後川で春を見つけよう
後川での春を歩こう
1.里を歩いて
里、里山は、そこで生活する人と自然とがつながって、一体となった世界です。篠山市後川は、昔とはずいぶん様変わりしたとはいえ、人の生活と田んぼや畑、それを取り囲むようにして、竹林、杉や桧の林、そして山の斜面には、赤松や小ならなどが、山の頂上(大野山など)にまで広がっています。
もし、そんな里や、里山を歩くとしたら
①.そこには、普通に生活する人たちの“生活”があります。大切なのは後川で生活している人たちの生活世界に、決してずかずか入りこまないことです。
②.田んぼや畑は、後川の人たちの大切な生活資源です。田んぼの畦(あぜ)や土手をどかどか踏み荒らさないことが大切です。
③.そして何よりなのは、里、里山はさまざまな生きものたちが共生する世界です。大声で大騒ぎをしなければ、たくさんの生きものと出会えます。たくさんの生き物の姿が見えてきます。たくさんの生きものの声が聞こえてきます。
別に用意しているカードに、後川でも会う、生きもののことを記録してください。名前が解ると、生きものとの出会いが、うんとうれしくて楽しめるものになります。
2.川をのぞいて、川を歩いて
後川を貫いて流れている川は羽束川です。羽束川は三田市で武庫川と合流します。ですから、武庫川とつながっている津門川とは“兄弟分”ということになります。兄弟分の羽束川の、もう一つの支流が、旧後川小学校のすぐそこ、借りているどろんこ田んぼのすぐそこを流れる西山川です。
2012年の、子どもたちの夏のキャンプの最終日の、後川夏祭りの夕方、小学校のすぐそこの橋の下に、“おおさんしょううお”がいた川です。
体長が1メートル前後の“大人”になるのに、20年はかかるとも言われるおおさんしょううおが、生息している後川は、それを受け入れる豊かな自然の世界なのです。
川をのぞいて、川を歩いて、たくさんの生き物と出会って下さい。もちろん、大騒ぎをすると、生きものはすぐに逃げてしまって、隠れてしまって、出会えなくなってしまいます。
3.山を見上げて、山を歩いて
旧後川小学校の校庭に立って、羽束川の方を見
上げた先が、大野山です。赤松と雑木(こぶし、山ざくろ、小なら、朴など)の大野山は、春の新緑、夏の緑、秋には紅葉する、落葉樹の多い里山です。そして、その里山に一歩足を踏み入れた時にびっくりするのが、大小の苔むした岩です。名前まで付いてしまった大岩はもちろん、足もとの小さな岩も、長い長い里山の自然の中の居場所で、苔むしながら自然が共生する大切な仲間をしています。
そんな後川の、大野山の里山を歩いて聞こえる風の音、太陽の光は、そこで育っている木々の働きで、一層豊かになって届きます。
(2013年4月29日)
主催:西宮公同幼稚園、西宮公同教会教会学校
協力:後川地区自治会、後川郷づくり協議会、
にこにこクラブ、
NPO法人人と人および人と自然をつなぐ企 画、篠山市教育委員会、兵庫県丹波県民局
約150人が参加した、2013年の“カレーパーティー”の場所は、篠山市後川になりました。少し春の遅い後川は、湧きあがる新緑の山のあちこちに山桜が点在し、バスの走る道路沿いには、青紫の藤が咲いていました。
田植えを間近にした田んぼは、水が張られ畦道はタンポポの黄色やひめおどりこそうの薄いピンクで埋まっていたりするのです。川あそびや、自慢のカレーに舌づつみを打ったりする集まりにも、地元の人たちや、地元にこにこクラブの子どもたち、その子どもたちが通っている後川から山を一つ超えた篠山市日置の城東小学校の校長先生、前川篠山市教育長なども一緒になって、いい時間を過ごすことになりました。
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