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小さな手大きな手

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2011年05月02週
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 “放射線警報検査機”というものを初めて使いました。“ガイガー計数管”という機械があって、放射能を帯びている物質に近づけると、ガーガー音がする機械で、そんなものがあることは知っていました。東京電力福島第一原子力発電所の事故の後、それを持っている人がいて借りることになりました。放射線を測定するこの機械は、ガーガー音がするからその名前が付いている訳ではなく、ドイツのガイガーとミュラーが考案したことで、この名前になっていて、放射線の粒子を感知する度に放電を起こす、その回数を数える装置なのだそうです。


 この装置・ガイガー計数管を持って、4月30日~5月1日に、福島県の伊達市、いわき市、郡山市、会津若松市などを訪ねました。伊達市富成小学校、富成幼稚園は、測定された放射線量が高く、子どもたちを校庭・園庭で遊ばせることができない為、表面を削ったということで話題になりました。30日に訪ねた時、校庭・園庭は削られていて、削った土は端に山盛りにして、ブルーシートがかけてあり、囲んでいる柵には“危険”の表示がしてありました。ガイガー計数管を取り出してONにすると、すぐにガーガー鳴り始め、地表から約1メートルで1.9マイクロシーベルト、地面から2~3センチのところで0.09マイクロシーベルト、“危険”のブルーシートの近くで2.9マイクロシーベルトでした。削った効果はありました。しかし、校庭の端に山盛りになった“危険物”は、そのまま放射線を出し続けています。全く完全に削るという訳にはいかなかった、校庭の隅の枯れ草に計数管を近づけてみると、“ガーガーガーガーガー…”と、鳴りやまなくて、目盛りは4マイクロシーベルトを超えていました。校庭を削りましたが、たとえ表面を削ったとしても、校庭は子ども達の遊べる場ではないのです。そうしてガーガー音を出す機械を、しかも本物の放射能で使うことになるとは思ってもみませんでした。その機械が手元にあって、しかも機械がガーガー音を出し続けて、4マイクロシーベルトであるのは本物です。そんな時も、小さな小さな放射線の粒子が、その一瞬も飛び回っていて数値を変えてしまいます。放射能は現実なのです。伊達市の小学校校庭に立って、計数管を持っていて、それがガーガーガーガー鳴って、目盛りが4マイクロシーベルトのあたりで微妙に揺れているのに、そこに立っている自分が夢のように思えてなりませんでした。しかし、ガイガー計数管はなり続けて、校舎と校庭をはさんだ斜面では、目盛りは5マイクロシーベルトを超えることもありました。そこで、計数管を手にして、ガーガー音を出す放射線の粒子は、そこから約50キロ離れた場所で、2ヶ月近く前に事故のあった原子力発電所からのものです。5月2日(月)に再度訪ねた時の伊達市富成小学校の校庭の放射線量は、空気中も地面も枯れ葉の上も、4月30日とほぼ同じでした。そうして、ガーガー鳴り続けているのは、夢ではなく現実なのです。放射能のことは知っていたし、計数管というものも知っていて、ガーガー音が出る者らしいことは知っていて、その機械がガーガー音を出すのも知っていました。知ってはいましたが、現実に音を聞くことになるとは思いもしませんでした。


 計数管は、小学校近くの植える準備の終わった田んぼの土手では2.9マイクロシーベルトでした。また、福島県庁前の芝の上では、1.9マイクロシーベルトでした。そのどの場合も、計数管はガーガー音を出し続けていました。
 ガーガー音を出す機械があって、それが放射能を測定する機械であることは知っていました。でも、その機械を手にすることも、手にしたその機械がガーガー音を立てる現実も想像しませんでした。それが小学校の庭であったり、田んぼの土手であったり、県庁舎前の芝の上であったりの、極々ありふれた場所でガーガー鳴り続けているのです


 文部科学省に、校庭使用が制限される、子ども達の累計被曝量20ミリシーベルトの根拠を聞いてみました。あっちこっちたずね回って、たどり着いた、文部科学省科学技術企画課学術政策室(放射能を扱ったりするのが、科学・学術だからそうなっているらしい)の山本さんの答えは、「官邸からの政治的要請が強い」「子どもたちをその地域から外に出すということも難しい」「エイヤ!でやるしかなかった」「自己防衛でやっていただくしかない」「市、町、県などから文科省に要望を上げていただくしかない」などでした。要するに、学校の校庭で放射能計数管が、ガーガー音を出して、その数値が4マイクロシーベルトであったとしても、だからと言って、「子どもたちをその地域から外に出すということも難しい」、だから20ミリシーベルトでもやむを得ないということになっているのです。


 しかし、ガーガー計数管が音を出しているのは事実で、その範囲が広がり、計数管で測定される値も、日を追うごとに確実に高くなっています。文部科学省と米エネルギー省が協力して作成した「福島第一原発から80キロ圏内の地表の汚染マップ」によれば、その80キロ圏内で測定される放射性セシウム137は、1平方メートルにあたり「30万ベクレル以下」だとのことです。
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