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2015年10月04週
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 東電福島の事故後の作業で被曝し白血病になった作業員の労災が認定されました。「東京電力福島第一原発で、2011年の事故後に放射線被曝を伴う作業を従事し白血病となった41歳の男性が、初めて労災と認定された」「男性は福島第一で働いた12年10月〜13年12月に約16ミリシーベルト、その直前に九州電力玄海原発で約4ミリ被曝しており、白血病の労災認定基準の一つ『年5ミリ以上』を超えていた」(10月22日 朝日新聞)。「…原発事故への対応に伴う被曝と疾病に一定の因果関係があるとして労災を認められたのは初めて」(同前 朝日新聞)。「…初めて」では、今回のように明らかな疾病「白血病」を発症していること、「福島第一で働いた12年10月〜13年12月に約16ミリシーベルト」と、累積被曝量が「記録」されていることの条件が満たされていました。一般に、作業中の事故の結果、後遺症が残ったりする場合、因果関係が明らかであれば、労災の認定は全く難しいという訳ではありません。しかし原発での作業の放射線による被曝は、特別の場合(JCOの事故で亡くなった2人の7ミリシーベルト、20ミリシーベルト)を除いて因果関係が目に見えたりしません。見えない放射線による見えない被曝は、別の他の原因で起こる疾病とは区別がつきにくいということになっています。で、因果関係が立証されないという理由で、被爆による疾病は多くの場合疑問視されてきました。
 今回が「…初めて」であったのは、白血病を発症していること、東電福島の事故現場の約1年間の累積被曝が16ミリシーベルトと「記録」されていたことによります。更に「今回労災が認定された元作業員の場合、白血病になったことを知った直接の雇用主である社長が作業の元請先に働きかけて労災指摘に至った」ことで、結果的に認定されることになりました。事故の東電福島に限らず、多くの原子力発電所の現場で働いているのは、下請け、孫請け、孫々受けなどの作業員です。そんな作業員たちの被曝線量の管理は、多くの場合不徹底であると言われています。「作業員の9割は関連・協力企業に雇われ、雇い主が何度も変わる人もいる。被曝線量に記録する『放射線管理手帳』は通常、会社に預けて、退職時に返却してもらう仕組みだが、作業員らの相談に乗る『フクシマ原発労働者相談センター』には今年7月『返してもらえない』という相談が寄せられたという」「13年から14年に働いた30代の男性の場合、辞める時に手帳が返却されたが、最後の2か月分の線量は記録されていなかった(10月21日 朝日新聞)。
 東電福島で、事故後約1年間働いて、16ミリシーベルト被曝し、白血病を発症した41歳の作業員は、たぶん、たまたま孫請け(?)企業の社長が、元請け企業とかけ合って労災申請になって、労災が認定されることになりました。東電福島の事故後、そこで作業員として働いた人の数は約4万5千人です。「…東電によると、事故から今年の8月までに働いた約4万6千人のうち、約2万1千人は累積被曝量が5ミリを超えた」(10月21日 朝日新聞)。この「約4万6千人のうち」と「約2万1千人は累積被曝量が5ミリを超えた」と報告されている「東電によれば」はかなり極めて不正確な数字であるはずです。事故後の東電福島で働く人たちの「被ばく線量を記録する『放射線管理手帳』」は、その職場を経営・管理する東電にとって、法的にも道義的にも責任があります。しかしそれが、一旦東電の手から離れて、元請け企業に渡り、更にその下請け、孫請け企業に渡った時、東電はその法的、道義的責任の一切を免れることになります。新聞記事の「13年から14年に働いた30代の男性の場合、辞める時に手帳が返却されたが、最後の2か月分の線量は記録されていなかった」「厚労省は、福島第一原発で新しく働き始める作業員に、企業を通じて労災の仕組みを記したチラシを配布しているという。しかし、一昨年から働き始めたある作業員は、取材に対し『受け取った記憶はない』と話した」がそんなに間違っていないとすれば、その一つ一つのことから、浮かび上がってくるのは、東電福島の事故で、東電福島で働く作業員の被曝に関して、東電は何一つ正確な情報・資料を持ち合わせてはいないことです。