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2015年09月02週
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 福島県楢葉町に出ていた避難指示が解除されました。「東京電力福島第一原発事故で福島県楢葉町にでていた避難指示が5日、解除された。全自治体規模で解除されるのは初めて。戻ってきたのは、住民7,400人のうち1割にも満たない。事故から4年半がたち、街は廃炉の前線基地へと変わった」「昨年7〜11月の調査では住宅地の空間線量の平均が毎時0.3マイクロシーベルトにまで下がり、政府は『帰還して居住することは可能』と説明する」(9月6日、朝日新聞)。
 楢葉町全町民7,400人が避難することになったのは、事故の東電福島から2キロ、5キロ、10キロ、20キロと拡大する避難指示区域に、街の大半が含まれていたからです。2012年8月の警戒区域見直しで、放射線量が20m㏜/年以下の楢葉町は、避難解除準備区域となりました。「昨年7〜11月の調査では住宅地の空間線量の平均が毎時0.3μ㏜にまで下がり、政府は『帰還して居住することは可能』と説明」し、今回の解除になりました。「住めない(なかった)」から「住める」になる避難解除は、大きな転換ですが、「避難解除に係る町長メッセージ」(9月5日)には、そのことでの楢葉町の復興計画の基本が示されています。「…そのため、街では復興計画に『安心できる生活環境の回復』『生活再建支援の充実』、『住みよい魅力あるまちづくり』の3つの重点施策を揚げ、まずはかっての原風景を取り戻すと共に、『新生ならは』の創造を目指して、全町を挙げて取り組んできたところであります」。述べられている、楢葉町の復興計画の「復興」という表現の元になっているのは「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」(平成25年12月原子力災害対策本部)であり、2015年6月のその改訂です。福島復興「改訂」では復興計画について以下のように述べています。「除染実施計画に基づく除染等の措置等の着実な進捗に加え、地元に中間貯蔵施設への搬入受け入れを決断いただき、仮置き場から施設内の保管場への除染土壌の搬入が始まっている。福島第一原発の廃炉・汚染水対策については、4号機の使用済燃料取り出し完了、高濃度汚染水対策、ロボットによる格納容器内部の状況把握等が進んでいる」。で、楢葉町の避難指示が解除され、「帰還に向けた安全、安心対策」が示されます。「故郷への帰還に向けて、住民の方々の放射線の健康影響等に関する不安に一層きめ細かく応えていくため、『帰還に向けた安全・安心対策に関する基本的な考え方』を踏まえた総合的・重層的な防護措置の取組を今後とも国が、将来にわたり責任をもって、きめ細かく着実に講じていく」「具体的には、国が率先して行う個人線量水準の情報提供、個人線量の把握・管理・測定作業の丁寧な説明、相談対応等に関する自治体への支援…」「放射線に対する健康不安や避難生活の長期化等に起因する健康問題に対応するため、福島県による県民健康調査の実施を断続的に支援する…」(福島復興改訂)。
 楢葉町町長メッセージ、そして「福島復興加速」及びその「改訂」で繰り返される「安心」「安全・安心」は、もちろん放射能被曝からの安心・安全で「改訂」では、その為の対策として示されているのが前掲の3点です。

1.仮置き場から中間貯蔵施設内の保管場への除染土壌等の搬入が始まっている
2.福島第一原発の廃炉・汚染水対策については、4号機の使用済燃料取り出し完了
3.高濃度汚染水対策、ロボットによる格納容器内部の状況把握等が進んでいる

