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2014年10月01週
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「三びきのやぎのがらがらどん」「おだんごぱん」「ふるやのもり」「名馬キャリコ」
教会の読書会で読んでいるのが「幼い子の文学」(瀬田貞二、中公新書)です。瀬田貞二は、「指輪物語」(J.R.R.トールキン)などのすぐれた翻訳、「三びきのやぎのがらがらどん」「おだんごぱん」「ふるやのもり」「名馬キャリコ」など子どもたちが大好きな絵本の仕事、そして「落穂ひろい上、下」という、江戸時代からの、子どもたちの文化(いわゆる絵本など)の仕事をした人たちの、歴史の研究でもすぐれた働きをしています。
 読書会では「幼い子の文学」の「童唄(わらべうた)という宝庫」のあたりを、ぽつりぽつり読んでいます。「とくに童唄などについて考える時、ぼくはハーバート・リードが、子どものための選詩集『楽しい道』の跋文の中で使っていた『マジック・アンド・ミュージック』という言葉を思い出すんです。リードは、こう言ってるんですね。『ある言葉は耳に快く響きますし、口にすると舌に感じの良いものです。またある言葉は魔力をもち、心を神秘感で満たします。マジックとミュージック、これが最良の詩にはふたつながら具わっています。そして、それが一緒になって、詩の特別な悦びを私たちに授けてくれます』」。瀬田貞二の手を経た絵本などの言葉は、「耳に快く響き」「口にすると舌に感じよく」「ある言葉は魔力をもち、心を神秘感で満ち」、何度聞いても、何度読んでも、その都度子どもたちの心に届き、心をゆすらずにはおきません。今、瀬田貞二の絵本をあらためて子どもたちと楽しんでいます。
 「ふしぎな ともだち」は、田島征彦の新しい絵本です。気合を入れて作られたらしい絵本ですが、久しぶりに同じ田島征彦の「あつおの ぼうけん」(著者サイン入り!)を引っ張り出して読んでいます。「ふしぎな ともだち」も、島と海が舞台です。島と海も、物語の展開もより一層力強く生き生きと描かれていたのが「あつおの ぼうけん」です。2冊とも障害の子どもが主人公です。「ふしぎな ともだち」の主人公は、自閉症です。障害に絵本で挑戦するところが、“ゆきちゃん”こと、田島征彦の真骨頂なのだと思います。
 月刊「たくさんの ふしぎ」は、創刊の時から(現在355号)読者です。最新号は「木のぼりゴリラ」(山極寿一文、阿部知暁絵)」です。多分この絵本は、文を書いている山極寿一の、ゴリラと共有してきたたくさんの時間、たくさんの情報が元になって初めて生まれたのでしょう。描かれている一枚一枚のゴリラたちの絵が、生きものとして威厳を存分に備えていることからもそんな気がします。静かに前を見つめている時も、腕を組んでいる時も、動物園のオリの中にいる時も、威厳を備え顔立ち姿も崩すことはないのが「木のぼりゴリラ」のゴリラたちです。まあ、特に意識しているわけではなくって、ゴリラはもともとそんな顔立ちなのだと思いますが、そこのところを外さないで、向かい合っている人たちによって、絵本「木のぼりゴリラ」は生まれました。
 月刊「たくさんのふしぎ」の2013年1月号は「桜島の赤い火」です。2000年に有珠山が噴火してしばらくして、被災した人たちを訪ねました。洞爺湖温泉街のたまたま営業していた小さな旅館は、「ドカーン、ドカーン」と断続的に一晩中水蒸気爆発でゆれていました。火山の国といわれる日本の、活火山に近い噴煙の上がる山をいくつも登ったりもしています。「桜島の赤い火」は、噴煙の火口が見える、桜島の昭和火口の写真の記録です。この写真の記録には「真っ赤な火が噴きだし」「赤い石がとびだす」「おちた石が火花をちらしながら斜面をころがる」様子がいっぱい写し出されています。昭和噴火は1946年だそうですから、それから半世紀を経て、桜島の昭和火口は、噴火を繰り返していることになります。山は、火山は決してあなどってはならないのです。1995年3月に、噴火から3〜4年経った普賢岳のふもとに立ったことがあります。見上げた普賢岳は噴火の時の荒々しさそのままで、火砕流がたくさんの命を奪い、泥流に呑み込まれた大地が荒涼と広がっている様子に、自然の力の前に人間は無力であることをまざまざと感じさせられました。2000年の三宅島の噴火の時から、島の人たちとの付き合いが続いています。そして、三宅島の子どもたちに音楽を届ける企画で、三宅島を訪れることにもなりました。打ち合わせなどの為に、三宅島を訪れる計画は、三宅空港が亜硫酸ガスで飛行機が着陸しないことが解り、羽田から引き返すことになりました。ほぼ20年毎に噴火を繰り返している三宅島は、島を一周してみると、その20年毎の痕跡がありありと残っています。火砕流におそわれ、真白になった樹木がふもとに広がっていたり、鳥居の上の部分だけがちょこんと残っているのは、そこがすべて泥流で埋め尽くされたからです。今も三宅島の人たちとの交流が続いています。




 自然は、どんな意味でも侮れないのです。
「雑草のくらし」(甲斐信枝 さく)を、久しぶりにながめています。甲斐信枝が、この絵本の表紙に使ったのは、「すいば」です。なんと言っても、すいばのしぶといところは、がっしりと大地に根を張っているところです。教会、幼稚園の前を流れる津門川の石垣で、毎年、よもぎ、せいたかあわだちそうと並び覇を競っているのがすいばです。立派に葉を広げ、立派に茎を伸ばし、立派に穂のような花をいっぱい咲かせるすいばは、狭い石垣の隙間にがっちり根を張っています。甲斐信枝は「雑草のくらし」の表紙に満開に咲くすいばを選びました。そのすいばの茎を一匹のかたつむりが登り、5年分の季節が交差してオオイヌノフグリ、カラスノエンドウも花を咲かせている、という具合であるのも楽しい表紙です。
こうして紹介する一冊一冊の絵本は偶然生まれるのではなく、時には危険と隣り合わせの自然の中に身を置き、時には幼いものたちとの出会いに耳をそばだてる心をとぎすまし、全身全霊でそこで生きた時に生まれることになりました。
残念なことに、人が人として生きる社会で、豊かな自然の中で、人の命が奪われてしまうことがあります。そうだとしても、その時の一瞬一瞬を生きる命は、何一つ疑う余地のない威厳に満ちてそこにあるのです。 
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