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2016年10月04週
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沖縄北部、国頭村(くにがみそん)と東村(ひがしそん)にまたがる、広大な米軍北部訓練場(7800ヘクタール)のうち、約半分(4000ヘクタール)の日米による返還交渉が始まります。「菅義偉官房長官は8日、沖縄県を訪問し、同県東村と国頭村にまたがる米軍北部訓練場(7800ヘクタール)の約半分(4000ヘクタール)の年内返還をめざして米国と交渉する意向を表明した」。交渉・返還の条件は、東村高江区内のヘリパッド建設です。「政府は、返還の条件となる東村高江周辺へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)の移設工事を年内に終える方針。そのうえで、訓練場の返還実現につなげる狙いだ」(10月9日、朝日新聞)。
 沖縄では、このヘリパッド建設工事は少なからず話題になっています。沖縄の新聞(沖縄タイムス)から、そのことでの見出しの一部をひろってみると以下のようになります。

・年内返還の交渉明言/北部訓練場 菅氏、知事と地元に10/9
・高江国財政支援へ/政府方針、東村通し予算上乗せ 10/9
・基地内の抗議、検挙検討/高江、政府機動隊を投入 10/10
・知事「歓迎」発言は不適切/北部訓練場、ヘリパッド認めず
・立木2万4000本伐採へ/希少種への影響懸念 10/12
・変換計画素案示す/北部訓練場、国、県や2村に示す/調整なく県受理拒否 10/15
・作業員撤収にも利用、陸自ヘリ飛行は2回 10/15
・機動隊荷台乗り移動/建設業者車両に20人 10/12

 沖縄島の、更に北部の、沖縄の人たちがヤンバル(山原)と呼ぶ地域に建設されているのはヘリパッド、ヘリコプター離着陸帯です。国頭村と東村にまたがるおよそ7800ヘクタールの米軍北部訓練場の約半分の返還を条件に建設される新たな米軍基地・施設です。高江に2つが建設されていて、残り4つが建設されると、その基地で東村高江区は囲まれてしまうことになります。で、予定地近くの県道脇の進入路にテントを張り、高江の人たちは反対行動を続けてきましたが、7月の参議院選の直後、警視庁、神奈川県警、大阪府警、福岡県警の機動隊およそ500人を沖縄・高江に送り、反対する人たちを排除して、4つのヘリパッド工事が強行されることになりました。そうして工事が強行される中で起こっていることを伝えるのが、新聞の見出しです。それは、沖縄島の更に北部の新たな米軍基地・施設の建設とそれに反対する人たちのことです。という、少なからず「遠い」話題なのですが、起こっている事柄は少しも遠くはなく、どこを取っても道理に反しているし、その意味で沖縄の人たちはたとえ遠かったとしても、反対の意思を示す為に高江に足を運んでいます。その道理を力ずくで押さえ込むのが、その高江に送り込まれている500人を超える機動隊員です。そうして力ずくで押さえ込む機動隊員は道理に反し「機動隊荷台乗り移動/建設業者車両に20人」だったりします(10月12日、沖縄タイムス)。一方で、県警が警察車両で作業員を運んだりしているのも目撃されています。
国頭村から東村にまたがる米軍北部訓練場は、沖縄戦の後米軍に提供された国有林(地)です。しかし、189年の琉球処分まではそうではありませんでした。1879年に琉球が沖縄県になった時、国頭村から東村にまたがる沖縄の人たちの共有の入会地であったその地域は、一方的に「官有地」(国有林・地)になってしまいました。隣接する大宜味村は、村の人たちがそれを認めなかった為に、官有地であることをも、更に、米軍北部訓練場になることもまぬがれたと言われています。
 いずれにせよ、そこで生活する人たちの土地を、一方的に取り上げ、一方的に米軍基地として提供されてしまったのが、北部訓練場である
ことは間違いありません。
 その北部訓練場7800ヘクタールのうちの半分約4000ヘクタールを返還する交換条件が、東村高江区で建設されている米軍基地・施設、ヘリパッドです。
 言われている「交換条件」はしかし、沖縄・高江の人たちにとっては、道理に反します。元々が、そこで生活する人たちの山原・土地であったものを、一方的に官有地(国有林・地)として押収し、それを、沖縄戦の「代償」として米軍基地として提供し、その半分だけの返還の条件が、ヘリパッド建設だとしたら、その条件は、沖縄・高江の人たちにとっては、何一つ条件たり得ないはずです。奪われた山原・土地を返還するのは当然であり、何一つそれに代わるものを提供する必要がないにもかかわらず、半分の米軍基地は残り、そこでの訓練機能を高める為のヘリパッドを提供するのは、沖縄・高江の人たちに利するものは何一つないからです。あるとしたら、沖縄・高江の土地を奪った日本と奪った土地を戦利品として譲り受けた米国・軍との政治的取引があるだけです。
 いいえ「利」は振りまかれています。「政府はヘリパッド建設を進めている米軍北部訓練場がある高江区に、振興策として財政支援する」「普通交付税などを既存の予算に高江分を上乗せし、東村の裁量で高江区へ分配するなどの方法」で支援する、「利」で東村、高江区の人たちの分断がはかられています。そうしてはかられる「分断」も、「菅義偉官房長官は8日、振興策を求める村、区に対する『要望に応じる形で答えたい』になってしまいます。
 「遠い」沖縄島の更に北の、山原の森で、ヘリパッド建設に反対してきた高江の人たちは少数です。少数であっても、その人たちに道理があり、反対し続けるのであれば、その人たちとその人たちの活動を知らないことにはできない、とする沖縄の人たちが高江に足を運んでいます。そこに働いているのは「沖縄のこころと誇り」です。「戦争をにくみ平和を志向してやまない『沖縄のこころ』のおおもとに、人の苦しみを分かちあう『ちむぐるさん』の精神文化―――『他人に痛めつけられても寝ることはできるが、他人を痛めつけては寝ることができない』」(「『島ぐるみ闘争』は同準備されたか」、森宜雄・鳥山淳編著、不二出版)。高江を、高江の人たちだけのものにはしない、という「沖縄のこころの誇り」が、沖縄の人たちを高江に向かわせるのです。
その10月初旬の高江のN1裏の農道沿いのシロバナセンダングサの花から花へそして大空へ、アオスジアゲハ、オオゴマダラ、クロアゲハが人間が近づいても少しも気にしないで、飛翔を繰り返していました。一面の花に、いっぱい飛翔する沖縄の山原の自然の営みで、たぶん人間はそんなに目立った存在ではないのです。
 そんな山原の森が、既に「立木2万4000本伐採」され、希少種への影響が懸念され、そうして進められる工事は、更に強引になっています。「東村高江周辺の米軍ヘリパッド建設で11日、ダンプカー60台、トレーラー3台が米軍北部訓練場のN1ゲートから資材を搬入するのが確認された」「抗議活動を続ける沖縄平和運動センターの山城博治議長によると、10日も60台以上が訓練場に入った。山城議長は『想像以上の速さで工事が進んでいる。暗たんたる思い』と語った」(10月12日、沖縄タイムス)。
 10月17日午後、山城博治さんが高江のヘリパッド工事の抗議で北部訓練場内に入っていて、「器物破損の疑い」で逮捕されました。

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