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小さな手大きな手

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2015年11月02週
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 幼稚園の子どもたちの集まりで絵本「どうぶつ、いちばんは だあれ?」(スティーブ・ジェンキンスさく、佐藤見果夢やく、評論社)を紹介しました。原題は「Biggest,
Strongest,Fastest」となっており、一番大きい、一番強い、一番速い動物と人間を比べながら、解りやすく描いて紹介するコラージュの絵本です。比べ方が巧みで、最後のページには、動物名、記録、標準の大きさ、重さ、食べもの、住んでいる所が表でまとめられています。「ノミ」は、1.5ミリとは言え、最高のジャンプ力を誇っており、それは「身長の130倍」です。食べ物は「動物の血」で、「南極大陸以外の全大陸」に住んでいるのだそうです。
 そんな「どうぶつ、いちばん だあれ?」を紹介して、「せかいいち すばらしい ようちえん?」について聞いていみました。間違いなく「こうどうようちえん!」なのですが、どっぷりそこにつかっている子どもたちは、気が付いておらず、指摘されてやっと納得するという具合でした(だと思う)。「どうして?」と聞いてみましたが、これも、せかいでいちばんに、どっぷりつかっていますから「???」でした。で、「きみたちは、せかいいちすばらしい子どもだから!」の答えに、少しばかりおもはゆいものの、しっかり納得していました。
 11月3日は、幼稚園の運動会でした。かつて、少しばかり運動の技を競ったり、披露したりしたこともありましたが、今は集まった子どもたち(幼稚園の子どもたちはもちろん、卒園した子どもたち、兄弟姉妹など)や家族など、老若男女全員が「参加者」になって楽しむのが、公同幼稚園の運動会になっています。
 運動会の冒頭の挨拶では、主として子どもたちに話しかけることになっています。
 で、先日学習した「せかいいち、すばらしい ようちえん?」を復習しましたが、何しろそこにどっぷりつかっていますから、少なからず「??」で、「どうして?」のあたりで思い出し、「せかいいちすばらしい子どもだから!」を、少しだけですが、声に出している子どもたちもいました。
 そして、運動会では、「きみたちは、せかいいちすばらしい子どもだから」の「どこが・なぜ!」を以下の順で確認することになりました。
 「世界一すばらしい、お母さんとお父さんだから」
 「世界一すばらしい、おばあちゃんとおじいちゃんだから」
 だから、「きみたちは、いま ここにいるだけで せかいいちすばらしい!」と話し、たぶん納得してもらったのだと思っています。当日は、これにもう一言、二言付け加えることになりました。「すばらしい」のは、「そこにいるだけで輝いている」から、で「そこにいるだけで、どうして人は輝くことができるのか」について。「とっても難しいけど、簡単である」「自分で考え、自分の言葉で、自分の行動で生きている時、人は輝いている」、そんな人たちが集まっている「せかいいち すばらしいようちえん!」の「せかいいち、すばらしい 子どもたち!」が、今ここに集まっていますと。
 最後の「自分で考え、自分の言葉で、自分の行動で生きる」は、子どもたちというよりは、運動会の広場に集まった大人たちへの言葉です。当日、運動会の会場で、別に以下のような文書も配布されました。

YOU ARE SAFE

2015年3月に卒園した子どもたちの記念品になった絵本「じんべえざめ」に、作者の新宮晋さんが幼稚園に出向いて、一冊一冊に子どもたちの名前入りのサインをしてくださいました。
 国の内外で、風で動く彫刻、「風のアート」を発表してきた新宮晋さんは、絵本の作者でもあり、「いちご」「くも」「じゃぐちをあけると」など、子どもたちは大好きです。
「ふわふわさんぽ」は、空気をテーマに紙飛行機が飛ぶ絵本で、最新作はポップアップ絵本「ちいさなふしぎな森」です。森に、一歩足を踏み入れると、自然の営みの一つ一つに発見の喜びと驚きがあり、それは不思議そのものです。ポップアップ絵本の表現力を駆使してその不思議を表現したのが「ちいさなふしぎな森」です。
 新宮晋さんの作品のうち12点が展示されている「新宮晋 風のミュージアム」(県立有馬富士公園内)で先日特別の催しがありました。挨拶に立った新宮晋さんは「…たとえ“夢”と言われようと、すべてのエネルギーが自然エネルギーによるものであることを、決して私はあきらめません!」とおっしゃっていました。

 私の製作に対する興味は、自然、特に大気に関する基本的な好奇心からきている。地球上に大気があるおかげで光や熱や風や雨が存在し、その中で私たちも生きていくことができる。……大気にとって、いったい地球上のあらゆるものたちの間に、そして作品たちと私との間に境界など存在するのだろうか。」
   (1977年ハーバード大学視覚芸術センターでの講義より)

 「たとえ“夢”と言われようと…私はあきらめません!」とおっしゃる、新宮晋さんの作品「風のアート」、「ちいさなふしぎな森」に、出会って驚いて、子どもたちは大好きになります。
 「YOU ARE SAFE」は、脅かされ、故郷を出ざるを得なかった難民たちへのオーストリア・ウィーンの人たちからのメッセージでした。
「YOU ARE SAFE」を、この国の子どもたちへのメッセージとして、この挨拶文のタイトルにさせていただきました。もし、そこに禍があるのなら、全力で子どもたちを守るのが、大人たちの果たすべき責務です。しかし、「…たとえ“夢”と言われようと」、子どもたちがその全身と心を解き放ち、何ものにも脅かされずに自由に走り、踊り、歌う世界に「YOU ARE SAFE」を掲げてと迎え入れたいと願ってきました。禍から子どもたちを守るのではなく、「…たとえ“夢”と言われようと」禍のない世界であること、そうして作り出される世界こそが子どもたちの世界であって欲しいと切に切に願っています。

2015年11月3日
西宮公同幼稚園

 運動会の最後に、もう一度マイクを握って、話したこと話し足りなかったことを、箇条書きにすると以下のようになります。
①「せかいいち、すばらしい子どもたち」とすごすことが、一日一日を生きる力になってきた。
②「禍のない世界」の夢は、ここに集まった一人一人の「自分の頭で自分で考え、自分で行動する」歩みに託されている。
③それは特別な歩みではなく、幼稚園を取り巻く世界、たとえば前を流れる津門川の掃除に加わる、そんな歩みの積み重ねから始まる。
④子どもたちと過ごす年を重ね、2、3年前からこれが最後になるかもしれないとの思いで話すようになった。


 


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