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小さな手大きな手

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2010年10月04週
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 水面の薄い油膜のことが気になっていて、阪急神戸線から171号線までの、津門川の右岸から左岸へとをゆっくり歩いてみました。阪急神戸線から“魚道”では、特に魚道の下あたりが深くなっていて、大きな魚たち、コイ、ナマズ、ギンブナなどの溜り場になっています。津門川の改修で川底を掘り、川岸をコンクリートで固めてできた川底とコンクリートのすき間が、魚たちの隠れ家にぴったりで、中でも、夜行性のナマズの居場所になっているらしいのです。多分1週間ほど前から、少し下流の、浅くて石ころがたくさんある砂地に、体長15センチくらいの、魚形がアユに似た小魚が数10匹泳いでいます。アユは群で泳ぐことはないと言われていますから、オイカワ・カワムツなどの川魚かも知れません。


 魚道から上流、交番のある上昭和橋までの川に大量に発生していたオオカナダモは、毎月第1日曜日の川掃除、教会学校の活動などの“藻刈り”で大半は片付けました。今年の、津門川のオオカナダモの繁り具合は尋常ではなくて、その時刈り集めた藻は大型ゴミ袋で150袋分くらいになりました。)教会南の一方通行、甲風橋下やその上流あたりも、川底が深くなっていて、大きな魚が集まっています。教会玄関の真向いの、甲風園側の石垣に小さい排水溝があって、断続的に濁った水が流れ込みます。それが何かは解りませんが、その時になるとコイ、ナマズ、ギンブナが何かをむさぼるように群れてきます。


 津門川の水質はCOD、リン酸態リンなどの調査結果では“良好な水質”ということになっています。しかし、阪急線から北、171号線から南の7つの排水溝から、見るからに“廃水”らしきものや、明らかな生活排水が流れ込んでいることが確認できます。そして、そのあたりにはコイなどが群がっています。


 上昭和橋から上流、171号線までのオオカナダモは手付かずのままです。繁りすぎて、水面に浮び上がって空気に触れた藻が腐っている為、津門川の水面をずいぶん汚れたものにしてしまっています。更に、そうして浮き上がった藻に、流れてきたゴミが引っかかって、その種類も量も並ではありません。ゴミの入った各種のレジ袋、正体不明のゴミの入った大小ビニール袋、空き缶、大小のペットボトル、カップ麺の容器、スプレー缶、テニスボール、すいがらなど、ありとあらゆるゴミが投げ込まれたり、流れてきたりしています。腐ってゴミのたまったオオカナダモなのですが、そのすき間から白い花を咲かせています。関西盲人ホームの少し上流の“水生植物育成場”には、そこだけにヨシが育っていました。そんなヨシも含め、津門川の石垣の雑草が、街を汚す張本人だということで、春に市が行っている清掃の時に、すっかり刈り取られてしまいました。刈り取られてから半年、50センチくらいまで伸び直して、津門川の雑草の仲間をしています。津門川でオオカナダモが大量に繁っているのは、その根っこを川底の砂地に付けて、根付いているからです。結果、水の流れを悪くするのですが、オオカナダモの中で蛇行するもう一つの川の流れになっています。そんな流れを縫うようにして、昨日は合計9羽のカモが泳いでいました。もちろん、ただのんびり泳いでいる訳ではなく、藻の間に口ばしを突っ込んで、エサを食べているのです。10年程前、津門川で死んでいたカモを引き上げてきて、胃のあたりを解剖してみたところ、固形物はなくて、暗緑色の藻のようなものが詰まっているのを見ました。津門川には、カモの他に、アオサギ、ダイサギ、コサギ、カワウなどが飛んできます。もちろん、豊富な津門川の川魚をエサに求めて飛んでくる水鳥たちです。その水鳥たちがエサの小魚を獲る“ハンティング”は、とっても見事です。昨日も、171号線に近いあたりで見かけたダイサギは、川の中を獲物をねらって忍び足で歩いていて、ピタッと止まったと思った瞬間、口ばしを藻の中に突っ込んで、引き抜いた口ばしには15センチはある小型の赤いコイをくわえていました。それを、くいくいと首をゆするように、頭からごくっとのみ込んで、それがのばした細い首にすい込まれていく様子がはっきりと解りました。


 津門川では、目に見える川魚や水鳥の営みはもちろん、繁ってしまった藻の陰で繰り広げられているであろう小魚たちの営み、川底の砂の中の生きものたちの営みなどがあり、そこは豊かな生きものたちの世界です。


 そんな津門川ですが、ビアトリクス・ポターの描く自然とはずいぶん異なっています。いわゆる湖水地方を買い取る資金にも役立ったと言われるのが「妖精のキャラバン」(福音館書店)の印税だそうです。「妖精のキャラバン」で妖精たちがキャラバンをする森や川は、津門川のように人の生活や手によって汚れてはいませんでした。


 「低い石垣と丘のあいだには湿った窪地があって、いばら、野生のラズベリー、枯れ残っているしもつけそう、枯れ草の茎などが一面に絡まりあっていました。落葉松(からまつ)とトウヒの若木が、きいちごのあいだからもがき出て育っています。丘の近くにはニワトコとハシバミの木があって、その下を、丘に沿って小川が流れています」。という湖水地方の自然は、「妖精のキャラバン」を書いたポターの強い意志でそこを買い取り、強い意志で守られることになった自然です。
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