かたつむりが 運んだのは
小さな 希望
プロメテウスは 火を盗んだ
小さな 希望は
地を満たす 災いに代った
雨が運んだのは
汚れない 水
プロメテウスは 火を盗んだ
汚れない 水は
海を満たす 災いに代った
子どもが 運んだのは
友と生きた 時間
プロメテウスは 火を盗んだ
友と生きた 時間は
空を満たす 災いに代った
風が運んだのは
春の 便り
プロメテウスは 火を盗んだ
春の 便りは
世界を満たす 災いに代った
(プロメテウス・ギリシアの神ゼウスから、人間のために〝火″を盗んだ。その代償である永遠の責苦と死から、ケンタウロスのケイロンが身代わりになったことで解かれる。人間の生活を容易にするあらゆる技術の〝祖″)
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