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小さな手大きな手

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2005年10月03週
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 1979年にピロリ菌を発見し、それが「胃炎や胃・十二指腸潰瘍の発生に深く関与していることを突き止めた」、オーストラリアの2人にノーベル医学生理学賞が贈られることになりました(2005年10月4日、朝日新聞)。胃炎や十二指腸潰瘍を発症させるのは、従来“ストレスや生活習慣”であると言われ、かつ信じられてもきました。と言うか、仕事もきつく、不規則な生活があたりまえになり、体調がおもわしくなく、結果胃がきりきり痛むなどのことになれば、“ストレスや生活習慣病”には、そこそこ説得力はあるのです。で、ストレスや生活習慣病説は、今でも根強く思い込まれています。人の体と病気のことでは、思いこみの結果、病気であることに必要以上に振り回されもします(逆に、過剰な健康への思い込みが、健康法への過信、健康補助食品への依存になったりもしています)。
 同じ日の夕刊に「がん自滅の『鍵』発見」のことが掲載されていました。発見された「鍵」は、“P600”と呼ばれるタンパク質です。「・・・培養したがん細胞内のP600は、正常細胞と比べて異常に増えており『自殺機能』が働かなくなっていた。そこで、P600の合成を妨げる特殊な手法で培養細胞中のP600の量を減らすと、がん細胞は次々と死んでいった。正常細胞には影響がなかった、という」(2005年10月4日、朝日新聞夕刊)。たぶんP600の発見も、“ノーベル賞もの”なのだと思う。
 で、人の体を形作っている細胞が、たんぱく質で「・・・役目を終えたり、異常が見つかったりした細胞が増殖を止めて自ら死に、新しい細胞が生まれることで新陳代謝が繰り返されている」(同、朝日新聞)ことを発見したのは、ルドルフ・シェーンハイマーです。(「もう牛を食べても安心か」福岡伸一、文藝春秋)。「・・・細胞が増殖を止め自ら死に、新しい細胞が生まれる」という言い方は、シェーンハイマーの発見した事実とは異なっています。「・・・生体を構成しているタンパク質はすべて高速で合成され、同時に分解され置き換わっている」「肉体というものについて、・・・分子のレベルでは、たまたまそこに密度が高まっている、分子のゆるい『淀み』でしかない。しかも、それは高速で入れ替わっている。この回転自体が『生きている』ということであり、常にタンパク質を外部から与えないと、出ていくタンパク質との収支が合わなくなる。それがタンパク質を(人が)食べ続けなければならない理由である」(前掲書)。シェーンハイマーは、人の体のこの事実を「動的平衡」と名付けました(同上)。
 だとすれば、「・・・がん細胞内の中のP600が正常細胞に比べて異常に増えていた」、そのタンパク質P600の“合成”を妨げることは、間違いなくがん自滅の「鍵」の発見ではあるのです。
 で、これらのことから何が考えられかつ言えるのか。一つには人の体の健康は、何を食べるかに多くは依存していることです。中でも分解するのに負担の少ないタンパク質を摂取することが、体の健康が保たれるか否かのカギになります。その場合に考えられるのが植物性のタンパク質です。確か、ゴリラが食事でタンパク質を摂取しているのは木の葉でした(「ゴリラ」山極寿一、東京大学出版会)。“類人猿”は、自分の体に最もふさわしいタンパク質の摂取の仕方を知っていて、守り続けてきたのです。“類猿人”である人は、その本来のタンパク質の摂取の仕方を、いわば逸脱し、“肉食”を好むことで、自分の体により多くの負担を強いる、ないしは苛むなどの結果を生きています。肉食は、そのタンパク質を分解する為に、人はその機能を駆使しています。それはそれで優れた機能を備えているということでもあるのですが、負担は大きいのです。たとえば狂牛病は、羊から牛へと“肉食”によって持たらされ、その牛を食べた結果、人の体、中でも脳に蓄積されたタンパク質“プリオン”が原因だと言われています。人が今更“類人猿”のようではあり得ないのですが、食べるという最も自然であるべき営みを、とことん弄んだ結果が狂牛病であることは確かなのです。
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