1月末から2月初めにかけて、0.6マイクロシーベルト台まで下がっていた福島、郡山などの放射線量が、0.8台に戻っています。
2月3日 2月15日
福島 0.66 0.83
郡山 0.62 0.65
雪などが降るとそれと一緒に降下したり、雪が地面を覆うことで、放射性物質が飛散しにくくなって、線量が下がっていると考えられています。それが、福島市では0.8台に戻っています。福島市の、毎時0.83マイクロシーベルトの放射線量は、年間追加被曝総量では7270マイクロシーベルト、7.27ミリシーベルトになります。東電福島の事故の後、計画的避難が指示されているのは、事故発生から1年の期間内に積算線量が20ミリシーベルトに達する恐れの区域、及びそこに住むことになる人たちです。計画的避難が指示される20ミリシーベルト以下とは別に、避難勧告となる20ミリシーベルトは、次のようなことが根拠になっています。「国際放射線防護委員会(ICRP)は、緊急時の被曝状況において、放射性物質により汚染された食品の摂取などに伴う健康リスクと被曝によるリスクを考慮して、放射線防護の基準値を年間20~100ミリシーベルトとしている。(株)東京電力福島第一原子力発電所の事故では、緊急時としてその基準のなかで最も低い値である20ミリシーベルトが採用されている。将来的には、年間1ミリシーベルト以下まで戻すことを目標として様々な方策により『合理的に達成できる限り低い』被曝線量を目指している。この基準は、ICRPの勧告を基に原子力安全委員会の助言を得て定められている。」(「放射線副読本」解説編・教師用、平成23年10月、文部科学省)。と、なっている、文部科学省の計画的避難指示の、「1年間の期間内の積算量が20ミリシーベルト」には達しませんが、福島市の2月16日の0.83マイクロシーベルト/時は、年間積算量は7.27ミリシーベルトです。そんな福島、郡山などの放射線に、子どもたちが曝され続けることから守る目的で、請求・提訴されたのが「ふくしま集団疎開裁判」でした。昨年12月16日、その請求は退けられてしまいました。請求が退けられたのは、福島市の場合、年間で7.27ミリシーベルトの積算被曝線量になってしまう“事実”について争いを避け、除染などで線量が下がっていること、集団疎開は現実的ではないなどの理由でした。
しかし、福島、郡山などでは一旦は下がった放射線量は、0.8マイクロシーベルト台に戻っています。依然、高い線量での子どもたちの被曝がさけられない状況が続いています。現在、「ふくしま集団疎開裁判は、仙台高裁に検討されています。そんな一方で福島の子どもたちが放射性物質にさらされ続ける現実を、広く世界からの支援を求めるために計画されているのが東京、福島(郡山)での“模擬法廷”です。」
2月12日の教会学校では、その法廷に何か応援のメッセージを届けることになり、それを用意しました。
西宮公同教会 教会学校の子どもたちから
福島の子どもたちに、本当のことを教えてあげて下さい。=放射能は、ほんの少しでも危ないことを!
=だって、ほんの少しでも、ものすごい力を、持っているではないですか。
本当のことを、教えてもらえない福島の子どもたちがかわいそうです。
(放射能の影響を受けやすい子どもたちの避難が必要なのは、たった1ベクレルのセシウム137の崩壊で、65,000ヶ所の分子の化学結合を切断する放射能に、子どもたちをさらすべきではないからです)。
別に、兵庫教区の、教会、教会学校に以下のような文書を届けました。
&沒〟i福島市、郡山市、伊達市など)の子どもたちを、放射線量の高い地域から避難させることを求めた「ふくしま集団疎開裁判」は、昨年12月、原子力発電所の事故収束宣言と合わせるようにして、請求が退けられました。
しかし、福島市、郡山市、伊達市などの放射線量は依然として高く、年間追加被曝線量は6~8ミリシーベルトに達します。
福島市 0.82μsv/時 7.18msv/年
郡山市 0.65μsv/時 5.69msv/年
(いずれも、2012年2月15日の空間線量、朝日新聞)。
これは、外部被曝線量で、「地産地消」を推進する福島県では、学校給食などによって、子どもたちの内部被曝も避けられなくなっています。
子どもたちを放射能の被曝から守る請求は、退けられてしまいました。
「世界市民法廷」は、福島の子どもたちの現実を、広く世界に問い、広く世界からの支援を求めるために計画される“模擬法廷”です。
2月26日(日)東京会場 午後1時~
日比谷コンベンションホール
3月17日(土)福島会場 午後1時~
郡山市男女共同参画センター
「ふくしま『世界市民法廷』」に向け、教会、教会学校の子どもたちのメッセージを届けて下さい。
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