避難指示が解除された楢葉町から、近いところで12〜13キロのところにあるのが、事故の東電福島です。その事故対策は決して「加速」などと言われる状況ではありません。

1.仮置き場から中間貯蔵施設内の保管場への除染された土壌等の搬入
始まった楢葉町の隣りの隣り、およそ10キロ範囲内の大熊、双葉両町に建設されるのが中間貯蔵施設です。福島県内の、ほぼあらゆる場所に、除染して仮置きされている土壌等は、およそ2,800万トンと言われています。そのほんの一部の試験輸送が始まっています。危険だから除染された土壌等の袋を、その上にシートをかけただけのトラックで輸送するのは安全ではありません。どんな置き方をしても、どんな運び方をしても、どんな取扱い方をしても安全であり得ないのが、この場合の土壌等、放射性物質です。その安全ではあり得ないものが、2,800万トン、楢葉町から12〜13キロの大熊、双葉両町に運び込まれます。既に、試験輸送が始まり中間貯蔵施設の保管場への搬入が始まっています。しかし、施設はおろか、建設予定地の取得も数パーセントで、一部予定地を保場場と称して仮置・野積みしているにすぎません。
2.廃炉・汚染水対策、4号機使用済燃料取り出し
廃炉は、3.でも言及するように何一つその手掛かりを得られない状況で処理され、汚染水の更に超高濃度の汚染物質が楢葉町から12〜13キロの東電福島施設内に「特殊原子力施設」という名のもとに仮置され、増え続けています。循環注水設備のセシウム吸着塔、多核種除去施設の使用済ベッセルは、2015年8月27日現在合計で2,718体、毎月およそ150体ずつ増えています。4号機から「取り出した」とされる使用済燃料は、取り出して移すプールが満杯である為、満杯のプールから取り出された燃料が、東電施設内の別の場所に仮置きされています。危険極まりない放射性物質の「仮置き」は本来はあり得ないのですが、「特殊原子力施設」の名のもとに実施されています。「安全・安心」の名のもとに、避難が解除された楢葉町から12〜13キロの東電福島施設内にはあり得ないはずの放射性物質があり得ないはずの保管の仕方で仮置きされ、増え続けています。
3.高濃度汚染水対策、ロボットによる格納容器内部の状況把握が進んでいる

 高濃度汚染水対策は、前掲のような対策によって超高濃度の汚染物質を発生、残すことになり、放射性物質による危険は何一つ除去されることにはならず、処理不能の汚染水は増え続け、およそ90万トンに達しています。「ロボットによる格納容器内部の状況把握」は、そのロボットの開発、カメラの開発及び実証実験の段階であり、「廃炉」などと言える状況ではありません。
 これらを含めた事故対策は、それを進める時に、更に繰り返し高濃度の放射性物質を環境中に放出させることになり、それが増え続けることになります。そうして放射性物質の環境中への放出を繰り返しても、当事者である東京電力は何一つ責任を問われることはありません。
 なのに、「安全・安心」を歌い文句に楢葉町の避難指示は解除されました。そして「まずはかつての原風景を取り戻す」ことが約束・期待される町民には「自身の健康管理や不安の解消のためにぜひ個人線量計の活用」です。「楢葉町は、除染の実施等により、空間線量は以前よりも低下してきましたが、線量への不安を持たれている方もおられると思います。空間線量の推計(毎時0.23μ㏜/=年間積算線量1m㏜)では、実際の自身の積算線量と誤差がある可能性があります。ご自身の実際の積算線量について、より正確に把握し、不安の解消につなげるためにも、個人的線量計の携帯にご理解をお願いします」(楢葉町役場、放射線対策課)。
 避難解除の目安とされた年間積算線量は1m㏜/年以下でした。解除された楢葉町の住宅の線量は「毎時0.3マイクロシーベルト」です。年間積算線量は訳2.6m㏜/年になってしまいますが、いわゆる除染の効果がそれ以上望めない為帰還する住民一人一人に求められるのが「個人線量計」です。約束された安心・安全でないのはもちろん、東電福島の事故による帰還してこれから受ける被曝が個人の責任になってしまうのです。「まずはかつての原風景を取り戻す」とされる、楢葉町の避難指示解除は、「原風景を取り戻す」には決してならない、放射能に被曝し続ける町楢葉町です。そして被曝し続けることを覚悟でその町に戻るのです。もし楢葉町のような町に原風景があるとすれば、町の総面積10,345haに占める森林7,729hです。しかし、住宅などから20メートルの範囲で実施された、森林の除染は450haに止まっています。大半の、そして楢葉町のその名にも由来する森林の大半は放射能に汚れたまま残されます。「木の枝、葉、幹からの線量は限られる状況になってきた。森林部は、落ち葉の堆積物が遮蔽効果を果たしており、堆積物を除去するとむしろ線量が上がる傾向にある場合があった。線量を下げるためには、リター層直下の上の除去が有効であるが、根系が存在する除去は容易ではなく、土壌流出に注意しつつ実施する必要がある」とされる、楢葉町の森林の大半は表向きは原風景を止めながら、人間の生活の営みを決して寄せ付けない森として残り続けます。
 そんな楢葉町で唯一活況を呈しているのは、東電福島の事故対策で集まってくる人たちで、その活況は、困難なそして終わることのない事故対策が続く限り続くことになります。
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