あるいは、元々、働く人の被曝について、責任ある対応をする意思を持ち合わせていないということになります。原子力発電所を稼働する限り、そこで最大の問題は、放射性物質の管理であり、働く人たちの被曝です。原子力発電所の放射性物質の管理は、それが機械・道具として稼働する限り、全く閉じ込めてしまうことは不可能であり、そのことが必ず起こってしまう一つがそこに立ち入って確認し、時には補修をする点検です。点検は即ち原発の停止を意味しますから、電力会社はそれを可能な限り短くしようとします。「短くする!」ために、点検にあたる短期の作業及び作業員を外部委託します。もちろん、それは被曝を避けられない作業です。今回労災を認定された作業員が4ミリ被曝されていたとされる九州電力玄海発電所の作業がそれです。この、点検の九電の4ミリ、事故の東電の16ミリとされる被曝の数字は、前掲の一連の新聞記事による限り、極めて信頼度が低いと考えられます。と、考えざるを得ないのは、作業が元請けではなく、下請けでもなく、孫請け企業のものとなってしまう時、作業者の被ばく管理が、管理そのものも含め徹底する理由もあいまいになってしまうからです。問題は停止期間の短縮であって、作業員の被曝管理は優先順位は限りなく低いのです。
 事故の東電福島で、そこで働く限り被曝が避けられない事故現場で働いたとされる約4万6千人のうち、累積被曝が5ミリを超えた作業員は約2万1千人です。被曝で労災が認定されたのは1人です。
 どんな働きの現場であっても、傷を負ったとすれば、一般にはそれがどんなに小さくても大きくても、事故は事故です。放射能による被曝は、現在ではそれがどんなに少量であっても、全く安全であるとはいえないとする「しきい値なし直線仮説」が通説であり、一応はその理解に立ち、かつ緩いとされる国際放射線防護委員会2007年勧告(注・ICRP、2007)でさえも、5ミリシーベルトは立派に事故なのです。しかし、約4万6千人が働いて、被曝事故件数が約2万1千人と半数近くに達しているとすれば、中でも原子力事業者・東電は、被曝が事故であるとは全く認識していないことを意味します。不正確な情報を隠すことなく平気で報告できたりするのですから。どんな事業のどんな労働現場であっても、事業の継続と労働する人たちの安全は、そのいずれかが一方的に優先するということがあってはならないはずです。そうだとすれば約4万6千人が働いて、その半数近い約2万1千人の事故が避けられないような労働の現場は、事業体としての体をなしていないと考えるのが自然です。にもかかわらず、事業者である東電は、その事実について、極々あたりまえのこととして発表してはばかりません。前掲の一連の新聞記事が物語っているように、報告されているのは到底正確とは言い難い数字であるにもかかわらずです。
 5ミリシーベルトの被曝はもちろん、どんなに低線量であっても、放射能による被曝によって健康は脅かされます。被曝は危険であって、一般には1μ㏜/年の被曝の危険があるとされる場合厳しく管理されています。なのに、たとえば東電福島の事故現場では、約4万6千人が働いて、半数近くの約2万1千人が5ミリシーベルト被曝しても、それが事故であるという認識は、一方の当事者である事業者・東電にはありません。唯一事故であると認められるのは、結果として白血病を発症したりする場合の作業員に限られます。5ミリシーベルトの被曝が、その作業員たちの健康を明らかに脅かしているとしても、事業者・東電は何一つ責任を問われることはありません。
(注)
「…年間およそ100m㏜を下回る放射線量において、委員会は、確率的影響の発生の増加は低い確率であり、またバックグラウンド線量を超えた放射線量の増加に比例すると仮定する。委員会は、このいわゆるしきい値なし直線仮説(LNT)のモデルが、放射線被曝のリスクを管理する最も良い実用的なアプローチであり、“予防原則”にふさわしいと考える」(前掲 ICRP、2007、2.2防疫体系の基礎と構成、(36))。

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