめぐる動きが“きなくさく”なっています。3月14日には海上自衛隊呉基地から、護衛艦「さざなみ」「さみだれ」が、約400人の自衛隊員を乗せて、ソマリア沖に向け出港しました。3月21日には「北朝鮮が4月4日~8日に『人工衛星の打ち上げ』を予告しているのに対し・・・自衛隊法82条の2に基づく『弾道ミサイル等破壊措置命令』を月内にも発令する」ことが浜田防衛相によって明らかにされました。いずれの場合も自衛隊の“武器”が自衛官の手で実際に使われることになるらしいのですから“きなくさい”のです。
 

 2隻の護衛艦の派遣は日本国憲法ではもちろんあり得ないし、自衛隊法でも実行しにくいことになっています。いますが、自衛隊法の“海上警備行動”を援用し、一方で「海賊行為の処罰及び海賊行為の対処に関する法律」(数日前までは“案”だったものが、3月21日に閣議決定され、国会で論議されることになったが・・・まだ論議されていない)を準備しますが、要するに見切り“発艦”なのです。発艦には“見切り”らしいものが他にもあります。なぜ海上保安庁の巡視艇ではなくて、護衛艦なのかですが、多分“自衛隊を海外に出す先例”を作りたいからです。たとえば、自衛隊の“武器”使用はそのまま“戦争”を意味しますから、日本国憲法はもちろんのこと自衛隊法でも厳しい制限があります。というか、武器は使えないことになっています。なのに、“海賊”をやっつけたりする時・・・その為に護衛艦をソマリア沖に派遣するのですが、“海賊船”に向けての射撃は、現在の日本の法律では、海上保安庁の巡視艇で制限付きで許されていて、その法律を“援用”して、“あっちでできるんだから”“こっちでもやる”式で護衛艦の派遣になりました。なりましたが、もう一つやっかいなのは、そもそも海上保安庁の巡視船の場合も、“武器”使用がそのまま許されている訳でなく、これも“警察官職務執行法第7条”の“武器”使用を“援用”してやっと可能ということになっています。で、警職法第7条の場合の“武器”って、多分“ピストル”くらいだと思います。これを“援用”して更に“援用”して“武器”使用が可能になった護衛艦が“海賊船”をやっつけるときに使う“武器”は、ピストルではもちろんなくって、小なりと言えども“大砲”のはずです。護衛艦が海外で“武器”を使うことになるんだったら、どうであれ正規の手続きを踏まなくてはならないのはもちろんです。それが“援用”で可能になってしまう“きなくささ”は危ないのです。
 

 もう一つ“きなくさい”ことが、3月21日に決まりました。“北朝鮮”がミサイル(人工衛星だと言っている)の発射予告をしていて、そんなことをすると撃ち落とすぞと言ってたのが、本当にそのことの宣言になってしまったことです。日本にはミサイルを撃ち落とす“地対空誘導弾パトリオット(PAC3)”があって、関東、中部地方に配備されています。ただし、関東の場合だと、東京都千代田区市ヶ谷などの一部で、防衛範囲はそれぞれ数10キロと言われます。イージス艦などに配備されているのは“海上配備型迎撃ミサイル(SAM3)”ですが、その「こんごう」「ちょうかい」のうち、こんごうは改修中です(3月7日、朝日新聞)。SAM3はPAC3ちほぼ同じ守備範囲で、いずれも迎撃実験ではあまりうまく行っていません。
 

 という“きなくさい”を、軽く口にしている人たちがいて、それらの現場にいることになる自衛隊員たちのことには、ほぼ関心がなかったりして、今のこの国が“きなくさい”のは“理義”“本末”の無いに等しいことです。
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