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小さな手大きな手

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2011年12月01週
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 おもちゃ屋さんの店頭に並んでいる人形は、買ってもらう相手を選ぶのはもちろん、買ってもらえるかどうかも分かりません。一番あとから店頭に並んだホリー(ヒイラギ、という名の人形)の願いは、他のすべての人形がそうであるように、クリスマスの前の日、「きょうじゅう」に誰かに買ってもらうことです。でも、どんなに願ったとしても、その誰かが目に止め、手にとって、買い求めてくれるまで待つよりありません。ホリーは願います。そして待ちます。それが「きょうじゅうに」起こることを。
 セント・アグネスという名の大きな家で30人の男の子と女の子と暮らすアイビー(ツタという名の女の子)は、何も願うということをしませんでした。それが、クリスマスの前の日であるにも関わらず。クリスマスの前の日、セント・アグネスに最後まで残ったアイビーは、クリスマスの間、別の施設「幼な子の家」に移ることになりました。願ったからではありません。
 ホリーのおもちゃのお店では、次々に人形たちが売られていました。ホリーは、待って願いましたが、「きょうじゅうに」が迫っても、誰にも買ってもらえませんでした。
 何も願うことのないアイビーの、「幼な子の家」への汽車の旅で、アップルトンという町で途中下車します。そして、クリスマスの前の日から、クリスマスの日までの夜を、路地のつきあたりの空っぽの小屋で過ごすことになりました。「小屋はパン屋さんの物で、パン焼き窯の後ろの壁に沿って作られていました。」ですから、からっぽの小屋とは言え、温かかったのです。凍えた体を温め、眠ってしまっていたアイビーは、ふしぎな銀色の水と鏡の音に誘われるようにして、小屋から外に、通りに出て近づいたのがおもちゃの店でした。「あの子も赤と緑だ、とアイビーは思いました。ホリーの髪、ハシバミ色の目、小さな歯、うつくしい手足を見ました。そのどれもが、アイビーの気に入りました。『あたしのクリスマス人形だ!』アイビーはいいました。」「ホリーはアイビーの手を見ました。あの手がもうじき、わたしをだいてくれるのよ、とホリーは思いました。お月さまの光で見ても、アイビーのオーバーはきれいな緑色ですし、ホリーのドレスはこれまたきれいな赤ですから、ふたりならぶとおにあいでしょう。『わたしのクリスマスの女の子!』ホリーは言いました。「あたしのクリスマス人形」とアイビーが思い、「わたしのクリスマスの女の子」とホリーが思った時、ホリーとアイビーも、そろって願い事をします。「でも、いいですか。そこがだいじなところですから、よくおぼえておいてくださいよ。そのとき、ホリーとアイビーも、そろってねがいごとをしたのです。『おねがいですから・・・』『おねがいですから・・・』」クリスマスの前の日に、願い事をしなかったアイビーが、「おねがいですから・・・」「あたしのクリスマス人形!」と。
 この物語「クリスマス人形のねがい」(ルーマ・ゴッデン文、バーバラ・クーニー絵、掛川恭子訳、岩波書店)は、「これは、ねがいごとのお話です」で始まり、「私が、ねがいごとのお話だと言ったのは、こういうことだったのです。」で終わります。「クリスマス人形のねがい」は、ねがいごとのお話なのです。
 願いがあったとしても、ただ願うだけしかできないホリー、クリスマスの前の日に願い事をしないアイビーが、「おねがいですから・・・」「おねがいですから・・・」と、そろって願いごとをします。
 絵本「クリスマス人形のねがい」は、表紙はもちろん、すべてのページがクリスマスの色彩の赤と緑です。赤と緑のバーバラ・クーニーの絵で、これがクリスマスの喜びの絵本であることが一目瞭然でわかるようになっています。なっているのだと思います。しかし、主人公のホリー、そしてアイビーは、クリスマスの喜びの外に置かれてます。願ったとしても、黙ってじっとそこにいるしかない人形のホリー、クリスマスの前の日にも願うということをしないアイビー、2人ともクリスマスの喜びの外に居るのです。絵本全体のクリスマスの色彩が、そのことを際立たせずにはおきません。同時にクリスマスは、他の誰でもない、ホリーとアイビーのものであることを、「クリスマス人形のねがい」は、静かに、しかし確信を持って描いているように思えます。
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