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小さな手大きな手

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2011年02月03週
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 たんぽぽが好きです。一番身近なたんぽぽは、幼稚園から一歩出た津門川の石垣のすき間で咲くたんぽぽです。川沿いから覗いて見つかるたんぽぽは、一様に見えますが、月に一回の川掃除の時に間近に見るたんぽぽは、その時の石垣のすき間の具合で、一本一本すべて異なっています。二、三本せり合って咲くたんぽぽは、葉っぱも多く、一本だけ少なめの葉っぱで小さな花を咲かせているのは、石垣のすき間には土が少なかったりするのに違いありません。二面張りの津門川の、石垣のすき間の、厳しい条件の場所に、飛んだ綿毛が、その時の風のほんの偶然でそこで根をはり、育つことになったたんぽぽには、なにものにも代え難い、生命の営みがあることを思わされます。ですから、津門川の石垣のたんぽぽは、私たちの街の自慢です。
たんぽぽが大好きです。たまに出かける加西の竹やぶの周辺のよもぎ、そしてはこべなどを、かき分けるようにして長い太い茎を伸ばして、そこではたんぽぽが咲いていました。子どもたちと春には必ず訪れる千里北公園の、一昨年のその時のたんぽぽは、花を閉じたままでした。出かけるのを危うんだその日の朝の天気は曇りでした。花の閉じたたんぽぽを残念がって、木のぼりなどで遊んでいるうちに、太陽が顔を出し、気が付いてみると数百本のたんぽぽが一斉に開きはじめていました。その時、子どもたちと一緒に、2時間近く、たんぽぽの開花を見つめ、完全に開花するのを確かめました。


 「たんぽぽ」(甲斐信枝、偕成社)と出会ったことから、その時に出会うたんぽぽに気付くこと、見つけること、心に刻むことが始まりました。一冊の絵本が出会った自然とのつながりになり、忘れることのできない、数々の記憶になりました。たんぽぽが大好きです。そして、絵本のたんぽぽも、同じくらい大好きです。
 

 ブナの森で記憶に残っているのは、教会学校の子どもたちが4泊5日、10年間通ってキャンプした広島県比婆山の、そのキャンプ場を囲む山の一つ、烏帽子岳のブナの森の原生林です。キャンプの期間中に、必ず1、2度登る烏帽子岳の、約1500メートルの山頂付近が、ブナの森・原生林になっています。夏のキャンプのブナの森は、見上げても緑一色、登山道を覆うようにして広がる森床も緑一色です。『ブナの森は生きている』(甲斐信枝、福音館書店)は、そんなブナの森に「・・・5年の間、十数回・・・」、一人で「なんども森にでかけて、ブナの森が生きているありさまをたんねんに観察し、写生してできた」絵本です。ページを開く度に、10年間通った夏のブナの森のことを思い出し、そのブナの森の四季の豊かさに気付かされます。


 借りた空地に、5年間に渡り、そのありさまを「たんねんに観察し、写生してできた」絵本が『雑草のくらしッ空地の五年間ッ』(甲斐信枝、福音館書店)です。ですから、雑草をただ漠然と描くのではなく、その一本、一枚の葉っぱ、一粒の種には、生きた生命として見つめて描かれることになります。「私は、絵本づくりでありますので、いきおい子どものことの気持ちを掘り起こす必要があります。そして掘り起こして、反芻して、反芻して、いったい、私は子どものことに何を欲しがっていたのであろう、どんな気持ちで暮らしていたのであろうということを考えます。そういうときに登場してくるのが、いつも草なんです。私はいきおい草をテーマにして、小さい方たちに語りかけるのが、自然な成り行きであろうかと思われます」(『小さな生きものたちの不思議なくらし』甲斐信枝、福音館書店)"5年間"、「たんねんに観察し、写生してできた」本物の絵本は、「小さい方たちに語りかけ」魅了せずにはおかないのです。



甲斐信枝様
この度は、私どもの願いにこたえ、西宮まで足を運んでいただけますことを、感謝申し上げます。
 甲斐さんの雑草や花の絵本と出会うことがなければ、幼稚園の子どもたちの自然と出会う生活は、ずいぶん違っていました。幼稚園では、約300坪の畑を借りています。田んぼが資材置き場になっていて、20年前にそこを借りて畑らしくするのには、保護者の皆さんの力を借りることになりました。畑になった今も、三分の一くらいは雑草の為の場所になって、子どもたちも昆虫たちもどこよりもそこが大好きです。中でも、畑の“のびる”を、といた小麦粉にきざみ込んだのびる焼きは、子どもたちの好物になっています。
 畑の、線路沿いの場所では、9月になるとたくさんのひがんばなが咲きます。近くの県営住宅が取り壊された時、住宅の裏にあったひがんばなの球根約200球を引き取って植えたものが10年余り経って、昨年は1800本ほどの花を咲かせることになりました。
 幼稚園の畑で、9月に咲くひがんばなの突然現れて咲く様子は、驚きそのもので、その花があっという間に消えて、次にびっしりと顔を出すとんがった葉っぱにも子どもたちは驚きます。
 しかし、もし、甲斐さんの絵本「ひがんばな」がなかったら、ひがんばなは、子どもたちにとってはそれだけで終わっていました。ひがんばなが咲く頃に、幼稚園の先生たちと楽しむ「ひがんばな」の絵本で、実際に見て手にもするひがんばなが、子どもたちの心に、生きた生命の営みとして刻まれることになりました。それだけでなく、甲斐さんの「ひがんばな」で、身近に出会う草花の一つ一つが、生きている生命そのものであることに、子どもたちは出会ってきました。
 甲斐さんの描かれる、一冊一冊の草花の絵本は、子どもたちと自然の生命をつなぐ大切な宝物です。
 2月25日には、たくさんの人たちに、甲斐さんと出会っていただくべく、準備をしています。
 よろしくお願いいたします。

2011年2月3日
西宮公同教会
付属西宮公同幼稚園
(2011年2月3日文庫だより2月号より)
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