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2010年07月01週
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 廣澤益次郎さんは、佐賀県有田・伊万里焼きの陶工であり陶芸作家です。20年程前、廣澤さんの出入りしていた神戸出身の波佐見教会の牧師の紹介で行うことになった、夫妻の個展を手伝うことになりました。神戸出身の牧師の声かけは期待はずれだった為、西宮北口周辺の人たちに案内したところ、そこそこの人たちが個展に顔を出して下さいました。廣澤益次郎さんも設子さんも、個展を訪れた人たちに、好印象を残すことになりました。
 展示された作品の中には、思わず抱きしめたくなるような“骨壷”も並んでいて、10万円前後するそれを買い求めた人もいました。ふた付きの滑らかな曲線の壺に描き込まれた斜めに交差する曲線は、どこが始まりか解らないくらい完全で、うすい紫の色彩も印象的でした。決して成功したとは言えない個展でしたが、期間中毎日顔を合わせていた廣澤益次郎さん設子さんが大好きになりました。
 

 廣澤さんは1995年の兵庫県南部大地震の時に、いち早くお見舞いを届けて下さいました。2月には陶工として働く、有田の“源右衛門窯”を訪ね、招いていただいたご自宅での慰労のことは忘れられません。
 

 その廣澤さんから「ここ数年、短歌を詠んでいます」というお便りと、投稿・発表した歌誌などのコピーが送られてきました。それをめくっていて、佐賀県武雄市「かささぎ」社の258号作品集、“6の秀歌、廣澤益次郎、君病む”に「目分量で酢味噌を作りdiンン1木(タラ)の芽を独り食する君病む夕べ」などの連作を見つけ、驚いて、もう一度見た便りには「近況報告、と思ってお読みいただけたら…」とも書かれていました。
 

 歌・短歌は、5、6年前から年に3つだけ作っています。短歌の先生もいませんし、約束事は、それが5、7、5…であるのが解る程度です。約束は必ず“星”が出てくることです。短歌は毎年、7月第1土曜日の“星まつり”の、子どもたちのおみやげに差し込まれるカードの為のものです。大胆と言うか恥知らずと言うか、2010年の星まつりの為に、3つ作った短歌の一つ。
   
   空仰ぐ 万頭の牛 沈黙の
         星への旅を 見守るは星
 
 4月に発生して2ヶ月余り、口蹄疫で“殺処分”になった、牛・豚などの家畜のは約27万6千頭になるのを、“万頭の牛 沈黙の”としました。たぶん、“牛肉”になる牛は、もっともっとたくさん殺されています。それらに携わる仕事の人たちが“差別”されたりしてきましたが、“空仰ぐ…沈黙の”のただ暗澹たる仕事であった訳ではありません。屠畜場で働く仕事人たちは、職人としてみがいたウデを誇りに、生きものたちの“死に際”に立ち会ってきました。しかし、殺処分される家畜で際だつのは“処分”です。
 
   口舌で する政(まつりごと) 虚構とて
         人の世遠く 星沈黙し
 
 口舌、舌戦、舌渦などになったりする口、即ち言葉・ものいいは、それをいかようにも 弄し得るという意味では、沈黙に劣るのです。
 

 星野道夫さんは、アラスカを中心に、生きものと自然の、類いまれな写真を撮影してきた写真家です。それが“類いまれ”であるのは、何よりも生きものや自然と向い合う写真家としての態度であったと考えられます。「…自然写真を撮るためにもっとも必要なものは何かと聞かれたら、それは対象に対する深い興味だと思う。初めは漠然とした気持ちでいい。花、昆虫、ある種の生き物への興味、山への憧れ、あるいはある土地への想い…。それが何であれ、まず、その対象に対するマインドの部分での関わりである。そして次は、その気持ちをさらに深めていくことが必要になってくる。言いかえれば、どんどん好きになっていくプロセスだと」(「自然写真家という人生」星野道夫)。たとえば、広大なアラスカの大地の写真の、その真中に点のようなクマの親を追う子グマの写真は、大地への深い気持ちと、その大地に抱かれて生きるクマたち、そして、クマの親子の深い気持ちのすべてが、そうであることを証明して撮されているように見えます。
 

 アラスカの秋の、地をはうような紅葉の中の、白骨化したカリブーの頭と角の、星野道夫の写真は生きものが生きた残骸ではありません。紅葉と白骨が調和して見えてしまうのは、紅葉の自然とカリブーの生きた過去への深い気持ちがあって、初めて撮影された写真なのです。

   沈黙の 生きものたちの 億年を
         犯す時人 星を恐れよ

 2010年4月20日に、米国ルイジアナ州メキシコ湾沖80キロメートルで操業していた、石油掘削施設が、爆発事故を起こして、海底油田から大量の原油がメキシコ湾に流出することになった事故の、原油の油膜が、四国4県分の広がりになったのだそうです(6月2日、朝日放送)。メキシコ湾の海底1500メートルの、更にその地中深く眠っていた原油は、億年過去、地球に生きものが生きていた証しです。なのに、それを人の都合で掘り出すことにして、起こしてはならない事故になってしまいました。眠っているはずのものが、目を覚まされてしまった油膜は自然のすべてを汚してしまうことになります。星野道夫が「対象に対する深い興味」と言った自然を、もう一つの自然の力で、蹂躙することになったのです。恐れを知らない人という生きものが。
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