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小さな手大きな手

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2013年07月04週
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 原子力規制委員会が「海洋への拡散が起こっていることが強く疑われる」としていて、東京電力が否定的だった、東電福島からの海への汚染水流出について、一転して東電は流出を認める発表をしています。「東京電力福島第一原発の海近くの観測井戸から高濃度の放射性物質が検出されている問題で、東電は22日、汚染された地下水が海に流出しているとみられると発表した。更に東電は坑道にたまった汚染水が今も地中に漏れ続けている可能性があるとみている」「今回の問題で、海への流出を東電が認めたのは初めて。東電は、原発の港湾外の海水に放射性物質の濃度の変動がほぼないことから、汚染は港湾内にとどまるとの見方を示している。」「港湾内で採取した海水からトリチウム(三重水素)が検出されている。日によって値は変動するが、今月3日に1リットルあたり2300ベクレルを検出。4月の20倍に上昇した。更に井戸の水位が潮位の変動で上下しており、東電によると放射性物質に汚染された地下水が港湾内の海水と混じりあっていると見られる」「また、東電は井戸水から検出された放射性物質が事故直後に漏れ出た汚染水によるものだけでなく、地下の坑道にたまっている1万トン余りの汚染水が現在も地中に漏れ出て汚染された可能性もあると判断した」(7月23日、朝日新聞)。
 「地下から海へ」「汚染水流出」は「観測用井戸の水位が潮位の変動で上下」していることから、「放射性物質に汚染された地下水が混じり合っている」と判断されたことになります。東電福島の港湾内では、別に5ヵ所で放射性物質の濃度が過去最大になっています。「福島第一原発の港湾内で15,16日採取した海水の放射性トリチウム濃度が5ヵ所で過去最大となった。東電が19日発表した。1~4号機取水口内北側で1リットルあたり2300ベクレル、1号機シルトフェンス内側で1300ベクレル、2号機シルトフェンス内で4400ベクレル、2,3号機取水口間で460ベクレル、3,4号機取水口間で430ベクレルが測定された」(7月20日、福島民報)。
 東電福島の敷地内では、別に数ヵ所での高濃度の放射性物質が観測されています。
①、3号機とタービン建屋とポンプ室につながる立て坑内の汚染水。ベーター線を放つ放射性物質の濃度、1リットルあたり最大6億7千万ベクレル。
②、2号機タービン建屋東側、護岸間で約50メートルの取水電源ケーブル用マンホール。1リットルあたり2400万ベクレルの放射性セシウム137。
③、2号タービン建屋東側、護岸から約38メートルの観測用井戸。1リットルあたり12万ベクレルのベーター線を放つ放射性物質。
(以上、①~③、7月20日、福島民報)。
 海への汚染水流出の問題で、東電は「事故直後に海洋流出した高濃度の汚染水が地中にしみ込んだものと推定。海への流出は『判断できない』」としていました。原子力規制委員会は今月10日、汚染水の海への拡散が強く疑われる」と指摘していました。22日東電は、前掲のいくつかの事実から、汚染水の海への流出を認めることになりました。その事実の一つが「井戸(観測用)の水位が潮位の変動で上下しており、東電によると、放射性物質に汚染された地下水が港湾内の海水と混じり合っているとみられる」です。海水の潮位と、井戸水の水位が連動しているとすれば、どこかで繋がっていると考えるのが自然です。その井戸が発表されているどれかは不明ですが、どっちにしても、数十メートルの範囲のことですから、それがどれであっても不思議ではありません。
 それらのことをやっと認めることになって、東電原子力・立地本部尾野昌之本部長代理は「汚染物質を外に出さない努力をしてきた。今回の状況を重く受け止めている。大変ご心配をかけて申し訳ない」と謝罪しています。
 たぶん、この謝罪はいくつかの点で間違っています(以下、便宜上、通し番号です)。
④、「汚染物質を外に出さない努力をしてきた」は、東電福島の重大事故で既に完全に失敗している。
⑤、この失敗、放射性物質を放出してしまった失敗は、どんな人間的手段をもってしても取り返しがつかない。
⑥、失敗は、たとえば東電敷地内のいたるところで、取り返しがつかない事態として、更に拡大し止めようがない。
イ、壊れた原子炉を冷やす為に注水した水が高濃度の大量の汚染水となって漏れ出し続けている。
ロ、上記汚染水処理で発生する廃ゼオライト、スラッジ等の処理、処分にその放射能濃度のデータが必要であるが、高濃度であるため、放射能分析を行うことが困難、要するに処理、処分不能。
ハ、事故の原子炉の海側に掘った観測用井戸のそれぞれから、高濃度の放射性物質が検出されている。敷地内の地下に、広い範囲の地下水に高濃度の放射性物質が漏れ出して広がり、海に流れ出ている。
⑦、認めなければならないのは「汚染物質を外に出さない努力をしてきた」ではなく、3つの原子炉が溶融する事故で、途方もない量の放射性物質を環境に放出してしまった時、それは取り返しがつかないという事実であり、既に外に出てしまった放射性物質はどんな「努力」も届かないのです。
⑧、東京電力に「努力」するべき何かがあるとすれば、原子力発電所の重大事故に収束はあり得ないこと、事故の事実の一つ一つを詳らかにし、その一つ一つのすべてにもまた収束はあり得ないことを、原子力発電所が重大事故を起こしてしまった時代を生きるすべての人たちと共有しあう努力であるように思えます。

追1:東電福島の事故から2年4ヶ月余り経って、敷地境界の放射線量が7.8mSv/年に上昇していること、(従来は、1mSv/年以下)、放射性物質が海に流れ出ていることを、東京電力は公表し認めています。
 東電福島の重大事故の収束はあり得ないのです。それは、電力事業の中核の一つに原子力発電を据えてきた企業の破綻を意味します。しかし、東京電力は、「努力してきた(外には出さない)」「重く受け止めている」「申し訳ない」と釈明するだけです。自ら、事故の責任に言及することはしません。今、放射能に脅かされ、生きている限り脅かされ続ける人たちの生活、生命のことで、揺さぶられる心をこの企業は持ち合わせていないのです。
 原子力規制委員会は、もちろん、敷地境界に7.8mSv/年、放射性物質が流れ出ている事実を知っています。原子力規制委員会、田中俊一委員長は「環境への影響を調査し、データを蓄積することが大事。食物連鎖を含め、環境や人への影響を評価できるようにしなければならない」と、国民に放射能への備えを勧めます。今、そして生きている限り、放射能で生活・生命を脅かすことになった企業の責任を、徹底して問いません。国・企業の論理が、人間の生きる現実を呑み込んでしまうのです。

追2:じしんなんかにまけないぞこうほう」は、2011年3月17日最初の1号、50号分を「世界の終りの為の備忘録」分冊として発行し、250号で第5分冊になります。事故から2年4ヶ月余り「東電福島の事故の収束はあり得ない」事実は、「世界の終り」が杞憂ではないこと、「備忘録」は「画策され続ける迷宮」に立ち向かう数少ない試みであると言えます。 height=1
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