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2009年05月04週
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 朝刊(2009年5月23日)を眺めていて、「肝臓がん撲滅のために」という、大きな文字のタイトルの全面広告が目に飛び込んできました。広告には、「肝炎・肝臓がん征圧のために」という項、内容のものもありました。病気によっては、今回の新型インフルエンザの場合のように、予防の為に隔離したり、安静にして自然治癒を待ったり、薬物の投与・外科的手術などの、いわゆる治療をするのですが、がん(癌)治療の場合、“撲滅”になったり、“征圧”になったりします。ただ、たとえそれがその人の肉体に発生したがん“自立的な異常増殖をする細胞”であったとしても、それを“撲滅”・“征圧”する時、その人の肉体も痛めずにはおきません。しかし、その手強さが“撲滅”、“征圧”という過剰に、人を走らせてしまいます。
 

 で、30年前に「仰々しくも隠喩に飾り立てられた病気が二つある―結核と癌」と書いていたのは、スーザン・ソンタグです(「隠喩としての病い/エイズとその隠喩」、みすず書房)。結核の方は、その頃既に抗生剤などの発見で、“隠喩に飾り立てられる”不治の病ではなくなっていました。がん・癌の方は、早期発見・早期治療で、転移・再発をかなりの部分防げない訳ではありませんが、依然として死亡率の高い病気です。そして、「癌のことを記述する際の中心的な隠喩は、実は経済学からではなく、戦争用語から借用されたものである」(スーザン・ソンタグ、前掲書)がん・癌は、スーザン・ソンタグがそう書いた時も今も、“撲滅”“征服”などの隠喩で飾り立てられる病気であり続けます。
 

 2009年5月17日に兵庫県内で「新たに7名の感染が確認」されたことをうけ、結果的には兵庫県内のすべての学校等の“休校”が兵庫県新型インフルエンザ対策本部長(井戸敏三知事)の名で要請されることになります。
 

 5月17日、18日は、日本基督教団兵庫教区の定期総会が神戸栄光教会を会場に開催されることになっていました。開会ぎりぎりに会場に到着したところ、入り口で“手指の消毒・マスクの着用”でなければ入場できない旨を告げられました。教区総会に出席する前、西宮公同教会の日曜日の礼拝終了後の報告で、今回の新型インフルエンザの件では「関係者(教会、教会学校、幼稚園など)で、直接発症などの事が確認されない限り、予防的な対応、措置はしない」ことを明言し、了解してもらいました。しかし教区総会は、関係者で直接発症などの事が確認されていないにも関わらず、“予防”の為に手指の消毒・マスクの着用を、いわば強制的に求めることになりました。そのことが、教区の総会の議事が始まる前に報告されるにあたって、「消毒・マスク着用などの“予防”が必要であると判断した根拠」「そのような“予防”が必要であると判断したにも関わらず教区総会を延期するなどのことをしなかったのはなぜか」などの質問をしましたが、明確な回答は得られませんでした。世間が、予防に走るのにあわて、同じように予防に走る結果になりました。ですから、すき間だらけのマスクの着用、着用しない人たちにそれ以上は強制しないなどの“予防”になって、しかし200人近い人たちがマスク姿で教区総会に臨んでいました。“新型インフルエンザ”という隠喩(メタファ)におびえ、手指の消毒・マスクの着用をいいかげんに強いるという“予防”で問われることになったのは、実はその時のキリスト教でした。「あなたたちは、キリスト教と本気で向かい合っているのか?」と、問われているのであろう自覚もなかったのですが。
 

 学校などの“休校”ということでは、西宮公同幼稚園も、休み明けの19日(火)から“休園”になりました。西宮公同幼稚園に限って休園するはずがない、という人もいましたが、情報確認ができにくい状況での判断は差し控えることになりました。19日には、独自の問診票により、すべての園児及び家族の健康状態を聞き、その結果子どもたちが通常の生活をすることでの差し障りの無いことを兵庫県に報告しました。20日にも、同じように問診をした結果、19日と同じ状況であることを兵庫県に報告し、その結果に基づいた判断として、限られた時間ですが、子どもたちが集まれる機会を作ることになったことを、保護者に提案し、それを兵庫県に報告しました。「県の要請のもと、急な休園措置をとらざるを得ませんでしたが、19、20日の健康等の調査の結果、当園の子どもたちやご家族に大きな状況の変化もなく安堵しています。元気な子どもたちに、少しですが遊ぶ機会を準備させていただくこととしました・・・」(「連絡」、2009年5月20日、西宮公同幼稚園)。
 

 新型インフルエンザが話題になり、日本でもそれの発症が確認され、対応が少なからず大騒ぎされる経緯は、癌が隠喩となる場合、「組織のありようで、取り除きがたい癌」などと言われたりする場合とよく似ています。そこにあるのは、健康であることや、美白であったりすることが唯一の価値であるとみなす風潮です。
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